渡辺さんの俳句傑作選


2024年 12月の俳句

シュレッダー出来ぬ名画や古暦

ここのところカレンダーもずいぶん様変わりした。
昭和の御世のカレンダーというと、
実用一辺倒の暦とか、
風景の写真とかありましたが、
今から思うと、
それほどきれいな色合いということでもなかった気がする。
平成、令和と過ぎて今見ると、
とにかく色合いは切れが良くなった気がする。
種類も多岐にわたってる気がする。
それと思うに価格が安くなった。
100円ショップでも、
それなりいい感じのものが売っている。
文字の切れも安くても良くなってる気がする。
カレンダーというのは、
一か月ごとに破り捨てられてしまう宿命だ。
一か月に一枚づつ命が切られる。
そして大みそか一枚になったカレンダーを外して、
新しいカレンダーに替えられる。
しかし、破棄されるべきカレンダー一枚一枚を、
なんだか捨てられずに、
保管したりすることがある。
その年の間るのカレンダーだったり、
風景写真のカレンダーだったり、
名画の写真だったり・・・。
なんだかもったいない気がするんですね。
中学高校生ころは、
アイドルなんかのカレンダーを、
持ってるやつが羨ましく、
一枚もらえるかどうかが交渉術の訓練という感じで、
なんだかんだ言って手に入れたりしていた。
カレンダーの印刷というのは、
そもそもそれほど高級な印刷ではないので、
時とともに輪郭も色合いも、
ボヤっとしてくるんですね。
だいぶ時がたって出てきたりすると、
もちろん色合いも輪郭もボヤっとしてるんですが、
その頃は興味も写ってしまってたりして、
簡単に破棄するんですね。
ただ例外は名画といわれる絵の写真が載ってるカレンダー。
これはアイドルとか風景に比べると、
保存期間は長くなりますね。
なんだかもったいなくて簡単に破棄できない・・・。
世の垢にまみれるころに、
ようやく燃えるゴミに出すのかな・・・。
それでも名画への憧憬は失われることなく、
実際の展覧会に足は向いていくんですね。





宮殿の耐震工事神の留守


パリのノートルダム大聖堂の修復が、
終わったというニュースがありましたね。
家事で焼け落ちる姿がテレビに映った時は、
びっくりしました!!
なんだか若き日に訪れた、
あの姿が目に浮かびました・・・。
中に入った時の驚きですかね。
物凄い広い空間で、
ゴシック建築の粋を見た感じでした。
その建築が燃え落ちる姿というのは衝撃でした。
まあ、全部燃えたわけではないようですが、
再建にはかなりの時間と、
費用がかかったということですね。
そして思い出すのは古い映画でしたが、
「ノートルダム寺院の背むし男」
というタイトルの文豪ビクトル・ユーゴーの小説。
テレビで見たのは何回目の映画化の物かは、
分からなかったですが、白黒だった。
そもそものタイトルは、「ノートルダム・ド・パリ」
という現代ですが、
映画化する時はこんなタイトルがついたようですね。
計五回の映画化があったようですが、
自分が見たのは何回目かは分かりません。
古い白黒映画でしたが、
なんとも言えない不気味さがあった気がしますね。
十九世紀前半に花開いた、
フランスロマン派の小説ですよね。
映画の最後の方で、
主人公がノートルダム寺院の鐘を、
美女の前で左右の手で押しながら、
なにかを言いながら鳴らす場面が印象的だった。
映画がどういうストーリーだったかは忘れたが、
この場面は特に印象的だった。
白黒映画というのは、
どこかリアリティを感じさせるなにかがありますよね。
総天然色とは違った雰囲気がありますね。

そんなノートルダム大聖堂の修復があらかた終わって、
新たなお披露目が、
テレビのニュースでやってましたね。
ある意味フランスを象徴する建築物ということなので、
トランプさんも列席してたのかな・・・。
どんな思惑があったのかなかったのか・・・。
そんなことはどうでもよく、
自分の目で見たノートルダム寺院は凄かったな。





「イマジン」が脳裏をよぎる開戦日

12月8日といえば、真珠湾攻撃の日。
日本がなんとなくアメリカと戦争をおっぱじめた日。
常識的に普通に考えても勝ち目はない。
しかし、このなんとなくが日本全体を覆っていた。
戦争の前の日米開戦の机上研究でも、
必敗の結果が何度やっても出てくる。
しかし、首脳連中はそういう結果を見て見ぬふり。
とにかくやればなんとかなるみたいな楽観論の中、
太平洋戦争は始まった。
そもそも楽観論など戦争にはありえないのに、
当時の政治の首脳連中は、
そんな軍の気分に引きずられ、
戦争に突入!!
そもそも勝てるという目算もなく、
始めた戦争だから、
終わりなんて見えるわけがない。
ただずるずると幼稚な負け方を、
繰り返したということですね。
アメリカの深慮遠謀に引っかかったということですよ。
しかし、戦争ということでそのうまみを知った連中は、
とにかく戦争をしたい。
そのうまみにありつきたいという欲の塊丸出しで、
戦争を推進。
その一部の欲の目にさらされた国民は、
たまったもんじゃないですよね。
国の為という隠れ蓑に引きずられ、
多くの若い命が失われたわけです。
自分の親はかろうじて、
命を守ることができましたが、
それにしても犠牲は大きかった。
先人が築いたすべてを失う結果で終わり。
アメリカのアジア戦略に組み込まれて今に至る。
イマジンがこの当時もし世に出てたなら・・・、
しかし、日本国民は耳にすることはできなかったろうな。
今の北朝鮮のように、
敵性音楽は禁止しただろう。
まあ、地球上の戦争すべてを総括したような歌だが、
人類はなにも理解することができないですな。
戦争はなんおいいことはもたらさない。
戦争は人類が持った最も残酷な面でしょうな。
本能に植え付けられたことなので、
それを乗り越えることは100%不可能ですね。
人間という動物は動物学的に言うと、
共食いを無意味にする動物ですね。





枯野から枯野へ向かうリニアカー

その年ごとに話題を提供するリニアカープロジェクト。
今年は地下水が枯れたとかいうことでしたっけ・・・。
毎年問題が出てくるわけですが、
それでも完遂を目指すと、
事業者は言ってます。
何しろ飛行機並みのスピードで関西に到着。
大阪までの所要時間、
一時間足らずなのかな。
しかし、超電導では知るということの影響は、
まだよく分かっていない。
それにしてもそんなに速く走る必要があるのか・・・。
なんだかちょっと疑問な部分もあります。
新幹線ではもう行くとこところまで、
行ったということでしょうか・・・。
まあ、新たな事業を起こしていこう、
ということもあるのかな。
常に新しい技術と開発が求められる世の中。
それによる経済効果をもくろんでるんですね。
しかし、今まで新幹線で日帰りができるようになって、
はたしてビジネスマンは楽になったのだろうか・・・。
さらには働かなければならない、
そんな状況になってるんじゃないか。
大阪と東京が日帰りできるわけだから、
のんびりする時間は無いわけで、
消耗するんじゃないかな・・・。
リニアになれば一時間で行って、
一時間で戻ってこれるわけですよ。
東京と大阪の仕事を、
午前中だけで出来てしまうわけですよ。
ビジネスマンの負担は、
いまよりさらに大きなものに、
なっていくんじゃないですかね。
今でも仕事上の負担は、
かなり大きなものになっているにもかかわらず、
さらに上積みしようというのだから、
果たしてどのくらいの人間がその重圧に耐えられるのか・・・。
かなり疑問だと思うのですが、
国のプロジェクトというのは、
常に人に負担をさせながら進んでいくんですね。
リニア計画は基本的には必要ないことですよ。
しかし、資本主義というのは、
こういうことをしないといけない、
ということがあるんですね。
イギリスの産業革命では、
人々に多くの犠牲を強いてましたね。
その歴史を見れば、
資本主義というものの原型が見えてきますよ。





マカロンを品定めして冬ぬくし


マカロンというと話題になるのが、
どこの国のお菓子?
ということが話題になる。
イタリア発祥でフランスで花開いたお菓子らしい。
正確なところはよく分からないらしいが、
外が分かりっとで中ふんわりという触感がうけてるようだ。
これを書きながら話としては聴いているが、
実際に食べたことはない・・・。
意外と値段が高いのだ。
まあ、プレゼントでってこともあるが、
今のところないな(/ω\)
巷でよく聞かれている割に、
食べたことがないのです。
似てるお菓子としては日本の最中があるが、
それとは圧倒的に食感が違うらしい。
最中大好き人間としては、
マカロンが対抗馬となるのは、
なんだか忸怩たるものがある。
マカロンは上品なお菓子っていうイメージがある。
最中は庶民の味だよね。
値段を見てもマカロンは最中より高いイメージがある。
なによりも中は日本のお菓子ではないか。
お茶うけに最適なのです。
マカロンがなぜお高いかというと、
製造工程がちょっと複雑ということらしい。
手間暇かけてるってことですかね。
お笑い番組の笑点では、
桂宮治と三遊亭好楽が、
マカロン同士みたいになっている。
いつの間にかそうなっていて、
どういう意味だと思ったこともあるが、
二人のやり取りは面白い。
笑点の一つのお笑いシーンになっている。
マカロンもお笑いの世界にまで、
進出を果たしてるんですね。
まあ、なんだかんだ言っても食べてみないといけない、
まだ食べたことのない身で、
いろいろ言っても説得力が少々足りない。
自分では買いたくないので、
プレゼントを待つか・・・。
これを読んだ人が、
プレゼントしてくれるかのせいはあるのか?
なんだか2025年になっても、
まあ、ないだろうな(*^。^*)
マカロンね・・・ネーミングの響きは良いね。



主催者吟


襟を立て落ち葉掃く風検査の日

娘去る居間の広さや冬の夜

露天湯に月揺れ消える雑思考

対岸に家の灯並ぶ星月夜

屋台蕎麦フーフー冷まし空っ風



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