渡辺さんの俳句傑作選
10月の俳句
赤い羽根 つけて並んで 路線バス
募金の季節のスタートだ
毎年めぐってくるこの季節
赤い羽根は変わらないが
こちらの歳は確実に刻まれていく
塾帰り 皆うつむいて 天の川
秋の風が吹いて
空気に緊張感が増すと
学生にとっては
一気に受験が見えてくる
塾の授業はますます厳しくなり
終わると夜も遅い・・・・・
澄み切った夜空に
天の川が悠然と流れているのだが
疲れきた目には夜道しか見えない
銀漢や 母の小言の 懐かしき
10月ともなると
その一年がなんとなく進んできて
冷たい風でも吹けば
大人たちは一気にせわしくなる
子供には分からないから平気で
親のいらだつことをやった
その時の本気で怒った母の顔が
今は、この季節に懐かしく思い出されるのだ
対訳の 赤毛のアンと 長夜妻
めっきり夜の訪れが早くなる
夕食も終わってなんか手持ち無沙汰
夜がイヤに長くて・・・・・
こちらはテレビを見て適当に笑ったりしている
妻を見ると、少女時代に読んだという赤毛アンを
一念発起か、なんと原書で読んでいる
おっ!すごいなとソロリのぞくと
真剣に右のページの訳を読んでいる
しかも、目が点になっている
愚息ですと 言われしことも 葛の花
少年時代、いや〜結構成人していても
父親と歩いていて知人に会うと
「イヤー、愚息でして・・・・」と一言
知人といわず、だれかれかまわずだったような・・・・
その一言が出なくなったとき・・・・
結婚した後かな〜
一言が出なくなったら
今度は、よそよそしくなったような
なんとも思い出です
百寿者の 地より湧き出て 冷まじや
日本の長寿は目を見張るものあり!
100歳ともなると、まず顔がいい
美形というわけはないが
もう表情ひとつに味がある
立ち姿などは
地面から直接出てきたような気迫がある
この雰囲気に圧倒されるものあり!
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