渡辺さんの俳句傑作選
8月の俳句
煩悩の衰えもせず生身魂
煩悩といえば、
人間の欲をさす言葉だと誰でも認識している。
そう単純じゃないという気もするが、
あまり意味の範囲を広げると、
太陽系宇宙は軽く通り抜けてしまうほど大きなものとなる。
まあ、三欲で収めたほうがよさそうだ。
食欲、物欲、性欲・・・。
欲というのは満たされてしまうと消えてしまう。
そういう意味では人間は熱しやすく冷めやすいのだ。
我々世代(団塊世代)以降、
世の中満たされ続けて育った世代で溢れている。
すべからく今日本をひっぱている世代は淡白だ。
総理大臣のやめ方を見ればわかる。
物のなかった世代の総理大臣なんてのは、
すべての欲の代表みたいな感じだった。
満たされた世代からはえっ!と思うような話が多い。
しかし、そういう連中が跋扈していた時代は、
日本も活気があった。
良いか悪いかは煩悩の話の中だけに、
まアまア・・・だ。
今や煩悩の行きどころは偽装に走るから、
危ない時代ではある・・・。
セゴビアのローマ水道雲の峯
スペインのセゴビアという場所にある
ローマ時代の水道橋は、
世界遺産にもなっているのかどうか・・・。
そのスケールはちょっと信じがたものがある。
2000年近くも前の人類が、
これだけのものを築くことができたというのが、
まず信じられない・・・。
写真、テレビで見る限り、
一度は実際に見てみたいというのが普通の感想だろう。
しかし、今や燃料代がウナギ登り・・・。
海外渡航も簡単ではなくなっていている。
このままでいくと「兼高かおる」世界の旅・・・。
の時代に戻ってしまいそうだ。
今度は誰が案内役となるのだろうか・・・。
ローマ水道と入道雲を映し出して、
誰が案内役として登場するのだろうか・・・。
行けないことがはっきりしてくると、
水道橋に似合う案内役がだれか、
世界遺産クラスの案内役ということになる。
テロップで見る速報や冷奴
速報というと鉄道の不通、地震、大雨災害・・・。
最後に首相のいきなりの辞任。
最近はこれに尽きてるような気がする。
首相の辞任などは落語のオチのようだ。
少し後半は涼しくなった夏に、
さらに白けさせた辞任だったわけだが、
その日のテロップの速報としては、
インパクトが多少はあった。
しかし、もう前に経験済みのことということもあって、
チラッと眼を上げるくらいで、
後は画面を見ることもなく聞いている。
ケネディーが撃たれた時は、
ほとんど手を止めてテレビの映像を見たと思う。
もうえらい違いだ・・・。
速報を聞きながら、
箸で持ち上げた冷奴を、
崩さないように気をつけるほうが先だったかも・・・。
夏痩せの猫パソコンを越えていゆく
猛暑の8月。
しかし、今年は後半いきなり涼しくなった。
少し寒いくらいと言っていいくらいだった。
しかし、それでもなおかつ暑い日が続いたわけで、
人間様の食欲も一年で一番落ちる時だろう・・・。
食料品の値上げが相次ぐ昨今、
8月だけは食費の比率が少し下がる月だ。
家計にとってはうれしい季節なのかもしれない。
しかし、その分を埋めるビールが高くなって、
こずかいは結構悲鳴を上げたかもしれない・・・。
それでは涼しくなる秋にその分の食欲を、
とり戻そうと待ち構えていると、
またまた値上げ・・・。
猫も飼い主に付き合って夏痩して、
パソコンを軽々越えていった。
なんの抵抗もなく・・・。
首相も夏痩していたのかも・・・、
軽々と国民を越えていった・・・。
夏風邪や妙に聞きたいラブソング
これから季節の変わり目。
風邪がはやってくる季節に突入だ。
これから葬儀屋さんが忙しくなるという話を聞いた。
いや、しかし、その前に夏風というのがある。
夏の風邪ひきというのは珍しいと昔は言われていた。
今は流行ることがあるというから怖い・・・。
葬儀屋さんが忙しくなる前に寝込んで、
葬儀屋さんに仕事を提供するような状況には、
なりたくはない・・・!!
しかし、いやに湿気の多い畳の上で寝込んでいると、
なんとなく墓地の感触が伝わってくるようで、
なんともさみしい気分にさせられる。
岩崎ひろみの「マドンナのララバイ」なんかが、
なんとなくかすかに流れてきたりする。
・・・・・・・・・・・・・
もう少し色付けの濃いラブソングはないのもか・・・。
主催者吟
単線に雀の遊ぶ秋日和
咳ばらい父母が交互に彼岸かな
雷鳴や救急車との一騎打ち
破れ蝉わだちの底に沈みけり
一歩ごとゆらり吊り橋雲の峯
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