渡辺さんの俳句傑作選









6月の俳句




夏落ち葉 もしや男の 更年期
           太陽が一年で最も高い夏
            エネルギーの爆発する季節
                   そんな中でハラハラと葉を落とす木がある
               盛夏に落ちる葉を眺めていると
                      フト、男にもある更年期のことが思いに浮かんだ
             寂しさのある風情だ
・・・・・・・


ジョガーらの 日比谷の森の 新樹かな
                                   日比谷公園にジョギングをする人が結構の数いる
                        大体は決まった人が足取りも軽かったり重かったりで
         歩数をかせいでいる
               その歩幅の分だけ時は過ぎてゆく
                 過ぎ行くままに葉は落ちまた芽を吹く
                           その新緑の中をジョガーたちは、結構正確な時を走っている



コンビニの 前に座る子 ソーダ水
              コンビニの前の駐車スペースに
                     まさにべチャッという感じで座り込む子供たち
                     手にはコップを持ちストローで何か飲んでいる
                細かい氷が入っていて炭酸のようだ
                顔をしかめたくなるような光景だが
                   場所と時は違うが、同じような記憶がある
                  しかし、たしか飲み物はサイダーだった



お台場の 大観覧車 薄暑光

                            お台場にある大観覧車は、なかなかの迫力だ
                          そのゴンドラに乗ってゆっくり上へと上っていく
            6月の雲の厚い季節に
                         君と一緒に乗るゴンドラにフッと雲が割れて
                弱々しい日の光が差してくる
                         その光がわれわれの乗ったゴンドラにとどくと
                      硬かった表情がみるみるまに和らいで
                           ゴンドラの窓のガラスに当たった光が踊りだした







メニューへ




topへ