渡辺さんの俳句傑作選








1月の俳句






骨密度友と競いて石蕗の花
                      骨がどのくらい丈夫かを示す骨密度。
                                年齢が上がればそれに正比例して密度がゆるくなり、
                     空気の通りがよくなってしまう・・・。
                    空気の通りがよくなっていいのは、
                 花粉症期の鼻の穴くらいで、
                       骨となると話はいきなり額を近づけて、
            ヒソヒソ話しになる。
                  回りに骨折したのはいないか、
                   確かめるところから話は始まる。
                           中高年も後半になると世間話も省略されて、
              いきなり骨の話になる。
                     話してる相手にフェイントをかけて、
                          お互い安心するところのお年どころを探る。
                        話を聞きだしながら一喜一憂しながら、
                           どちらが安心カの結論は・・・次回の機会に。








すきあらば駄洒落言う癖冬銀河
                 今、若い連中の中に入ると、
                                  いきおい自分がいやに老いてることを感じるときがある。
                      感じる時があるというのは慰め的で、
                 実際はかなり意識している。
                                 若い連中の話は大体遠慮がちか前向きな会話が多い。
                        そこで嘆いたり喜んだりとなるわけだが、
                 団塊の世代になってくると、
                  前向きというのはあまりなく、
                           遠慮がちなんていうことはほとんどなくなる。
                   大体お互いいたい放題になる。
                             若者の中には若干それを面白がるのもいるが、
               大体は浮いている・・・。
                         そこでその浮いた部分を埋めるところで、
                 駄洒落が威力を発揮する。
                                 しかし、残念なのはそれが大体親父ネタであることだ。
                     しかし、潤滑油的意識の中では、
                  それが必ず一回は出てくる。
              習慣化するわけだが、
              まあ、ほとんどに場合、
                            冬の銀河のようには輝かないだろうなぁ・・・。








すき焼きをつつく力の衰えず

                             すき焼きというと鍋を思い浮かべるというのは、
             世代がひとつ違う・・・。
                           すき焼きといって鍋を思い浮かべると同時に、
                         坂本九の「上をむいて歩こう」が出てくると、
                      団塊の世代というグループに属する。
             すき焼きの鍋を囲んで、
                   肉から箸を付けていくのが若手。
                          白滝からつかんでいくのが世代がひとつ上。
                                 豆腐を割って箸をつけるグループが自分なのかなぁ・・・。
                  肉からビシッといきたいのだが、
                        軽いものからお腹の調子を探ってしまう。
                    ネギに行く前に肉に箸がいく時は、
                  お腹の調子がイケてるときだ!
                   これは気合が入ってくる瞬間だ。
                   遠慮なく大きめの肉に箸がいく。
                       まだまだとの勢いで肉をつかむのだが、
                    もう大体食べられてしまった後で、
                      勢いは空振りになるのがほとんど・・・。








悴むや百円ショップの品探し

                       ガソリンの値段が上がり続けている。
                            いまや国会がガソリンをかけたように大騒ぎだ。
                          一本マッチを投げれば勢いよく燃えそうだ。
                            国民とどこまでマッチしてエキサイトしてるかは、
            ・・・・???だろう。
                   ガソリンの価格が上がり続けて、
                    一番の影響はもちろん車関係だ。
                           しかし、百円ショップが危機に陥ってることを、
              意外と世間は知らない。
                      百円ショップの品物はほぼ外国製だ。
                        輸送費がかさめば値上げになっていく。
                       庶民の豊かさ意識をくすぐってくれる、
            この百円ショップで、
                          より安い物を探すようになったら最悪だ・・・。
                                 しかし、現実にそんな日が迫っているかもしれない・・・。
                            買いすぎたと後悔しながら笑える百円ショップ。
               この危機は笑えない・・・。








腹筋を鍛える誓い賀状読む
               人間の体の筋肉の中で、
                             一番最初に緩んでくるのが腹筋と言われている。
            ぎっくり腰の原因が、
                            実は腹筋の弱体化によるものだという話もある。
                     弱体化が進むのが早いということは、
                       鍛えるのも楽ではないということだろう。
                            筋肉が緩んでくれば当然脂肪がつきやすくなる。
                  出てきたお腹にラップを巻いて、
                       ジョギングするという笑えない話もある。
                    それでどうなるという疑問もあるが、
                              脂肪を燃焼させるから効果はあるということだ・・・。
                              そんなことをやるより腹筋を立て直すことが一番だ!
                               しかし、黙々と腹筋を運動というのも結構つらい・・・。
                           一年前の年賀状に腹筋を鍛える決意を書いて、
           今年来た年賀状に、
                   鍛えることを書いたことについて、
                           コメントがあるかどうか一枚一枚確認する・・・。
                   お褒めの言葉が書かれていれば、
                      今年も続けられそうだけど・・・なぁ・・・。








主催者吟


暮れ残る水面を滑る寒鴉

鍋の湯気曇るめがねに遠き母

雪止みて傾くダルマや紅椿

千両の色冴えにけり雨の午後

節分や色あつめ染む蕾かな




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