渡辺さんの俳句傑作選







2010年 9月の俳句






秋風やブックオフまで本運ぶ
             猛暑が一夜で終わり、
                      なんともやる気の出ない夏が去った。
             これだけの猛暑だと、
                  まず熱中症を心配してしまう。
                       やる気があっても気持ちが続かず・・・。
                  とにかく強烈な夏が終わった。
                    秋風が吹くとやる気は出てくるが、
                    いきなり風邪をひいてしまう・・・。
                        秋の空に舞い上がるまでの滑走状態は、
             夏の暑さに比例する。
                     今年は滑走状態が最長の年だ・・・。
                       ま、ボチボチながら古い本を片付けて、
                        読書の秋に備える態勢はとっている・・・。








老化とは釣瓶落としよ彼岸花
                              人間のフル回転できる年齢はいくつまでだろうか。
                 50歳くらいまでだろうか・・・。
                   しかし、45歳を過ぎるころから、
                     なんだかくたびれた感じがする・・・。
                      これは個人差が大きいかもしれない。
                 しかし、50歳を過ぎてくると、
                   次の還暦まではあっという間だ。
                              ここからが釣瓶落としという表現がぴったりになる。
          あれ・・・?で55歳
             あれあれ・・・?で60歳
                   ハァ・・・とため息ひとつで70歳。
             ふたつであの世か・・・。
                  早いとしか言いようがない・・・。








ドイツ語の寸劇を見る秋日和
             秋という季節はなぜか、
                     少し今までの自分の感性とは違った、
              何かをしてみようという、
                        不思議な感覚が湧き上がる季節でもある。
                          だいたいは湧き上がるだけで終わるものだが、
                   なぜか不思議な力が湧いてきて、
                    実行に移したりすることがある・・・。
                よせばいいのにと思うのは、
                 余計なお世話というものだが、
                            本人はいたってまじめに取り組んだりしたりする。
                          しかし、ドイツ語の寸劇はチト難しいだろ・・・。








台風がそれて家族で団子食う

                            今年は台風の当たり年という予報があったが、
                     実際には例年の半分だったようだ。
                    しかし、大雨と落雷は激しかった。
              どうせ予報を出すなら、
                                こちらのほうが当たりやすかったのではないだろうか、
                         大雨と雷雨なんて基準があいまいだから、
                      ある程度降れば大雨でいいのだ・・・。
                   お天気予報も仙石さん以上に、
                      とぼけ方がうまくないってことか・・・。
            台風接近で緊張し、
                     関東地方はそれ真下で弛緩する。
                               団子を食うくらいの余裕が出るってことだろう・・・。
                    かなり小粒な余裕ではあるが・・・。








口紅を初めてぬる娘曼珠沙華
                              学校を卒業したくらいに娘さんが化粧をしてると、
                          化粧が今一つノッテないのが初々しい・・・。
                               口紅なんか本来の唇から少しはみ出したりしている。
                       少し歳のいった女性のこなれた化粧も、
                  いいといえばいいのだが・・・。
                          いま一つ怖さがあるのがいただけない・・・。
                  口紅の色も曼珠沙華のように、
                            顔から浮き上がったように見えるから怖い・・・。
                           曼珠沙華もつぼみのうちが控えめでいい・・・。
                      そこで止まっていてほしいというのが、
            オヤジの願望か・・・。






主催者吟

大笑いのれん外に秋の風

読書せる間のうたた寝や秋の風

ショパン聴くカフェの窓にも萩の花

彼岸花寺がいきなり華やかに

彼岸花にとまるなちょうちょ染められる





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