渡辺さんの俳句傑作選


2021年 2月の俳句


着膨れて三分待ってカップ麺

今年の冬はコロナ禍ということもあり、
出かけるということもなくジト~ッと部屋にこもる感じ・・・。
正月初詣も地味もいいところ、
いつもはでっかい神社に行くところですが、
近所の路地にある社みたいなところに初詣。
自分だけかなといってみるとこれが結構次々来るんですね。
一応おみくじとか破魔矢とか売ってるんですよ。
まあ破魔矢を買ってお賽銭を投げてお参りしましたよ。
神のご加護をしっかりお願いしましたが、
なんせ小さいですからそこまでの力があるかどうか・・・。
まあ、それでも正月という雰囲気は残したい、
ということで行きましたね。
今年の冬はなんだか短かった。
一月まではそれでもそれなりの寒さが続きましたが、
二月になると高温になる日が多く、
「なんだろう、これは?」という日が多かった気がする。
二月で三月の気温とか四月の気温とか言われると、
「はぁ・・・。」ってな気分になりますな。
それこそ着膨れたかと思うと次の日には薄着。
なんだかこれを繰り返したような・・・。
そういえば三分待ってカップ麺というのはもう古いですよ。
なんだかこの一言も昭和を感じさせますね。
今は、令和のカップ麺の楽しみ方は、
少し早めに蓋を開けて、
少し芯のある状態から少しづつ食べ始めて、
半ば過ぎるくらいでちょうどよい硬さの麵を食べる。
三分待ってからだと最後は伸びきった面を食べるようになる。
最後の最後であまりおいしくないカップ麺を、
食べるようになってしまう。
やはり食後が大事ですよね。
食後に美味しさが残るのは気分がいいです。
令和のカップ麺の楽しみ方はここが肝です。
自分はもっぱらシーフード麵を楽しむ派です。
最初少し硬めから始まって、
最後はちょうどいい湯加減と、
麺の雰囲気を楽しむんですよ(*^^)v





新空港発着なくて黄砂降る


航空会社が大変!!
コロナの影響で人が乗らない・・・。
全日空も日本航空も大赤字で首が回らないということです。
首が回らないくらいならいいのですが、
首が胴体から落ちかねないという話です。
しかし会社の涙ぐましい努力と、
景気が良くなった時の人材確保の意味もあって、
客室乗務員をいろんな業種に出向させるという、
前代未聞の方法がとられてます。
お客仕事はプロなので、
派遣された企業にとっては即戦力のようですね。
評判も上々のようです。
旅客機も乗る人がいなければどうにもならないですよね。
外に出る人も国内に入ってくる人も、
それぞれ二週間の隔離が義務ずけられてますから、
おいそれと外にも内にも行けないってことですね。
去年から今年もダメなんですよね。
おととし行った時の飛行機の客室乗務員の方は、
どうしてるんだろう・・・。
なんだかすごい美人で、
思わず写真を撮らせてもらっちゃいましたよ。
八頭身電安ともびっくりな方でした。
どこかのお客商売の企業に出向してるのかな・・・。
余計な話ではありますが・・・。
新しく開業した空港は悲惨ですよね。
発着便がゼロ状態と負うニュースがありましたね。
国内移動も厳しいですからどこの空港も大変。
おととしの空港の風景は、
次々に飛び立っていく飛行機に見入ってましたが、
そんなのも消えてるんだろうなぁ・・・。
最近の虚空関係ではコロナワクチンが到着っていうニュースですね。
今のところ第三便まで来てるのかな。
あとはカルロス・ゴーンの逃亡を助けたということで、
元特殊部隊の隊員で親子が、
日本へ連れてこられたというニュースで空港が、
クローズアップされてました。
空港が活気を取り戻すまでには、
まだまだ時間がかかりそう。
兼高かおる世界のとびでテレビに映っていた飛行機に、
憧れを持って眺めていた日が懐かしいなぁ・・・。








ヒチコック現れそうな春の闇

2月の終わりとともにガ~~~ンと気温が上がりましたね。
河津桜が満開です。
ソメイヨシノの開花予想は3月17日だそうです。
今の気温を考えるともっと早く咲きだしそうですけどね。
ヒッチコックなんてなんか懐かしい名前ですね。
サスペンス映画の草分けにして傑作映画が多いですよね。
「裏窓」「鳥」「サイコ」などあなど・・・。
鳥は中学生のころデパートの名画座で見ましたね。
あの頃はデパートの中に映画を上映するっていうのが、
あったんですね。
友達と見に行きましたが、
結構怖かったんですよね。
鳥が大挙して襲ってきたらこうなるんだ・・・、
とか想像すると怖かったですね。

隣りのおじさんがボインで綺麗な女優さんが出てくると、
身を乗り出してたのもいい思い出だ。
「裏窓」はテレビで見ましたが、
白黒なのが余計怖さをプラスしてました。
ヒッチコックの映画に出てくる女優さんは、
みな美人なのが特徴かも・・・。
まあ、サスペンス映画の草分けですよね。
春の声が聞こえてくると、
宵闇に霧が下りてきたり、
寒いとも暑いともしれない状態になりますよね。
コートを着ると暑くて、
コートを脱いで薄着になると、
なんだかうすら寒い・・・。
春の夜の特徴的夜ですよ。
こういうあいまいな空気感というのは、
人間の心理を幻惑するんですね。
力がみなぎるような気分になったり、
逆に一気に落ち込んでいくような気分・・・。
このあいまいな気分がなんだか幻惑を呼ぶんですよ。
下手すると幽霊を見たとか、
すれ違った人の顔をちょっと通り過ぎてから、
「あれ?」見たことがあるような気がして振り返ると、
もういなかったり・・・。
こういうなんとも不思議な体験をするのが、
春の夜の空気感じゃないかと・・・。
真冬とか真夏だと今はもう寒いのと猛暑なのとで、
すれ違ってもなにしてもなんとも思わないですからね。
見たことがあるようでもほっとけって感じですよ。
春の夜のあの微妙な気温じゃないと面白みは出てこないかも・・・。






木の芽風君の笑顔に絆される

木の芽風なんていい雰囲気の季語ですよね。
少し寒さが緩んで、
しばかれていた気分がちょっと解放されたこの季節。
とはいっても今年は二月から4月の気温って日があったので、
あまりしばかれた気分というのはなかったかもしれない。
それでも風に緑の香りがほんのり乗ってくると、
なんだか気分が新鮮になるんですよね。
物心ついてからこういう気分って毎年あったような・・・。
だからかれこれ何十年も前からあった気分なんですね。
いかに人間が自然に影響されてきてるかが分かりますよね。
こういう新鮮な気分になった時って、
いろいろ受け入れる気分もよろしくなるわけですよ。
嫌いな上司の顔を見てもなんか許してしまうような気分。
チョイ言われた中傷の一言。
「まあ、いいっか」なんてすぐ許せてしまったり、
なんだか冬中こだわってきて、
納得できなかったことでも、
「ま、いっか」で、いやに広い心になってしまったり、
アレレ・・・、っていう感じの心の広さを持ってしまうんですよね。
こういう雰囲気がこの「木の芽風」の季語には、
含まれてるって気がしますね。
こういう心の広さが広がってくると、
ちょっとした恋心もフツっとわいてくるんですね。
フツフツじゃないですよ、
フツってことですよ。
昭和も結構遠い生まれですからね。
フツっとです・・・。
そうするといつもはなんでもなく見ている人の笑顔、
さして美人というわけでもない女の人でも、
(可愛い)と思ってしまうんですね。
そういう気分がわいてくると、
そこはかとなく癒されたりするんですね。
いわゆるスケベ爺の状態になったりするんですよ。
まあ、だいたいはこの季節の一現象として、
終わってしまうんですけどね。
これがまたその後は寂しい気分にさせられるんですね。
当然ということがなんとなく寂しさを醸し出すんですよね。
季節に翻弄されやすくなるんですね。
ま、猛暑になれば女の子の笑顔より、
そうめん、冷ややっこ、アイスクリームとかが、
優先されてしまうんですから・・・。







春一番銀座老舗のカステラ屋

銀座老舗のカステラといえば、文明堂かな。
この全部は言わず推理させるというのも俳句の持ち味なんですね。
実際、文明堂かどうかは本人のみが知るですよ。
この遠回しにヒントが出て読み手が推理する。
これは俳句の持ち味の一つですよね。
「みなまで言うな、俺、おまえ・・・。」
みたいな世界が俳句の世界といえばそうなんですよ。
推理するよすがとして季語があるわけなんですが、
ここからどう発想を飛ばしていくか、
それぞれの読み手に任されてるわけですよ。
昭和の前期は、やはり甘いカステラを食べられることが、
なんとも言えない幸せ感なんですよ。
昭和も中期になると、
「文明堂のカステラね、いいけど、ほかもおいしいのあるよね」
と、カステラもいろいろなところのものが話題になってくる。
これはこれで生活に豊かさが出てきたってことですよね。
昭和も後期から平成になってくると、
「カステラだ。あとで食べるね」みたいな・・・、
それほどの関心も持たれなくなるんですね。
まあ、でも昭和の前半の人間とってカステラは、
美味しい高級なお菓子のホームラン王なんですね。
ホームラン王で思い出しましたが、
亀や万年堂がどこかの企業の傘下に入ったようですね。
王さんのコマーシャルが懐かしいですが、
高級菓子にはなれなかったということでしょうか・・・。
そんなことを言うと怒られそうですが・・・。
春一番が吹いて、
柳青める銀座に燕が飛ぶ日・・・。
銀座も詩的雰囲気があった時代もあるんですね。
今やとにかくなんでも高いというイメージですから・・・。
だいぶ前でもコーヒー一杯が1500円くらいしましたからね。
銀座に買い物とか食事する層からはドロップアウトしましたね。
コロナを理由に銀座にも出かけないという、
ちょっと寂しい言い訳も出る令和の昭和人です。





主催者吟


肩を打つ風呂のしずくや遠き火事

飾られぬ思いは遠くお雛様

閉店の張り紙冬の風の音

冬晴れやほされて布団ふんわりと

深酒の目覚めて冬の寒さかな



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