渡辺さんの俳句傑作選








11月の俳句






着膨れてインド人ゆくパンダ橋
                           今年の猛暑の夏はどう見ても日本らしくない。
                                東南アジア気候と言っても疑問に思えない猛暑だった。
                    地球温暖化といわれて久しい・・・。
                        しかし、改善される気配はほとんどない。
                           最も改善されたころはどこかの国の核兵器で、
                                    地球のあちこちが崩れているのではないかとも思いますが・・・。
                       それでも秋も深まるといきなり寒くなり、
           そのまま冬に突入。
           月の前半が真夏日。
         後半が真冬日。
                  当然ながら体調を崩す人続出。
                                日本とは関係ない気候の中に日本人が立たされれば、
                       まあ、一億総不調となるでしょうな・・・。
                                 暑さの本場のインドの方は寒くなればひたすら着込んで、
         悠然と橋を渡る。
                  ただそれだけの変化ですな・・・。









黄落の中で異人の大道芸
                                秋の紅葉もどこが紅葉しているのかわからないうちに、
            秋が深まってしまった。
                       芸術の秋、全部をひっくるめてしまえば、
           五感を発揮する秋。
                               猛暑の中では絶対に足を止めないだろうと思われる、
                 大道芸の方々の芸の数々・・・。
                       ようやく街路樹の葉っぱも色ずいてきて、
                          公園の銀杏かなんかが黄色く染まるところで、
                                ようやく稼ぎ始めた大道芸の方たちの熾烈な集金合戦。
                  最近は外人さんの参加も著しく、
               レベルが上がってきている。
                                こうなるとわが同胞の芸人さんの足元が少し危うくなる。
            本場は上手いのだ!!
            それを横目で見ながら、
                         同胞の芸に拍手をしている秋深の午後・・・。











雁わたるパッヘルベルのカノンかな

                                   バロック時代の音楽の名曲にパッヘルベルのカノンがある。
                            パッヘルベルのカノンで一くくりになっているが、
                     パッヘルベルとは人の名前である。
                          パッヘルベルが書いたカノンという曲となる。
                       日本人は横文字を単純に受け入れて、
                               疑問を持たないところがあるから少し気をつけたい。
                                         この単純さがアメリカあたりに付け入る隙を与えてると思うのだが・・・。
                   太平洋戦争の顛末がいい例だ。
                   この曲がどういう曲かというと、
                             宗教的な色彩とゆったりした雰囲気を持っている。
                        次々にメロディーを追いかけていくさまは、
                    微妙な幾何学的雰囲気も合って、
                      日本人には受け入れ安く人気が高い。
                                 雁がゆったりと秋の澄んだ空をすべるように飛んでいく、
                          一気に一行で書くとこんなところだろう・・・。












冬ぬくしブランドバックの叩き売り

                秋も深まって晩秋となると、
                  寝苦しい暑い夜は姿を消して、
             掛け布団が登場する。
                    ヘタをするといきなりグッと冷えて、
                冬の掛け布団も登場する。
                        冬の到来を嫌でも認識させられるのだが、
                        クリスマス、正月と控えているのが12月。
                    懐も少し気になりだす月でもある。
                               しかし、ここのところ様子が変わってきているという。
                   中国製の対等で物みな安くなり、
                         とりあえず小金が財布を潤しているらしい。
                     国も消費税上げをビビッているから、
                庶民にとってはいい状況だ。
                               温暖化の影響といいながら懐も少し暖かいかも・・・。
                         ブランドバックといってもピンキリある中で、
            キリなどは売れない!
                              上からしか売れないという現象が起きているようだ。
                              結果ブランドのラベルがついていても大安売り・・・。
                        中国でタダ同然で腐るほど作っているから、
                   結局痛くもかゆくもない「誰も・・・」
                    と、つくからいいことなんだと思う。










小春日やペットを入れて籐の籠
                昨今、道路を歩いていて、
                           犬を連れてない人とすれ違うことはまずない。
                               まず日本始まって以来のペットブームかもしれない。
                  すれ違うどの犬の顔を見ても、
                    品がよく愛くるしい顔をしている。
                       憎たらしい犬というのがいなくなった。
                       昔みたいに理由もなく追いかけてくる、
                 憎たらしい犬はいなくなった。
                           子供のころよく吠えられて泣かされた記憶で、
                              どうも犬と出くわすと身構える気分が沸いてくる。
              というのもいまや昔だ。
                          今の犬たちは飼い主の顔色をよく理解して、
                               自分を売り込むすべを知っているのではないか・・・。
                              日向をかごに入れてもらって移動する楽ちんさを、
                             手に入れるすべを調教されてくるんだろうな・・・。
                         ペットが老人対策となっているわけだから、
                        気に入られるペットになるべくの講習を、
                     受けてきてるってことでしょう・・・な。








主催者吟


ひっそりと遅れなお燃ゆもみじかな

暮れ急ぐ夕べに燃えて山こげる

赤き灯にざくろも紅し舞うタンゴ

体育館かけ声響き冴える月

野分後の飛行機雲の長さかな




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