渡辺さんの俳句傑作選
2010年 6月の俳句
胆のうに五つの小石麦の秋
石モチという魚がいるが、
これは食べておいしい魚のことだ。
人間で石モチといえば、
胆石、腎臓結石・・・。
ありがたくない石が鎮座ましますところだ。
最近は石を持つ人が多くなったという話だ。
食生活に動物性脂肪が多くなったことも原因らしい。
ストレス社会に石が飛び込みやすくなった、
ということもあるらしい・・・。
そのままでいい場合もあるが、
だいたいはとらないといけない状態になる。
胆嚢の石はだいたいは胆のうごとと取ることになる。
一つの臓器が体内から去っていくというのは、
いまいちの気分だが、
なんとなくなく目立たない臓器のせいか、
意外とショックを受ける人は少ない・・・。
石ができていきなりスターダムにのし上がるというのも、
なんとなく忸怩たるものがある・・・。
父の日や父の怒声の温かさ
父の日が来ると、
そんな記念日もあったのかの気分だが、
とりあえず父の日という言葉があちこちから聞こえてくる。
普段ほとんど話題になたないお父さんのことが、
いきなり話の中に出てくる。
普段からなれてれば別だが、
だいたいそんなことを気にしてることはまずない・・・。
それがこの日だけなんだか主役になってしまうと、
どうしていいかまずわからない・・・。
普段言ったこともないありがとうを言うのも、
どこか照れてぎこちなくなる。
なんとなくそんな日の夜は、
自分父親をしんみり思い出したりする・・・。
父親が声を発する時はだいたい怒ってる時だ・・・。
それもほのぼのと思いだされるから不思議だ・・・。
オカリナの音澄みわたる森林浴
オカリナという楽器を、
コンサーと会場で聞いたことがある。
手軽にアンサンブルもできる楽器だ。
しかし、よく聞くと音程がかなり滅茶苦茶な楽器でもある。
土を焼いて作るわけだから、
そう厳密にできるわけもないのだが、
なかなか人気のある楽器だ。
しかし、自然の映像をバックに流れると、
これほど沁みる音色の楽器もない・・・。
不完全な楽器でありながら、
山、森、川・・・。
どのバックで聞いてもいい。
楽器は完全不完全を問わず、
自然と調和してる楽器が一番いいのだ・・・。
黒南風や西郷どんの大目玉
参議院選挙も大詰め・・・、
小党分立してなにがなんだかわからない・・・。
ようするに選挙権をどう行使していいのか分りにくい。
どこを叩いてもいまいち・・・。
明治維新のころと何も変わってないのかも・・・。
しかし、明治維新は明確な目標があった。
日本を近代国歌にする。
今の日本はどうするというのだろう・・・。
どこの党も明確にはできない。
消費税を上げればすべてよくなるようなお話。
まあ、なにもよくはならないだろう。
生活が大変になるだけだ。
じゃあ、どうする・・・。
そうなると混沌とするだけだ。
西郷どんの目玉が怒ってる。
みならってもっと目を見開いたらどうだろうか・・・。
目が小さく細いのが目立つ・・・。
パレットに押し出す絵の具風薫る
外に出て気持ちの良い日は、
いきなり絵心が湧き上がり、
画材を持って郊外に出よう・・・。
自然を目の前にしてその空気感を感じながら、
絵筆をはしらせるというのは、
がさついた日常からすると、
夢のような時間の流れだ。
見た景色に対して色を吟味し、
線を整え形を見比べる・・・。
この絵の具、あの絵の具と、
少しづつパレットに押し出していく。
その手元をサーと風がなぜていく・・・。
こういうときの気分というのは、
いきなり別の世界を歩くように覆われる。
絵を描くというのは、
感性を自然に戻す一番機会なのかもしれない・・・。
主催者吟
灯りつく公衆電話に夏の虫
雷雨など待ちどうしかな選挙カー
お地蔵の欠けたる方にとんぼかな
梅雨の朝ラッシュで濡れて風邪おこる
ひと雨で草取りの後草覆う
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