渡辺さんの俳句傑作選


2023年 9月の俳句

ハイタッチ全員として鰯雲

ハイタッチですぐ頭に浮かぶのが、
大谷翔平がホームランを打って、
ベンチに戻って来てのハイタッチ場面。
兜をかぶって全員とハイタッチ。
すでに40本以上ホームランを打ってるから、
そのくらいの数テレビで見てますが、
なんかいつ見てもなんだかいいね。
しかし、大谷がホームランを打って、
勝つ試合ってそれほど多くはないんですね。
ホームランを打って、
ベンチでのハイタッチが終わってから、
テレビのナレーションで試合には負けましたというと、
なんだかいまいちなんですね。
いわゆる「なーんだ・・・」っていう気分ね。
最近ではバスケットが話題ですよね。
自力オリンピック参加は40数年ぶりとか・・・。
最後の試合の盛り上がりは凄かったですね。
まあ、バスケットというと、
なんだか日本では、
いまいちマイナーなイメージがあったのですが、
一気にイメージのメジャー化がなった瞬間というか。
しかし、日本国籍取得のアメリカの方の活躍が、
より大きかったのかな。
それにしてもあまり一人一人を見ることのなかった、
日本代表メンバーの顔つきが、
こんなにもいいのかと少々驚いたって・・・。
テレビのゲストで出演する選手の顔つきが、
半端なくいいのです。
水泳の国際大会が、
あまりぱっとしなかったという印象の中、
地味~~だったバスケットが、
一気にトップに躍り出たのは凄い!!
試合後のハイタッチは、
それほど派手ではなかったけれど、
あの清々しさはやはりいいね。
次に控えるのはラグビー日本。
はたして感動のハイタッチがみられるのか・・・。
なんだか前回のイメージまり期待しちゃうんですよね。
換気のハイタッチ第二弾があるといいな。
処理水問題なんかで、
ちょっと気分的にマイナーな気分を、
ググっと持ち上げてもらいたい!!





往診の自転車止めて木槿垣


なんとなくこの句の風景は、
昭和をイメージさせますね。
自転車黒い往診バックを下げ、
白衣を着て道を走る・・・。
昭和のちょっとした田舎の街の風景かな・・・。
木槿が出てくると、
さっとその風景が頭に浮かぶというのは、
書いてる自身が、
昭和そのもののイメージを持ってるってことですね
木槿というと夏の花。
時々庭先の垣の上に花を出して咲いている。
これが結構でっかい花で、
ちょっとびっくりすることもある。
この花を見上げると夏空が広がっていて、
暑苦しいわけですよ。
しかもそこにアブラゼミの鳴き声がかぶさってくる。
これこそ夏の空気感ですよね。
昭和のちょっと田舎の街を走る、
自転車のお医者さん。
小津安二郎の「東京物語」のあの空気感が、
ふっと湧いてくるんですけどね。
木下恵介監督の「二十四の瞳」
高峰秀子の大石先生が出てくる白黒の画面。
こういう空気感に自転車の往診という医師の姿が、
なにげにフィットするんですよね。
今は車移動ですからね。
往診をウリのクリニックもありますが、
やはり令和の風景にマッチしてる感じです。
お医者さんもなんかスマートだし・・・。
往診の自転車のお医者さんが、
木槿の垣に合うというのは、
そもそも令和の雰囲気には合わない。
木槿の花を知ってる人って、
歳が若くなればなるほど、
いなくなるんじゃないかな。
少なくなるじゃなくていなくなる・・・。
それこそこれから先、
空飛ぶ自家用車での往診が、
普通になる時代がきそうじゃないですか。
そこまで昭和生まれが生きてるってことも、
・・・少ないかも・・・。




コスモスに囲まれているパン工場

残暑厳しい昨今、
夏の終わりはいつなのか・・・。
猛暑が収まるのはいつなのか・・・。
なんだか天気予報でも、
はっきり言い切る予報士はいない感じ。
過去の資料が役に立たない夏が始まってるんですね。
昭和、平成、令和と、
夏の歴史を紐解いてみると、
昭和の前は生まれてないので分からないですが・・・。
子供のころ露夏休みが終わると、
暑いとは言っても、
汗だくになるというイメージはあまりない。
今ほど熱中症が9月の新学期まで、
言い続いてくるというのは記憶にない。
9月になれば、
少なくとも涼しい風が吹いてくる、
というのが一般的な日本の夏のイメージだったと思う。
北海道は冬に備えて夏休みが短く、
こちらが始まるころには、
すでに授業が始まっている。
それが新学期の風景だったと思う。
令和の日本の夏は9月になっても、
天気予報は熱中症の注意喚起の大合唱。
日本の夏がこんなに重厚なというか重苦しい、
鬱陶しい季節になってしまったかという感じ・・・。
パン工場というとそばを通ると、
パンのいい匂いがしてくるんですよね。
ふくよかな強い匂いというのは、
こういう匂いなんだと思いますね。
立ち止まって胸いっぱいに吸い込んでみる、
そんな経験が懐かしい・・・。
コスモスの花と言えば、
涼しい風がさっと吹くときに、
ゆらゆらっと花を揺らせて、
秋の空気感を伝えてくれるんですよね。
しかし、そのコスモスの花自体、
街中で見かけることが少なく、
また品種も多くなったせいか、
あのコスモスの薄いピンク色というのも、
少なくなった気がする。
チョコレートコスモスなんか、
別の種類の花って感じがする。
コスモスも時代の流れとともに、
季節感という感覚がずれてきてるのかもしれない・・・。





少年のチェロ腹に染むパン工場

少年がチェロを弾くという風情は、
なんとなく、ジプリ世界を彷彿とさせますね。
「耳をすませば」のイメージにとらわれてるかな・・・。
チェロの音色は、
どこか大人の雰囲気を持ってるんですね。
チェロの音色が大人の雰囲気を持っているのはなぜか。
やはりその低い重厚な音の雰囲気が、
そのイメージにあるんですね。
なんかキャピキャピしたイメージはないですよね。
クーラーのほどよくかかったカフェなんかで
お昼ごはんを食べて、
ゆったりと椅子に座って聴いてると、
いい心地で夢の世界誘うのが、
チェロの音色かな・・・。
落ち着いた音色が、
いい夢を見させてくれそうですね。
このようにパン工場でチェロの音を聞いてると、
お腹に響いて食欲が刺激されるのかも・・・。
チェロの落ち着いた音色が、
グ~~~ッとお腹まで下がってきて、
「腹減った」という気分にさせますね。
さしずめメロンパンの触感かな。
カレーパンだとちょっと刺激があり、
チェロの音色を損なうのかなもしれない。
やはりチェロの音色を感じながら、
食したいですよね・・・。
パン工場なら結構な種類のパンが作られてるはず。
そこで空いたお腹に程よく収めたいとなると、
食パンだと味が薄い。
チェロの音色と混ぜ混ぜしながら、
少しゆっくり食べたいですよね。
そうなると「アンパンマン」に出てくる、
やはり「メロンパンナちゃん」じゃないですかね。
なんかふっくらした感触が、
チェロの音色を引きずって、
胃まで持って行ってくれそうじゃないですか・・・。
後味もいい感じで残してくれそうですよ。
チェロの音でも最低音だと、
ちょっと重すぎるので、
中音域より上が、
やはりぴったりフィット感がありますね。
なんだかチェロの音色を聴きながら、
おいしいパンを食べたくなりますね(^_-)-☆





花野行く地雷探知機搭載車


ウクライナの反転攻勢。
ロシアの地雷や竜の角みたいな邪魔なものが、
阻んでいるようですね。
しかしこの戦争をテレビで見ていると、
戦争というものが、
いかに国の力を削いでいくかがよく分かりますね。
戦後ウクライナの復興が大変だと言っても、
ロシアもものすごく大変なんですよ。
一番の問題が人材の流出ですね。
ロシアからは優秀な人材ほど、
国外に出てしまってるので、
国の未来にとってはいいことは何もありませんね。
他国の領土を少し取ったところで、
それで満足するのは独裁者だけ・・・。
多くの国民には何の益もないんですね。
そういう事実はひた隠していくのが、
独裁国家の特徴です。
今のロシアは近代国家とは言えないでしょう。
すべての分野で中国にも後れを取ってるわけで、
今や中国の属国のようになってしまっている。
資源以外なんの取柄もない状態ですよね。
かつてはアメリカと競っていたわけですが、
遠い昔話って感じですね。
今はアメリカもロシアなんて眼中になく、
中国に関心がシフトしてますね。
中国も若干怪しくはなってきてますが・・・。
なんだかんだ言っても、
平和でないと国は発展はしないです。
地雷探知機をいくら作っても
国土には貢献しないですからね。
父親が日本の戦後によく言っていたのが、
「あまりにも優秀な人間を失いすぎたよ」でしたよ。
この戦争がどういう終わり方をするのかは、
見てみたいですね。
勝者はいないかも・・・。
独裁者というのは、
国の発展とは無関係のところにいますからね。
今の日本の平和を築いてきた先人たちの努力は、
貴重なものだったと思います。



主催者吟


牛蛙響いてバリトンビブラート

カタツムリ葉先で目上げ右左

ケーキ選る母娘を眺め盆帰省

落ち蝉の雨に打たれて流れけり

涼混じる熱風頬に秋知らせ



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