渡辺さんの俳句傑作選


2019年 6月の俳句


カーナビを暫し忘れて麦の秋

今やカーナビを珍しいという人はいない。
カーナビが当たり前という世の中だ。
ドアtoドアで道順を示してくれるのだから便利この上もない。
方向音痴でもドライブができるようにと、
開発されたんじゃないかと思う。
車の免許をとれる年頃になった時、
親に免許を取るのかと聞かれて非常に迷った。
今だったらそんなことで迷う若者はいないだろう。
しかし、当時はカーナビなどなかった。
超方向音痴の自分は怯えたね。
ひとたび車で出かけてしまったら、
無事に目的地まで行けるのか・・・。
はたまた何事もなく帰ってこられるのか・・・。
夜にでもなれば回りの風景もわからない。
なんとも免許を取った後、
親を乗せてどこかに行くということになった場合、
道に迷うなどということは許されなさそうだった。
なにしろ全然に育った親だから、
融通が利かなさそうだった。
なんだかんだ迷っているうちに免許の話は立ち消えになった。
まあ、結局こちらからアプローチもせずにいたら、
忘れられたという感じだ。
この時代にカーナビがあれば、
もしかしたら免許を取っていたかもしれない。
今非常に後悔するのは身分証明で、
写真付きの提出を求められることだ。
これは結構面倒でまず持ってはいない・・・。
保険証じゃダメな場合があるのだ。
今更後悔してもしょうがない。
後悔先に立たずの典型か・・・。
父親と車で出かけるとさらに悲惨で、
地図を持たされて道路の質問に答えなければならない。
そもそも方向音痴だからなんだかよくわからない。
時間がかかりすぎて時々怒られた。
目的の曲がり角を通り過ぎようものなら、
無言ではあるが頭から湯気が出ていた。
言葉が多くないだけにそれがまた怖かった。
なんだかなぁ・・・今のようにカーナビがあれば、
全然違った人生が待ってたような気がする。
まあ、これはチト大袈裟化か・・・('◇')ゞ





浅草や車夫たむろして汗匂う


浅草も今外人観光客で埋め尽くされている。
わたくしが行ったときは人も少なくのんびりしたものだった。
仲見世通りもゆっくり店を見て回った。
今や外人さんで雷門なんか近づけない感じ・・・。
浅草花屋敷なんて特に人もいなかったなぁ・・・。
日本最古の遊園地ということで眺めた記憶がある。
その時も車屋さんが道路わきに並んでいた。
それほどの台数もなかった記憶だ。
乗る人も少なかったってことか。
今はどのくらいの値段か知らないが、
自分が行った頃はそれなりのお高い金額だった。
そりゃそうだと思う。
浅草界隈を人力で回るわけだから、
車夫の人のガソリン代もそれなりかかりそうだ。
今や外人さんの観光客が増えて、
それなり乗せることも多くなったんじゃないかな。
やはり外人さんはお金を使うからね。
日本人だと自分を含めてまず緊縮だから・・・。
その車夫の中に結構女性もいるんですよね。
もちろんそれなりに若い子女の子が、
男の車夫に交じっているわけですよ。
なんだか乗りたいなとか、
よこしまなことを考えたりするのですが、
皆けっこういい体格をしていて、
がっちりしてるわけですよ。
顔を見ると結構美人さんが多くてこれも驚いた。
まあ、体育会系の子たちだと思うがたくましいね。
客待ちのところを通り過ぎると、
何人か固まっていて情報交換でもしてるのか、
なんかしゃべっている。
けっこう汗臭いのだがこれは男の汗のにおいだな。
女の子の汗のにおいだと思いたくないのかもしれない。
ま、いろんなことを考えたり思ったりしながら、
浅草歩いたころも懐かしい。
今は人が多くて足が向かない。
でも、人力車でひと回りもいいかな・・・。
女の人の車夫で・・・( *´艸`)





お絵描きの傘鮮やかや梅雨に入る


今年の梅雨は長いですねぇ!!
+寒い・・・。
アレルギー性の咳がひどくなった。
いつもは秋口に出る症状なのですが、
毎日気温低い状態が続いたせいか、
体が勘違い反応をしたようです。
喉も痛くなって二重苦という状態。
風邪をひいたというより、
これはアレルギー反応だと自分でわかります。
秋口の症状が今出てくるほど、
気温の低い状態が続いているということですね。
去年の今頃は猛暑の連続記録を更新していたと思うと、
なんともはやの気温傾向。
お絵描きという状況は、
今はとんとご無沙汰ではありますが、
梅雨という季節的なものがクローズアップされてくると、
子供もそれにしっかり反応して、
描く絵も傘が登場するんですね。
梅雨だ梅雨だという強調された会話を聴いてると、
子供は素直に反応して描く絵にも傘を登場させるのかな。
冬の傘に比べると色鮮やかに強調されるわけですよ。
それを大人が見ると、
梅雨だなぁ…としみじみするのかな。
そもそも子供の感覚は、
大人の会話の中から出てくるもんだから、
色鮮やかになった傘を見て梅雨だなぁ…と思うのも、
勝手なことなんですね・・・。
なんて理屈っぽいことは言わないで、
素直に子供の感性を受けれないといけない。
子供の感性は大人の感性を反映させたものになるから、
子供を見てると親がわかるというのはあるんですね。
お前の子供の感性はどうなんだと言われると、
はい…面目もありません(/ω\)





片陰や尻餅をつくパンダの子

上野動物園のシャンシャン。
言わずと知れたパンダですよね。
小さい子供のころから映像が流されてて、
かわいい仕草がなんだかくすぐられますね。
子のシャンシャンは、
実はもうすぐ中国へ里帰りする予定だったんですよね。
ただ今の日中の関係がよいこともあって、
2年くらい返還伸ばされたんですね。
どっちにしても返さないといけないわけですよ。
上野で生まれたパンダも中国へ…。
一時の慰めみたいなもんですね。
返すくらいなら借りなくてももよさそうなもんですが、
まあ、国の思惑も絡んで今いるんですね。
いろいろ考えると日中の歴史そのものって感じもしますね。
仲が悪いときはまず考えられないですが、
ちょっと良くなるとパンダどうですかみたいなことになる。
日中双方がですね…。
あまり喜んで見に行くものでもない気もしますが、
かわいい姿はやはり捨てがたいんですね。
愛嬌はありますからね。
落ちたりひっくり返ったり転がったり。
なんだか小さい子供の仕草を見るようですね。
この姿に大人の感性が反応するわけです。
そこから中国にいい印象を持って行ってもらえれば、
中国としてはしてやったりなのかな…。
見る人は単純ですからね。
パンダキャラクターも出せばそこそこヒットする。
たれパンダなんてその筆頭ですね。
女性同士の話題だったら小一時間持つのかな。
男同士だと「なにそれ…?」ってなことになりますが、
男と女どちらによりアピールしたほうがいいのか…。
そうなれば女性でしょう。
中国がそこまで考えてるかどうかは未定ですが…。
どっちにしても政治的な意味が隠されてるんですよね。
そんなことを言うと「うるさい!!」と、言われそう。





終活が疎ましくなる雲の峰

終活という言葉がいきなり身近になったのはいつ?
還暦過ぎてからかな…。
いや、もう少し後か…。
今はもうしっかり背中に張り付いてる言葉ですが…。
終活なんですが、
まあ、一時は真剣に何を整理していくかと、
いろいろ思いを巡らせてだいぶ廃棄したりしましたが、
ここのところその廃棄した分だけ、
また持ち物が増えてしまった。
終活と銘打って整理したのに、
その分がまた増えてしまえばどうしようもない。
少し最近はあきらめ気味ではあります。
今までの経緯をたどってみると、
さていよいよ令和だ、自分の命日が来るぞ!
と、覚悟を決めて終活だとぐるっと部屋を見渡す。
あれもいらない、これもいらない、じゃ処分だ。
ちょっと未練を感じながらも雄々しく処分。
けっこう大事にしてきた物を処分するときは、
自分に男気を感じたりして、
うん、うんとうなずいたりもする。
ずいぶんいろいろあるもんだなと、
処分のごみの山をしげしげと眺める。
基本的には自分が後使いのために、
とっておいたものだから、
けっこう未練を感じるのですよ。
しかし、そこで後ろ髪をひかれては終活の意味がないと、
スパリきれいに処分。
しかし…。
その後どうなっていったかというと、
やはり人間そう便利にはできてないというのを、
じわじわと実感させられる。
だんだん物が増えていって空いた隙間は、
しっかり埋められていってしまった。
終活という言葉はどこへ消えたのか…。
それを言ってくれるな皆々様よ…。
終活万歳!!((+_+))





主催者吟


雷雨止み子の声響くアーケード

梅雨の夕残りし青はカプリ島

解体の半ばの本屋長き梅雨

故郷の匂い列車に梅雨の傘

梅雨の闇深く広がり父母偲ぶ




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