渡辺さんの俳句傑作選


2018年 8月の俳句


車椅子遅々と進まず敗戦日

東京オリンピック、パラリンピックも後二年で開幕ですね。
猛暑の中で開幕となるわけですが、
巷ではこの暑さでどうなるんだという声で、
満ち満ちてますね。
小池都知事なんかオリンピック関連で、
テレビに映るとニコニコしてますよね。
猛暑なんて気にしないという感じ・・・。
ほかの関係者もまず話題にしてませんね。
とにかくやっちまえのノリかな。
国立競技場の観覧席でも熱中症。
テレビの前でも熱中症。
なんだか風邪よりも流行りそうですね。
車椅子というと時々出会うわけですが、
なかなかやはり大変そうです。
バリアフリーといってもまだまだです。
それにしてもパラリンピックの車椅子バスケとかすごいですね。
機械と機械が激突する感じ。
その迫力たるや普通のバスケよりすごい!!
車いす世界というのは、
確かに以前より認知度は上がってますね。
しかし、それでもまだまだかな・・・。
敗戦の日からずいぶん日本も、
この分野でも前進して来てるとは思いますが、
その前がひどすぎた。
それに雇用にしても水増しは当たり前の官僚世界。
民間の企業もひどいですね。
要するに雇いたくないというのが見え見え。
官庁が先頭きってやってるんだから救いようがない。
こういうところを見てると、
敗戦で進歩した面てそれほどないのかも・・・。
日本人の本質は変わってないということか。
そうそう民族の本質なんて変わるもんじゃない。
車椅子がさっそうと道を移動する、
なんて光景がいつ見られるのかな・・・。
なんだか遠いいね・・・。
パラリンピックが終わると、
また見ないことにされてしまうのではないかな・・・。





出控えて俳句作りも夏休み


今年の猛暑は凄かった!!
なんだか地獄の窯の底に日本が落ちた感じだった。
とにかく皮膚に感じる日差しが、
いままでに感じたことのない刺激があった。
外に出るにも覚悟というものが必要になった感じ。
覚悟というのはそうそう必要な場面というのは、
日ごろあるわけではない。
しかし、毎日が40度近い気温、
舗装道路の上なんか照り返しがあるから、
45度くらいになってるのではないか・・・。
毎日天気予報の気温を聞くたびに、
なんとなく絶望感が出てくるんですな。
外に出るのもなんだか今日はやめておこうが、
ほとんど毎日だった7月。
8月の同上・・・。
俳句もこの暑さをテーマにしようと、
いろいろ考えを巡らせるが、
中7まで出てきて下五でコケる・・・。
中七下五が出てきて上五でコケる。
なんだか中途半端な句ばかりが並ぶ。
しまいには考えるのも億劫になって、
ゴロンと仰向けにひっくり返って、
熱帯夜の寝不足を取り戻す活動に入る。
目が覚めると頭はきれいに空っぽ。
こんなことでいいのかと自分を叱咤してみるが、
その答えが、それでいいのだとはなかなか出しにくい・・・。
この猛暑の中だと考えるのがなんだかきつい・・・。
頭を使うのがきついのだ。
オリンピックもこの状態の中でやるわけだが、
暑さを危惧する声もあるが、
そうかな・・・。
なにも考えられない中だと、
かえって集中できるんじゃないかな。
ま、怒られそうな見解ではある・・・。
でも、テレビに映る小池都知事はオリンピック関係の事では、
まったくうれしそうだな。




ひもすがら写経に浸る生身魂


写経一式道具を本屋で見た。
そういうコーナーができていた。
日本の人口がこれから高齢者が、
大半になるということを見越してのことだな。
いよいよか・・・ってな気持ちになりますね。
しかし、このコーナーをざっと見渡してみると、
一口に写経と言っても結構種類がある。
本格的な毛筆物からボールペン物まである。
そしてちゃんとに下に文字をなぞる用の下敷きまである。
その文字をなぞっていけば写経一貫ができる仕組みだ。
内容が分かって写経する人ってそうはいないから、
これはこれで正解かなと思う。
一時の静寂な気分を作り出したいということかな。
なんとなく興味を惹かれて手に取って見たりした。
なんだいまひとつピンとこないのは修行が足りないのかな。
修行などという言葉を使うと、
オーム真理教ってなことを言われそうだ。
この言葉にあまりよろしくないイメージがついてしまったのは
ちょっと残念かな。
猛暑を避けて八ヶ岳山麓あたりの寺の境内で、
蝉の声を聞きながら、
震えそうな手をぐっとこらえて一文字づつ書いていく。
なかなかお手本のようにはきれいにいかない。
なんとなく斜めになってしまうのも、
まだまだ修行が足りないのかもしれない。
それにしてもこういう写経をしている風景を思い浮かべると、
なんとなく不思議だなと思うのは、
ジッと一文字づつ書いていくという作業の中で、
眠くならないのかなということ・・・。
あ!、そうか・・・。
そういう下世話なことにすぐ頭がいってしまうというのは、
どうも写経する態勢にまだ自分がなってないってことだな。
本屋の写経コーナーに足を止めるところまでしか、
自分の修業はいってないのか・・・。
レジに持っていって買うところまでは、
もう少しというところだろうか。





饒舌な友を連れ立ち草の花

自分の友人関係を一回り眺めてみると、
少し偏りがるのかなという気がする。
自分は根暗だと思うのだが、
意外にもさらに根暗な友人がいる。
ま、よくしゃべるのもいることはいる。
けっこう饒舌な友というのは、
二人連れだって飲みに行ったりすると、
ま、予想通りよくしゃべる。
アルコールが入るとさらによくしゃべる。
おいおいそこまで言っていいのか、
という領域にまで話は広がる。
でも、だから面白いしストレス発散にもなるのだな。
下ネタな話になるとさらに、
エンジンの音も高らかに、
早口気味に言葉が出てくる。
普段言わないことまで出てくる出てくる・・・。
その言葉尻に乗っかってこちらもエンジン全開となる。
二~三軒はしごした後は、
この世はすべてオッケーみたいな気分になって帰宅する。
午前様で帰宅するとドアには鍵がかかっている。
寝てしまってるのか呼び鈴を鳴らしても出てこない。
自分のカギを探すのだけれど、
こういう時は大体見つからない。
みっともないからおよしなさい・・・という、
植木等の歌詞が頭に浮かびますね。
ドアの前で居眠り真夏の陣・・・。
酔いがさめた後はなんだかいやに、
早朝の冷気というのは身に沁みるんですな。
悟りのない人間というものの生態なのです・・・。





口喧嘩どうにか収め台風来

口喧嘩という単語を見たり聞いたりすると、
まず間違いなく夫婦喧嘩かなという連想になる。
いい大人が会社で口喧嘩なんてそうはするものでもないから、
ま、夫婦喧嘩かなということが頭に浮かぶ。
夫婦の間で口喧嘩になると、
これはなかなか壮絶なものがありますよ。
外野席から観戦したい欲求にかられます。
夫婦の口喧嘩でもその形を分類すると、
まず壮絶なのが闘牛型ね。
それと甲虫型。
猿山型なんてのもありますね。
なんといっても闘牛型の見どころは、
向かってくる言葉の牛をどういなしながら、
自分有利の態勢に持っていくか、
これが一番の見どころでしょう。
いなし方が下手なマタドールは、
ハチじゃなくて牛の一刺しでコロって感じですよね。
けっこういい勝負になるのが甲虫型ね。
戦うのはオス同士ですが、
意外とおとなしめの争いなんですね。
片方が逃げれば深追いはせず見逃してくれる。
猿山型はなかなか見どころがありますよ。
だいたいもめるのは餌の取り合い。
旦那の小遣い闘争って感じでしょうか・・・。
簡単に渡しやしないから、
そこでちょっかいを出して喧嘩になる。
なんとなく勝負がつくと、
負けたほうは相手の毛づくろいなんか始める。
ご機嫌取りですな・・・。
まあ、とにかく喧嘩を納めたら、
台風並みの出来事に襲われても、
防げるように備えるってことかな(^O^)/





主催者吟


妻の言う無事にと猛暑のドアの外

落ち着かぬ寝ては覚めては熱帯夜

冷房の店の長居や訳もあり

かき氷今年シロップ種類増え

天井のシミ数えてる熱帯夜




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