渡辺さんの俳句傑作選


2023年 6月の俳句

短夜のとりとめのないラブレター

ラブレターという言葉を聴いて、
なんとなくときめきを感じるのは、
昭和世代だろうな。
平成令和と時代が進んで、
今やスマホのラインが全盛だ。
文字文化というのは対人関係では、
事務的なものとなってきたかな・・・。
人間関係が近くなればラインでいいわけです。
今の令和世代でラブレターという言葉が、
どのくらいのインパクトを持つかというと、
昭和世代との比較として1対10・・・。
1が昭和です。
今はラインとかでいろんな会話が可能なので、
手紙に書くという行為自体が、
あまり意味をなさなくなってるのかもしれない。
若干古いですが「青い山脈」という、
石坂洋次郎の小説があった、
その中の一文に「変しい変しい・・・」
で始まるラブレターの一文があり、
テレビドラマ化されたときに、
少し流行ったということがあったと思う。
今じゃ考えられない話しだろう。
今はスマホで文字変換できるから間違えようがない。
恋しい恋しいを、
変しい変しいとは、
スマホは変換しないと思われる。
今や手紙に書いて伝えるということは、
よほど特別なことということになる。
つい最近死んだペットに5歳の子が、
手紙を書いたという話をやっていた。
こういう手紙の話は胸を打つね。
手紙の位置付けというのは、
令和の御代になって、
かなり下がってしまっているかもしれない。
昭和の情緒は令和では通用しないということかな・・・。
なんか寂しさはあるね・・・( 一一)





麦秋の戦車の轍果てもなく


それにしてもロシアとウクライナの戦争は、
果てしないね。
ロシアからしてみると、
ウクライナはロシアの一部なんだから、
横から手を出すなという論理ね。
ウクライナからすると、
ウクライナは独立国なんだから、
横から手を出すなという論理。
プーチン氏からするとウクライナは、
あくまでもロシアの衛星国家。
欧米がとやかく言うなという姿勢。
最近のプーチン語録に、
「ウクライナの人が可愛そうだ」というのがある。
勝手に軍隊を送り込んで、
よく言えるもんだと思うが、
ウクライナをロシアの一部だ、
と思い込んでいるプーチン氏には、
欧米の軍事援助は、
ウクライナの人民を苦しめてるだけだ、
というふうに映っているのだろう・・・。
人間思い込みというのは、
極めて恐ろしい面を持っていますが、
プーチン氏にとって、
欧米がウクライナに軍事援助するのは、
意味が分からないということになる。
ロシアの持ち物に手を出すなっていうことなんだと思う。
独裁者というのは、
独りよがりの思い込みというのは、
常について回りますが、
島国の日本には地続きの国境がないから、
このプーチン氏の思い込みは理解できないと思う。
ヒトラーの思考回路とさして変わりがない。
これからのウクライナの反転攻勢が、
どのくらいの成果を上げるのか、
この戦争の成り行きを大きく左右することになるだろう。
しかし、プーチン氏にとって、
このウクライナ戦争で、
得たものと失ったものとを天秤にかけると、
失ったものの方がはるかに大きいと言わざるを得ない。
北欧二国のNATO加盟を即してしまった。
これは大きな負の遺産になるだろうな。
プーチン氏の思考回路はウクライナが欲しいという一点に、
絞られてしまってるから、
なんとも怖いと言えば怖い・・・。
ロシア国民の支持率も高いから、
この戦争は当分終わらないね(/・ω・)/





入梅や清張本を買いあさる

なんだか今年の梅雨入りは去年より早いね。
ま、わずかな差ではあるけど、
梅雨入りが早いと聴いただけで、
なんだか気分は落ちるね。
ただ最近の梅雨は以前より雨が少ない気はする。
今年はどうなるか分からないけど、
雨とどんよりした空は、
気分衛生にあまりよくない・・・。
明るく開放的にはならないよ。
外に出るという気分も若干萎えるね。
年齢を考えると、
歩くということが非常に重要だとは思うのですが、
なんだか前向きになれないのも事実。
歩数計を買って自己を励ます・・・。
歩数計を見ると、
その数字が少ないとなんだかいまいち・・・。
数字を増やそうという気になる。
なんだか人間って面白いね。
歩数計がなくても歩けばいいと思うのですが、
やはり歩数計の数字というのが、
大きく感性に響くんですよ。
長年人生という道筋を歩いてくると、
その間数字というのが、
非常に大きな意味を持ってきている。
その習性が抜けないんですよね。
大きい数字を見るとなんか満足感が出てきて、
数字が小さいとなんだかいまいちの気分になる。
たかが歩数計されど歩数計となるんですね。
梅雨の時期になると、
篭るという現象が人間には大きくなってくる。
どんよりした空気感の中で本を読むとなると、
マンガじゃちょっと読書の感覚はくすぐられない。
サザエさんを読んでも、
なんだか梅雨のどんよりした空気感の中では、
気持ちに重みが出てこない。
やはり気持ちに重みが欲しくなるのが梅雨の空気感だ。
やはり松本清張というのは、
この空気感の中では、
ぴったしカンカンなんだと思う。
「砂の器」なんてこの時期には、
物語の世界に引きづり込まれる。
映画にもなってるかなり有名な作品だが、
加藤 嘉の名演は凄かった。
ハンセン病の老人と子供の描写が半端なかった。
こういう世界観に浸れるのも、
今の時期だからっていうのもある・・・。





昭和の日展覧試合のビデオ見る

昭和天皇がプロ野球を観戦しに来た。
今でも語り草になってるのが長嶋の9回のホームラン。
ピッチャーは阪神の村山。
最高の舞台設定はできていた。
ここでホームランを打つという長嶋の天性の運というか、
力量というか・・・。
その後のプロ野球の隆盛を導き出した功績は、
やはり大きなものがある。
巨人、大鵬、卵焼き・・・という言葉が、
昭和のスポーツの隆盛をよく表していると思う。
村山投手はあれはファールだと、
最後まで言っていたと思う。
場面はYouTubeなどで見ることはできるが、
まあ、素人目にはファールかどうかは分からない。
今のプロ野球はWBCの日本の優勝もあって、
地上波テレビでも中継がありますが、
以前ほどではないかな・・・。
長嶋、王の現役時時代の巨人の人気は凄くて、
父親なんかもテレビの放送が終わると、
ラジオで続きを聴いてたからね。
今はスポーツも多様化していて、
それほど野球だけの人気の時代でもない。
むしろ大谷選手の活躍もあって、
大リーグの日本選手のニュースが必ず出てくる。
日本のプロ野球の話題は、
スポーツニュースで少しだけね・・・。
やはり長嶋のような見せて打つ選手って、
いまはいないんだろうな。
昭和の巨人軍のような魅力ある球団もないのかな。
力のある選手はみな大リーグを目指してて、
日本でくすぶる気はさらさらないんだろうな。
まあ、大リーグのギャラと、
日本のプロ野球のギャラは桁違いだ。
プロはギャラの世界でもあるから、
少しでもギャラの取れる場所を目指すのは、
ある意味仕方がないのかな・・・。
日本の選手で稼げるギャラと、
大リーグの選手で稼げるギャラと、
どちらを選ぶかということになると思う。
大リーグの大谷選手のホームランが、
話題の中心になってしまうと、
日本のプロ野球の話題は小さくならざるをおえない。
展覧試合で長嶋が見せたホームランのようなドラマは、
昭和の記憶でしかなくなってきたのかな・・・。
WBCの優勝も大リーグの話題になってしまってる感じが、
なんとも日本のプロ野球には寂しいね。





初夏のストーンヘンジの夕日かな


ストーンヘンジと言えば、
イギリスの古代の巨石遺跡だ。
この石柱がなにを意味してるのか、
いまだに確たる定説はないようだ。
何しろ紀元前の話でそれも数千年も前の物らしい・・・。
何に使われてたかを確定するには、
その時代の人間に聴いて見るしか、
本当のところは分からない。
これで確定だという説が出たとしても、
やはりそれは今の時代の人間の言い分で、
確たるものではないと思う・・・。
なにしろ数千年も前の人間の考えてることを、
今の人間が詮索しても、
これで確定これで終わりね・・・、
なんて言えるわけがない。
近いことは出せるかもしれないが確定で、
このように使われていたと、
言い切れるわけがない。
はたして完璧にすべてが分かって、
それでいいのだろうか。
歴史というのは確かにミステリアスな謎解きが、
楽しみの一つだと思う。
日本の縄文時代も1000年続いたと言われてて、
その時代の生活なり人の活動なりを、
推測するのは謎解きのようで面白い。
しかし、それはあくまでも推理であって、
決定的なものではない。
その時代に生活していた人の気持ちというのは、
実に現代と一緒で千差万別だったはずだ。
それを一つの仮説で統一してしまっていいのだろうか・・・。
実際の生活の中で、
縄文人がなにを思い何を悩んでいたのか、
学者先生の学説はすべて憶測でしかないと思う。
実際今の人間と数千年前の人間が、
同じ思考回路で生活していたとはとても思えない。
ストーンヘンジの時代の人間は、
何を思い何を感じていたのか・・・。
巨石の組み立てに、
実は宇宙人が協力していたのではないか、
そんな話もありますね。
紀元前数千年前の人間に、
あの巨石が運べるわけがない。
というところから宇宙人説が出てくるんですよね。
いろんな想像をたくましくできるんですが、
ほんとのところはやはり誰も分からない・・・。
2023年が2123年になっても、
謎解きは終わってないでしょうな。
2023年のことが3023年になって、
なんという仮説で語られるんでしょうか・・・。





主催者吟


衣替え鬼軍曹の妻の指示

コーヒーと本読む店のつつじかな

救急車急ぎ行き交う夏日の日

紫陽花やタクシーで行く検査の日

梅雨前の晴れて父娘の砂場かな



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