渡辺さんの俳句傑作選
2010年 12月の俳句
どんどの火幼稚園ごと浴びにけり
一年のもろもろを焼いて、
身辺すっきりしようというのがどんどの火・・・。
炎にはいろんな邪気を、
すっきりさせるという力があるという。
無邪気の集まりを核とした幼稚園を、
外から覆うのが無とは程遠い邪気。
火の粉で払いたいというのが本音か・・・。
幼稚園をめぐる状況は、
日に日に厳しさを増しているという・・・。
少子化所以・・・。
燃やすものをたっぷり用意して、
一番用意できるものかもしれない。
次の年の初めまでには、
すっきりさせて、
ドッとスタートさせたいたいということかな。
志ん生の艶笑小話ポインセチア
落語家の志ん生といえば大真打だ。
一年の末に来ると、
だいぶ煮詰まってきている気分がある、
一年のよどみというか澱というか・・・。
どこかで洗い流して、
すっきりしたいというのがほとんどの大人の本音。
ソープランドでっていう元気のある年齢だと簡単だが、
そうもいかないところに来てると、
なかなか難しい・・・。
やはりここらあたりの年齢は感性に響くと、
その振動で澱も落とせるというところだろう・・・。
味のある語りが分かりやすくていいかも・・・。
ポインセチアの赤がすっきり見えるようになれば、
張り付いた澱もかなり落としたというところだろう。
冬雲にスカイツリーの無邪気かな
スカイツリーの高さが話題を提供する。
全国共通にスッと入れる話題性には感心するくらいだ。
不景気な話に入りやすいこの頃。
なんとなくハイテンションになれる話題ではある。
空に向かっての話は、
気分を高揚させるのは人間の特性のようだ。
その極まった話がバベルの塔だろう。
太古の昔から人間は上を目指す生き物って気がする。
下を目指してしまうと絶滅の恐れもあったわけだが、
上を目指してここまで繁栄してきたわけだ。
ま、上を目指し続けて温暖化になったわけだが・・・。
でも、上へは本能だから絶滅まで上を目指すだろう。
無邪気に絶滅へ・・・かな。
短日の答えから見るドリルかな
冬も年末に来るといやに昼間が短い、
夜の半分くらいに感じる・・・。
こう太陽を見てる時間が少なくなると、
なんとなく先を急ぎたくなる。
なんでも昼間のうちにというのが、
人間の気分の持っていく場所だ。
暗くなったら休みたいのだ・・・。
そうなると物事結果を先に出してから、
過程を考えるのが常となる。
結果が見えないところで、
ダラダラいきたくないわけだ。
結果は過程から導き出されるから、
答えを先に出して過程を考えると、
短い時間をさらに節約できるわけだ。
過程を短くしようとすると、
答えがいやに小さくなるのがいまいちだが・・・。
小春日の遅々と進まぬ太平記
12月になると太陽がかなり傾いて、
頭の上にあったものがかなり目の前に見える。
これが気温を下げる原因なのだが、
その通り道もいやに端っこで、
あっという間に沈んでしまう。
太陽もこの時期省エネを心掛けているのだろう。
省エネはいいのだが、
そのぶん夏に元気凛々で大活躍はしてほしくない・・・。
その太陽の省エネの影響で、
地上は寒い・・・。
たまに太陽の機嫌がよくポカポカ陽気になるのだが、
そうすると一気に間を飛ばして居眠りtimeとなってしまう。
本格的文学本だとここぞというときに、
居眠りtimeになってしまって、
思わず瞼落城となり、
活字を追うのもブレーキがかかる。
主催者吟
シクラメンモーツァルトを聴きながら
カーテンの影くっきりと冬のカフェ
大掃除写真の娘と若き妻
枯れ葉踏む早き呼吸と二重奏
湯豆腐に曇るメガネや端遅れ
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