渡辺さんの俳句傑作選









11月の俳句





松手入れ 競馬予想の ラジオ聞く
                    正月に使う松の手入れをしようか、
                        いや、まだそんなことをするには早すぎる
              11月じゃないか・・・・・・。
                                        しかし、切羽詰ってからじゃ、これまたやる気がしないのではないか。
                              なんだかんだと考えているうちに11月も半ば・・・・・。
                             そろそろやるかと準備は結構しっかりやるのだが、
                 今度は競馬のG1が気になる。
                       ようするに煩悩が多々あるということだ。
                    そういうことを綺麗にするためにも、
                          正月飾りに使う松の手入れをするわけだが、
                                 競馬予想のラジオを鳴らしてないと手は動かない・・・・・。
                       予想の話によっては手が止まる・・・・・・。
                            まあ、結局来年も煩悩多い一年が予想される。








塾教師 語呂で教える 暮の秋 

                                     
この時期、そろそろ受験生にとっては勝負どころに来るころだ。
                                     なかなか学力が上がらずスランプに陥ったりするころでもある。
                       塾の講師にとっても追い込みの時期だ。
                         あんまり落ちる学生が多いと首にかかわる。
                                  このギリギリのところで難しい理屈を言ってもしょうがない、
                   この際は、うまく語呂を合わせて、
             その語呂で暗記させる。
                どう教えるかを考えるよりも、
                               覚えやすい語呂を考えるほうが忙しい時期といえる。






遠のきし 夫婦別姓 草もみじ
             夫婦別姓をどうするか、
                     そんな議論が盛んだったころがある。
                                  国会議員を巻き込んでの議論が沸騰していたように思う、
                      テレビ、新聞でも取り上げられていた。
                           いまや記憶にもない言葉になってしまっている。
                             あの議論はどこにいってしまったのだろうか・・・・・。
                          しかし、もうそういう議論も実は必要がない。
                                 そういう議論が必要な夫婦はさっさと別れてしまうからだ。
                 それが今の流れになっている、
                                   この流れの中で議論をしても仕方がないというわけだ・・・・・。







ちちろ虫 納戸におきし 聖書かな
                          秋深で虫の声も若干な少なくなってきた。
                           この夜長の時期はもっとも読書に適しており、
                           少し前まではよく読んでいたような気が・・・・・。
                                      しかし、ここのところ夏の暑さがあまりにも圧倒的になってきて、
                 涼しくなるとホッとしてしまう。
             緊張感が緩んでしまう。
                  こうなるともういけない・・・・・。
                         今度は読み始めるとすぐ眠くなってしまう。
                       電車の中でならと思って本を開げると、
                                   うつらうつらして、今度は降りるべき駅を通り過ぎてしまう。
           最悪である・・・・・・。
                   長大な聖書は、内容が濃いため、
                           これから読もうということで納戸においてある。
                            今秋中には読みはじめたいと思っている・・・・・。







非婚なる 語の重たさや 酉の市

                           結婚というのは婚姻届を出してから成立する。
                                 そういうことは一般的で本人たちには必ずしも必要ない。
                                       婚姻届も出さずに一緒に住んでいるカップルが増えているという。
                        一昔前ではとてもゆるされることではなく、
                   非難中傷の的になったものだが、
                                 いまや一般語化してしまって特別視することもなくなった。
                              簡単に別れやすいという便利さもあるということだ。
                                  でも、婚姻届を出したから離婚が減るというものでもない、
                        しかし、子供が出来ると事態は急変する。
                                 世の中子供がいると婚姻届を出して結婚をしている側に、
                圧倒的に有利に出来ている。
                              そこでこの一言の重さをかみしめることになるだろう。
                                  個人レベルではどうでもいい世の中ではありますが・・・・・。








パドックに 食い入る眼 雁渡る
             12月に有馬記念まで、
                   G1のクラシック大レースが続く
                              次々によく走るものだというくらい名馬が登場する。
                     それに一攫千金を夢見て賭ける人、
          運試しをする人、
                          自分の勘が当たるかどうか試してる人・・・・、
                      などなど、たくさんの人が集まっている
                それぞれ真剣なまなざしで、
                           ゆっくりパドックを歩く馬を推理している・・・・。
                                そんな欲の皮のそれぞれの突っ張り具合とは関係なく、
                   そんなこととはまったく関係なく、
                       冬を越すべき渡り鳥が日本を後にして、
                       海を越える長い旅路に飛び立っていく。
                              羽音もさせず何羽かで静かに旅立っていく・・・・・。







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