渡辺さんの俳句傑作選








4月の俳句






陽炎の真ん中にある昭和かな
                最近昭和憲法をどうするか、
                     ということがマスコミを賑わしている。
                                  要するに自衛隊を海外に気楽に派遣できるようにしたい、
                   というのが政府の言い分だろう。
        今の憲法では、
                                確かにいちいち国民にお伺いを立てるようにしないと、
             楽に派遣は出来ない。
                 防衛庁を防衛省にしたのも、
                 そういう気持ちの表れだろう。
                  戦後の昭和をうやむやにして、
                         平成日本をはっきりさせたいということだ。
                     戦争映画が最近いやに多くなった。
                                   若い連中の愛国心を高めていこうということかもしれない。
                                    昭和をうやむやの陽炎の向こうにしたいということだろうな







引越しのトラックにのる恋の猫
                     引越しの季節が少し落ち着いて5月。
                           連休を利用しての引越しが残りの引越しだろう。
                         今では引越し恋人同士が離れ離れになって、
                    どうこういう話は深刻な話じゃない。
                            遠距離恋愛という言葉ですべて片付いてしまう。
                            近松心中が今はやらないのは当然かもしれない。
                          携帯電話でメールがいつどこでも利用できる。
                                   恋心がつのるというのは距離があって存在するものだから、
                                   今のように常に近い存在であリ続ければ希薄なものだろうな。
             猫の恋の季節となれば、
               恋い猫を思い追いかけて、
                      どこにいくのかもわからないトラックに、
               飛び乗ることもあるだろう。
                      笑えるのは今の人間だからだな・・・・。






花曇整理してみる薬箱

                        今年の4月はなんだか寒い日が多かった。
                               気温の差が10度以上なんてのは当たりまえにあった。
                             季節の変わり目のめちゃくちゃな気圧配置だろう。
                             天気予報はニコニコしながら言えばそれでいいが、
                         ニコニコもしていられないのが中高年・・・・。
                     特に団塊の世代があふれてる昨今、
                   体調不良も自然に聞こえる話だ。
             春と秋、一年に二回。
                         必要な薬をとりあえず揃ってるかチェック!
                   自分のだけしっかりチェックする。
                          どう見ても家族の中で体調を気にするのは、
                  自分だけのようだからだ・・・・。
                北島三郎の歌声のように、
                       グ〜〜〜ッと後まで引きずりそうなのだ






春の風邪スイッチ入れて電子辞書
                   今年の4月は回り中風邪の話で、
                                   ひく前から風邪気味になっている自分に驚いたりしていた。
                   そんなに慌てることもない・・・・。
                    順番に風邪はめぐってくるもんだ。
                  朝起きて鼻がグジュグジュして、
             くしゃみが一回出れば、
                      いよいよかなと鷹揚に覚悟を決める。
                 このくしゃみが豪快に出ると、
                          会社で悪口が出てるな・・・・と、思ったりする。
                               まあ、朝一のくしゃみはちょっと神経をくすぐるもんだ。
                    しかし、風邪がダウンさせる前に、
                    書類は片付けなければならない!
                  鼻を一回二回とこすりながら、
                    今や存在が目測の範囲を超えて、
                 見えなくなれば大騒ぎをする、
                     電子辞書のスイッチを入れる・・・・。







南北がさかさまの地図鳥曇
                  さあ、いよいよ地球温暖化だ。
                             4月の不順な気候はアメリカも同じだったようだ。
                          南アルプスの鹿が3000メートルの尾根を、
                       越えていく映像をテレビでやっていた。
                             鹿が3000メートルの尾根を越えるなんてことは、
                   以前は考えられなかったそうだ。
                雪も少ないし暖かいしで、
                            増えすぎてえさを求めて越えていくらしい・・・・。
                            その繁殖に猟友会の猟も間に合わないらしい。
                               北極の氷が減少して白熊の絶滅が心配されている。
           ここまで来ていて、
                           人間の絶滅が話題に上らないのが不思議だ。
                                    人間というのは、ほんとエゴイズムの塊なんだと良く分かる。
                          シベリアに帰る渡り鳥がシベリアを越えて、
                  北極まで行ってしまうそうだ。
                北極も温暖化してるから、
                 そのうち北極も飛び越えて、
                                元の北海道かなんかに戻ってきてしまうかもしれない。
                              渡り鳥の正確な南北の記憶が崩れる瞬間だ・・・・。








主催者吟


マルクスを古本に積む昭和の日

湯船にてサイレン遠く昭和の日

雷雨止みゆらゆら旅立綿帽子

ほほ赤く寝る子にそろり春の風

もや降りてテールランプの列長し




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