渡辺さんの俳句傑作選








3月の俳句






立春の人体模型の五臓かな
                   いよいよ暑い春到来と思いきや、
                             3月後半は思い切り寒暖の差が大きかった・・・・。
                     おかげで風邪を引いてしまいダウン。
                           医者に行くとこれがまたパンパカパ〜〜ン!!
                     五種類の薬が山のように出された。
                         食欲のないところにガバッと一気に飲めば、
                     胃に入った薬が溶け出すのを感じて、
                         ジワジワッと体を回るのが分かる気がする。
                            人体模型を内側からなぜてるようですなぁ・・・・。
                    春の日のまったりした気分ですな。








デコポンの臍さまざまや春立ぬ
                           季節がら、デコポンというかけ合わせの果物が、
             スーパーに並んでいる。
                        この果物の特徴はみな出ベソなこと・・・・。
                       入ってすぐのところに並んでいたりすると、
                  なんだか軽快なリズム感があり、
         見ていて楽しい。
               冬の間硬直化した足腰に、
                      リズムが出てきて「シャルウィーダンス」、
                           なんてところまで行くと本物のおめでたい春だ。








立春やカフェモカソフトテイクアウト
                               このごろは外にテーブルを用意しているお店が多い。
                         2月には寒々しくて座る気もしなかったが、
                      3月になって暖かい午後ともなると、
                    なんとなく空くのを狙っておいて、
                            待ってるくらいじゃないと座れないことが多い。
                   鋭く狙うくらいで何とか座れる。
                            なんとなく様子を見ていて立つ気配が見えると、
                               最近流行りだしている「カフェモカソフト」を注文する。
                                 これは注文して出てくるまで若干のタイムラグがあって、
                   こういうときにはちょうど良い。
                     出てきたところで席が空くとベスト。
                         立ち上がりそうで座りなおされたりすると、
                        「はいそれま〜で〜よ〜・・・・」ってな・・・・。






豹柄のポシェットの行く春の昼
      3月は春。
                    これは定番の言葉になってきた

               すでに言葉にしなくても、
                 顔を合わせた同士の表情で、
                       お互い理解できるくらいになっている。
                        もう「フランシーヌの場合」を歌たう人は、
               さすがにもういないだろ。
                    豹柄のポシェットを肩からかけて、
                     サーッと通り過ぎる娘さんを見ると、
                    重いコートもなく颯爽としていて、
                      コントラストの高くなった午後の日に、
             かっこよいわけだ!!







春雷や世界遺産の天守閣
         姫路城天守閣。
                         世界遺産に指定されるほどの優美な姿は、
                黄砂でかすんだ春の空に、
           沁みるような白で、
                          この城の天下への物語を語っているようだ。
                           豊臣秀吉は疾風のごとく中国地方より返して、
        この城で一服。
                             城にある金銀財宝のすべてを部下に分け与えて、
                       明智光秀と天下分け目の合戦へ・・・・。
                           秀吉の天下取りへの大きな一歩となった城だ。
                春の嵐が雷を光らせるとき、
                 物語は最高潮に達する・・・・。







主催者吟


モクレンを悠々過ぎる飛行雲

着く列車乗せてる雪に朝日かな

トンネルの青きランプや浅き春

立春や路上ライブに足止まる

春立ちぬヘッドランプに細い雨




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