渡辺さんの俳句傑作選
5月の俳句
葉桜や も一つ入る がん保険
桜の花は満開になって3日で散っていく、
散り始めるととめどなく花びらが空に舞う・・・・・、
そしてあっという間にあらかた散ってしまい、
その後から若い緑葉が出てくる。
その様子を見ていると、
あまりに短いその盛りを想う。
そしてその後の若葉の勢いを想う
自分自身の盛りの時を思うと今は、
いきなり第四コーナーを回りきろうとしている。
これからの我が若葉を思うと・・・・・、
もう一段上のがん保険を追加したくなった。
この国の 形どうなる 若菜風(かぜ)
菜の花が咲き始めると、
春もそろそろ終って夏がなんとなく見えてくる。
一年でも盛りの季節が近い。
そんな一年の中でもスタートして少し経ったところというのは、
その年も少し落ち着いてきて、
なんとなく回りが見えてくるころだ。
そんな時というのは、国全体の流れが若干気にもなってくる、
普段あまり振り返る暇もない、今どきの日本・・・・・
司馬遼太郎氏が最後に書き残した「この国の形」
読んでは、どうなると自問しても、
結局無関心を決め込んでしまう。
だからといって自己嫌悪に入るほど若くもない。
聖五月 長い列なし 恐竜展
今年の連休は天気が良かった。
5月2日に雨が降ったくらいだ。
愛知万博も、ものすごい人の入りだったということだ。
3時間待ちなんてこともあったようだ。
3時間も待って何を見るのだろうか、
実は、見たような気がするだけではないか・・・・・・
語ろうとする時は、
すでに記憶もハッキリしないのではないだろうか・・・・・
子供に付き合って行った恐竜展も、
長〜い列に並んで出てきたころには、
フンフンとばかりに納得して読んだ解説も、
人に話せる段階は過ぎてしまって、
妙にあいまいになっている。
清明や チョコも加えて ハーブティー
五月の乾燥した気配と、
雲ひとつない晴れた空、
こんなときは気分もだいぶすっきりして、体も軽い
これから入梅となれば、
気分も体自体も腐ってきて、
なんだか厭世的な気分ともなる。
やはり今なのだ!
何事も今なのだ!
フラれる前にフルことが出来るのも今なのだ!
余計なことは置いておいて・・・・・
いつもは番茶も何もないという感じではあるのだが、
いきなりハーブティーをたしなんでみたいというのも、
この時期だからだろう。
ガラでもないがチョコレートのかけらを加えてみた。
まあ実は、アルコールのほうが・・・・・。
ほうれん草 自立と自律 しています
昔、ポパイという漫画を見ていて、
ほうれん草を食べると百人力になり、
バッタバッタとなぎ倒していくのを見て、
ほうれん草って凄いなと思ったりしたが、
実は、ほうれん草の缶詰のコマーシャルだった、
なんてことを後から知って、
なんだと拍子抜けしたりのほうれん草・・・・・
しかし、この歳になってみると、
やはりポパイの話は信じておいて、
毎日食べて、
気持ちからシャキっとさせておいたほうが、
いいと思うようになった。
めざしの頭だって信心からなのだ!
病癒え 春の創作料理 食(た)ぶ
長らく花粉症の被害を受けて、
臭いも味も煙幕の中状態だったのが、
5月になってようやく快方に向かい、
鼻の通りも、
舌の味覚の具合もだいぶ戻ってきた、
世の中には、
こんなにいろいろ臭いがあったのかと感動する始末だ。
しかし、いい臭いというのはまあ・・・・・ない。
あぶらぎった現代の臭いだ、
こんな臭いをしばし忘れさせようという、
国の政策かもしれない、
花粉症というものは・・・・・・。
しかし、花粉症の後の奥方の腕によりをかけた、
創作料理を食べるのは実に楽しみなことではある。
何しろ何十年の蓄積の上に立っていると、
本人は自慢してるのだから・・・・・・。
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