渡辺さんの俳句傑作選


2018年 3月の俳句


電動の歯ブラシ替える木の芽時

歯ブラシと言えばハードにするかミディアムにするか、
硬さにこだわる歳回りになった。
若い頃はとにかくハード。
そして値段が安い。
これが選択の基準だった。
やはり長持ちしない歯ブラシは選択しない。
若い頃は歯茎にも不安はなかった。
ハードの歯ブラシでガシガシ磨いた。
しかし、それでも虫歯になるから不思議だった。
磨きに磨いてると自負してるから、
どうも虫歯になるのが納得いかなかった。
まあ、仕方なく歯医者に行くのだが、
敗者の愛想の良さが喜んでる気がしてならなかった。
今くらいの年れになるとハードは選べない。
やはり歯茎に自信が持てないのだ。
なんだか歯茎がグッと下に下がった気がして、
なんだかいやに柔らかく磨くようになってしまった。
歯ブラシもハードからミディアムに変わった。
値段もその良さを自覚できないまま、
少し高額のものになった。
気持ちにどうも自信のなさが広がっている。
軽く歯が欠けたりするともうダメ。
なんだか必要以上に動揺するのだ。
なんだか妻にも言えない隠したい気分になる。
やはり磨き方に不具合があると嫌に深刻に考えたりする。
手持ち歯ブラシから電動歯ブラシに変えようか・・・。
テレビコマーシャルでも最近よく目にする。
しかし、慣れないものに対して、
歳とともに猜疑心が強くなっている昨今、
どうも決心がつかない。
どうも使い方にしっくりこないのだ。
コマーシャルを見ていても、
いまいちしっくりした感覚になれない。
若い時には5分で解決した悩みもこの歳になって、
半年近くも堂々巡りの悩みになっている。
こう書きながらもすでに悩んでるのだ((+_+))





啓蟄の激辛にするカレーかな


今年の冬は厳しい寒さがの日が続きましたね。
あまりに寒いので、
ユニクロの薄いダウンを重ね着して過ごしましたよ。
それでも寒いんだからどうしようもない・・・。
しかし、啓蟄という24節気の一つが今年は3月6日。
虫がはい出てくることを言う言葉らしい。
蛇とかトカゲなどの爬虫類も含まれるらしい。
それにしても虫がはい出てくると言われても、
どうもピンとは当然来ない。
全然温かさなど感じない時期ですよまだ・・・。
そこで虫がはい出てくる言葉を言われても、
頭に残るものではない。
今年、虫を最初に確認したのは、
まだ弱弱しい姿のユスリカ。
白い椿の花の中にいました。
命の復活だと感動して見てました。
それと同時に春の訪れは、
意外に近くまで来てるのかなと思いましたよ。
弧のユスリカがたくましく無事に成虫になってほしいなと、
なんだか心に念じましたよ。
ところで、啓蟄で春を感じて激辛カレーにするのかな。
いやそんな単純なことで一句作るわけがない。
もうひと掘りしないと分からない意味が、
ジトっと隠されてるのではないかと思う。
俳句は17音しかないんですよ。
その最も短い文学作品に、
ただ啓蟄だから激辛カレーなんて単純な意味で、
17音を終わらせるわけがない。
ここで登場してほしいのが名探偵ポワロ。
まあ、登場するわけはないので、
心象風景の中で登場させるとよい。
だから啓蟄に激辛カレーという、
一句の意味が分かるわけでもない。
名探偵ポワロに登場してもらっても、
俳句なんて芸術が理解できるのかなぁ・・・。
ポワロはイギリス人ですよ・・・。
日本の俳句文学が理解できるかどうかから始めないと、
結局すべて薄明の中に置いとくことになる。
啓蟄と激辛カレー・・・。
関連を解くカギが見つからない。
っていうか、ポワロがカレーを知ってるかどうかですよね。






エイプリルフール調節できぬ自撮り棒


エイプリルフールなんて聞くと、
嘘をついていい日ということだ。
なんでうそをついていい日になったか、
はっきりとは分からないらしい。
普段うそをついてはいけません、
なんて言ってる人たちが一気に嘘をつける日がこの4月1日。
でも、なんだかうそをついていいと言われて、
はいそうですかでという感じではやはり嘘はつけない。
嘘をついてはいけません!
という子供のころからの躾が効いている。
そういう躾をされてきて、
なを嘘をつける人が国会議員になるんですね。
官僚もいかにうまく嘘で追及を逃れるか、
まあ、嘘は上に行くほど必要不可欠なんですな。
年中嘘をついてたら、
エイプリルフールなんて全く必要ない種族といえる。
スマホのカメラ機能がますますよくなっている。
そのスマホを先端に挟んで自分を取る棒がある。
自撮り棒というやつだ。
この自撮り棒、なんだか危ないということで、
禁止なったんじゃなかったかな・・・。
なんだかそんな話があったような気がする。
ま、回りを見ると関係なさそうですが・・・。
観光地に行けばみんな景色をバックに撮影している。
この自撮り棒長さを調節できないのかな。
ムム、これが実は嘘なんだな。
だからエイプリルフールあたまに持ってきてるわけだ。
思わず本気にするところだった。
でも・・・、
ホントに自撮り棒って調節できないのかな。
この句を作った人を思い浮かべても、
嘘かほんとか迷うところだ。
イギリスでは嘘をついていい時間が午前中だけらしい。
やはり紳士の国って感じがするね。
これも嘘だったりして( *´艸`)





過労死が見え隠れする春の海

過労死・・・。
なんだかやたら暗い響きのある言葉だね。
だいたい寝る時間がどんどん削られてしまうと、
自殺してしまうらしい。
会社に我が子を預けて、
遺骨になって返されたらたまらない。
最近では電通社員の女の子。
新国立競技場建設で働いていた男の子。
今の国会で安倍さんが通そうとしている、
働き方改革法案。
これは過労死推進法ですな。
大企業のためにどうしても通さないといけないらしい。
給料上げろとだいぶねじ込んできたから、
企業のための法案を通さざるおえなくなったらしい。
いろいろうまいことを言っているが、
結局く企業のための法案なんだから、
社員にいいわけがない・・・。
でも、日本の労働者はおとなしいから別に反対もない。
過労死してから騒いでもどうしようもないのだけど・・・。
自分の父親なんかは相当厳しい労働条件でも、
過労死はしなかった。
軍隊上がりということが大きかったらしい。
戦争で生き抜いてきた父親世代はそもそも強いし、
過労死なんて言葉はなかったかもしれない。
そういう過酷な戦争を潜り抜けてきた世代が、
日本の高度成長を支えてきたんですな。
今の人たちにそんな世代の状況を求めても無理。
日本の企業風土はどんどん劣化してるから、
これからの人は大変だと思う。
>春の海ひねもすのたりのたりかな<
与謝蕪村の句だが、
こんな状況はもう日本には絶対出現しない。
これから古き良き時代の句ってことで残りそうだ。
これからの時代過労死が、
普通のことになっていきそうな勢いではある・・・。
これから増えていくであろう外国人労働者との競争になるから、
厳しさも半端でなくなるよね。





春の宵机にアガサクリスティー

冬が去って春。
暖かくなってきたなと思っていると、
気温の上昇が止まらず、
春を通り越して夏日になってしまった。
3月一か月で冬と夏を経験するという、
人生の終わりに差し掛かってのこの経験。
三途の川を渡るときの船の中での話題にできそうだ。
話題が多い昨今の三途の渡し船の中はなんだか明るそう。
なんだかこのわけのわからない3月の陽気に、
解明を託してみたいのが名探偵ポワロ。
カレーのところでも登場していただいたが、
ここは謎の多い今年の春にはその頭脳が役に立ちそう。
まあ、声をかければ逃げ出すだろうけど・・・。
「逃げるは恥だが役に立つ」
てなドラマがありましたが、
ドラマとは関係なくポワロ探偵の名前を語れば、
なんだか一文が書けてしまいそうなこの春の陽気。
逃げるは恥でもなんでも名前を登場させてほしい。
一か月の間に春と冬と夏が登場する謎。
この謎を解くには気象庁じゃ役不足。
予想がほとんど当たってないのだ。
やはりポワロ探偵の謎解きの方が聞く耳持てるね。
予報じゃなくて推理が適してるのだ。
一気に冬から夏へシフトして、
もわっとした空気感には、
謎解きのアガサ・クリスティーがいい。
ポワロとともにふんずまった脳の毛細血管に血液を通そう。
江戸川コナンじゃダメかな・・・。
悪くはないが相手は子供です。
実際は高校生らしいがそれでも子供だな。
大人には名探偵ポワロと、
アガサ・クリスティーでしょ。





主催者吟


キラキラと落つるしずくや木の芽時

最近と思いしことの遠き春

列守り鳥帰り行く春の湖

変わりたる新芽の森の深呼吸

富士山の化粧ちょいはげ春嵐




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