渡辺さんの俳句傑作選










8月の俳句





争いは 菓子の大きさ 終戦日
         戦争というのは、
               よほど深刻な問題があって、
                       国と国が戦うと思われていることが多い。
                      しかし、戦争なってものは意外と・・・・、
                                アリャ・・・・と思われることが原因になってることが多い。
                   イラク戦争はブッシュ現大統領が、
                       父ブッシュが落選してるのにフセインが、
                      でかい顔をしているのが許せない・・・・、
               なんてなことが原因らしい。
                               ちょっと古くなるが、ソ連書記長だったゴルバチョフは、
                                 自国の連中より西側のトップ連中にイヤに人気があって、
                        サッチャーなどは惚れる勢いだったらしい。
                本人ご機嫌になってしまって、
                      それがもとでペレストロイカを推し進め、
                       あげく本人がコケちゃったという話もある。
                                子供が菓子の大きさでケンカするのと大して変わらない、
                                 その程度のことで人は、戦場でどんどん死んでいくんだな。
                            もっともらしい理由はウソだと思って間違いない。






炎天下 人の名前が でてこない

                           
今年の猛暑も耐えられないほどのものがある。
                  ヨーロッパは40度を超えて、
                                 50度に手が届くんじゃないかという状態だということだ。
                               西ヨーロッパは砂漠化が進んでいくだろうという。
                温暖化と言われて久しいが、
            温暖化を防ぐ運動と、
                              温暖化を進めている国家戦略が大して変わらない、
                                  まあ、ヒマラヤの雪か南極の氷が半分くらいにならないと、
                誰もわからないんだろうな。
                     毎年少しづつ温度は上がっている。
                     上がるたびに「アレ・・・・」「それ・・・・」
                 出てこない名前が増えていく。
                      それが年で、ということでもなくなって、
                  年齢もどんどん下がっていって、
                                  みんながそういう会話になると言語も変化していくだろう。
                                    新しい言葉の誕生なんてそんなところから始まるんだと思う。






合宿で 子供いぬ間の 水羊羹
          
夏休みともなれば、
                   学校のクラブ単位で合宿に行く。
                        わが子も一応クラブに所属しているから、
                      涼しい場所に仲間と合宿に行く・・・・。
                                 実はこのときがゆっくり水羊羹が食べられるチャンスだ!
                      子供がいるところで食べようとすると、
                       ほしいとかなんだかんだとそうぞうしい。
                   味わうところまでいかない・・・・。
                   合宿に行ってしまった後はじめて、
                          水羊羹をゆっくりとその味の深いところまで、
                 味わって食べることが出来る。
              衆議院が解散されたが、
                                     国会の職員たちはゆっくり水羊羹を食べることが出来るだろう。
                                    わがままな連中が、とりあえずしばらくいないわけだから・・・・
              クビになった議員たちは、
                                     夏休みにゆっくり水羊羹を食べることが出来なくなって・・・・・、
                                      実は、そのことを今頃ものすごく悔しがっているのかもしれない。







公園の 埴輪の視線 夏木立

                    ジリジリと照りつける午後の太陽
                             ほとんどドライヤーの風のように重く吹く風・・・・・。
                       公園によくある埴輪スタイルの塑像が、
                      焦点のない目でじっと見つめている。
                  まったく何の意思も見せなず、
             無表情に立っている。
                                 その埴輪の瞳の中は、実はタイムマシンになっていて、
                 その中へ飛び込んでしまうと、
             埴輪の視線に乗って、
              人類創世から未来まで、
                 あっという間に歩けてしまう。
                                 この9月の衆議院選挙などしっかり見てこられる・・・・・。
                        そして、元の自分の場所に戻ってくると、
                     いやにくたびれている自分がいる。
            浦島太郎のように、
                      老けた自分がいるのには驚く・・・・・。





看板に 創作料理 夏の昼

                     
食欲の最もなくなるお盆のころ・・・・・
                     暑さのピークが来るのもこのころだ。
                                 このころというのは大体もう家で食事を作ることもなく、
                        外で食事のパターンがどこでも多くなる。
                         食事関係のお店は稼ぎ時ではあるのだが、
                                     独自色を出すための、今だけ料理が店のメニューに並ぶ・・・・。
                                 しかし、我が家の大蔵省は外食の誘惑をそらすために、
                           テーブルに創作料理特集の本をバサッと広げ、
             大々的に材料を並べ、
                            総動員の号令いっか家族全員の料理が始まる。
                          季節柄、いきなり陸軍中将が出現するのだ。
                              なぜ中将かと・・・・・残酷なのがいたからかも・・・・・。





脳の皺 すりへるばかり メロンかな
           メロンがおいしい!!
                       夕張メロンになると万単位のものもある。
        高級なのだ!!
                            メロンというのは高級なほど皺がくっきりしていて、
         値段は高くなる。
                                 皺が薄くなって表面がつるつるしてくるほど値段は下がり
                                  つるつるの表面になればただのウリと呼ばれるようになる。
              ひと山いくらになってくる。
                人間の脳みそも皺が深くて、
                    なおかつ多いほど優秀な頭になる。
             呼び方も変わってくる。
                      皺が多いと末は医者か大臣かとなる。
                     表面がつるつるした感じないなると、
                            大きい会社のサラリーマンが当面の目標になる。
                  ひと山組みに入っていく・・・・・。
                     しかし、今の衆議院の解散を見たり、
                        病院の倒産と過酷な労働を見たりすると、
                            ひと山組みにいたほうが無事のような気もする。
                皺が多くて優遇されるのは、
                       今の時代、夕張メロンだけかもしれない。







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