渡辺さんの俳句傑作選


2022年 5月の俳句

硬直の東部戦線衣替え

2月24日に始まったウクライナとロシアの紛争。
いまだにやっている。
コロナ報道で気分が下がっているうえに、
ウクライナ紛争のニュースが追い打ちをかける。
コロナで気分の下がっているところに、
連日朝から晩までウクライナ紛争がプラスされた。
それだけでは終わらず知床の遊覧船の沈没のニュース。
ガン、ガン、ガンとたたみかけるようなユースが続く。
しかも円安のための値上げがさらに追い打ちをかける。
とにかく気分が明るくなるニュースが全くない。
今年もはや連休に差し掛かりましたが、
なんだかとにかく暗いニュースがたたみかける。
これで終わりかというと、
このニュースの顛末はまだまだ先に延ばされそう。
これからは軍事紛争の世紀に突入ですかね。
日本も70年前くらいには、
戦争の惨禍を受ける立場にいた。
まあ、とんでもない戦争があったわけですが、
今この平和な日本を満喫している、
自分の幸運をほっとしているしかない。
今回で国連の権威はなくなり、
二つの世界のせめぎあいになるのではないかと思う。
ロシア側とアメリカ西欧側、
この二つでオリンピックも二つに分かれて、
今までのすべての国際大会は、
二つに割れるんじゃないかな。
ただしロシア側というのは、
そもそもあまりお金のある国が多いわけじゃないので、
主催するロシアにしてもなかなか苦しい・・・。
放映権といっても微々たるもんだろうな。
でも意地の張り合いだから、
とにかくやるんじゃないかな。
それはそれで興味深いことではありますが・・・。
こちら側に放映されることはないと思うけど。
ウィンブルドンとかの五大テニス大会も、
モスクワ、北京、ピョンヤンなどなど都市で、
開催されるんじゃないですかね。
賞金は少なそうだけど・・・。
チャイコフスキーコンクールもダメみたいですね。
ただこれもロシア、中国などなどの国の演奏者が参加して、
やるんじゃないですかね。
とにかくこれからは二つの陣営で、
それぞれのイベントが行われるようになると思います。
なんだかこれはこれでおもしろいなと思う自分がいます。






豪族の古墳見下ろす夏の蝶


古墳と言えば、すぐに思い浮かぶのが、
仁徳天皇陵ですね。
古代日本人の技術力をいかんなく発揮されてますよね。
とにかくドローンもないのに、
上から見て正確な左右対称を作り上げてるわけです。
どんな方法で正確に測ったように作り上げたのか、
正確なところはよく分からないみたいですね。
古代の日本人というのも凄いです。
東大寺の大仏殿もかなり巨大な建物ですよね。
今のような重機もないのに人の手だけで、
作り上げてるわけです。
とにかく古代の日本人というのは、
巨大な建築物を作っていたことがわかります。
近代的な道具も重機もないのにもかかわらずです。
こういう古代に作られたものを見ると、
今の日本人がどこまで進歩してるんだろうと、
フト思ってしまいますね。
今は巨大な建築物はすべて機械を使って立ててます。
計算もコンピューターがやってくれます。
古代の世界ではそんなものは一切なく、
正確に左右上下を割り出してます。
どういう計算方法があったのかも、
わからないですね。
古代人の持っていた能力は、
実は現代でもさして変わらないんじゃないかと思いますね。
コンピューターを作り出した能力は凄いと言っても、
便利な機械もなく作り出してる能力はやはりすごい。
能力自体は凄く進歩してると言いながら、
実際は変わってないんじゃないかと思いますね。
実は人類というのは、
古代からなにも進歩はしてないんじゃないかと思う。
戦争でもなんでも結局人類のすることは、
たいして変わっていない・・・。
すごく進歩してきたんだという、
錯覚でしかないんじゃないかな。
人類が誕生して得た能力というのは結局、
進歩もしてないし変わってもいない。
古代から発明はあってそれが繰り返されていると、
人類は進歩してると錯覚するんじゃないですかね。
実は人類の本質は、
なにも変わっていないのですよ。






桜の実文学部への下り坂

以前大学の文学部は、
就職がなかなかないという話があった。
文学部の中でも影響を受けない科も、
あるというような話を聞いたことはある。
それでも理数系に比べると厳しいなどという話を、
学生の話として聴いたことがある。
特に史学科とか考古学とかいうのは厳しいと言っていた。
なんだか文学部への下り坂などという文言があると、
そんな話を思い出してしまう。
しかし、理数系でも数学科とかいうと、
これがもう学校の先生しかないような、
そんな話をしていた学生もいた。
いろいろ喜悲こもごもだけど、
なにが本当かはよくは分からない。
特にバブル崩壊後は、
文学部だと厳しい話はよく聞いた。
バブル真っ盛りの時は、
とにかく大学のどんな部でもオーケーという感じで、
就職を決めていた。
文学部とかなんとかいっても、
あまり影響もなかったようだ。
バブルが崩壊してから、
就職もどんどん狭き門になっていったようだ。
特に文科系は厳しいという話を聞いた。
就職氷河期の時はどうにもならない話をよく聞いた。
採用一人というところに、
百人くらいザラに来た話も聞いた。
今になって就職できなかった氷河期の人たちを、
なんとかという話もあるが、
下手すると40歳と顔年齢になってるから、
正社員としても厳しさは変わらない。
バブル崩壊後はだめになる会社が山ほど出現して、
学生を追い込んだ感じはあった。
国の政策の失敗が、
もろに若者を直撃した社会が出現していた。
それからその後給料を上げないで雇用を増やす政策は、
今、円安で物価上昇期を迎えて、
これまたどういうことになるのか。
ウクライナ戦争もあり、
今後のことはあまり期待しない方がいいのかな。
って、今までもあまり期待した人も少ないのかも・・・。





チアガール飛んでは跳ねて雲の峰

チアガールというとスポーツ試合の花って感じですね。
アメリカだとこのチアガールになるのも大変ということだ。
かなり厳しいオーディションがあるという。
日本人の挑戦もあったりしてそれが話題になっていた。
練習も相当厳しいらしい。
まあ、試合を彩るもう一方の主役だから、
まあ、当然厳しくなりますね。
双方チアガール同士の試合でもあるわけですよ。
実にアメリカらしい盛り上がりですね。
ロシアとか中国には、
おおよそあり得ないことかもしれない。
アメリカのいいところでもありますね。
日本でもアメリカほどでもないですが、
チアガールの活躍はありますね。
とにかくチアガールの皆さん元気なので、
見てるほうもノリが違ってくる。
試合をしてる選手たちもノッテくるじゃないですか。
それによってみてるほうも手に汗握るという、
ノリが出てくるんですね。
試合を見てないでチアガールの方ばかり見ていたという,
話を聞いたことがある。
いかにもおっさん的なノリの話ですが、
まあ、見てるほうも元気になりということですね。
会場全体を熱気に包むという効果は抜群なのかな。
あまり盛り上がりすぎて、
勝った負けたでの乱闘騒ぎが起きたり、
という話も聞きます。
穏やかにというと試合というのは、
盛り上がらないんですよね。
危険な乱闘はどうかと思いますが、
言い合いくらいは、
試合の一部になってるのかもしれない。
しかし、狭いスペースのところで、
飛んで跳ねてよくこけないもんだと、
感心したりもしますが、
これもトレーニングのたまものってことでしょうか・・・。
観客選手みんなで盛り上がり楽しむというのは、
悪くないですよね。





滞る妻との会話冷奴

滞る・・・。
この一言でもあまりいい感じではないですね。
滞る状態でいいことがあったという話はほぼ聞かない。
ニュースでも滞るという一言の後は、
だいたい良いニュースはないね。
今、知床沈没事故では、
船をどうするかなんだか滞ってる感じ・・・。
120メートルを潜水してなんとかするというのは、
やはり大変ですよね。
経営者のわきが甘いと、
とんでもないことが起きますね。
妻との会話が弾むときというのはどういうときかな。
まあ、年月とともに滞ってくるのが妻との会話。
結婚十年くらいだと、
まだお互い熱いから良くも悪くも会話は盛ん・・・。
二十年も過ぎると大体お互いが読めてくるので、
会話も静かなもんになってくる。
三十年も過ぎるとなんだか面倒さが出てきて、
必要なところでの会話しかなくなってくる。
奥を深めるような会話になると、
大体大変なことになる。
そこはそういう会話になる前にスルッと抜ける。
このタイミングが絶妙になってくると、
ほとんどベテランの域に達する、
ということではないでしょうか・・・。
これがあまりに高度に進んでしまうと、
熟年離婚なんことにもなりかねないわけですが、
まっこと年月とともに、
匙加減というのは難しいですね。
少し前に40年連れ添って、
事実離婚した夫婦の話を聞いた。
離婚届けも出さずに、
お互いが別々に暮らすという方法らしい。
双方経済力があればこれもまたありなんでしょうな。
40年も経ってという人もいたらしいですが、
40年も経ったからっていうのもありですよね。
冷奴という季語が最後に来てると、
なんだかドキッとしますね。
冷えたお豆腐といい感触がなんとも・・・。





主催者吟


若草に黄花いくつも日に光り

ラグビー部汗にまみれて夏を呼ぶ

並ぶ屋根果ての連嶺雪解ける

船べりの小渦育てと雲の峰

ピンヒール階下に走る初夏の宵



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