渡辺さんの俳句傑作選
2011年 5月の俳句
五月雨を集めて煙る凱旋門
凱旋門と言えばパリの中心であり、
フランスの象徴だ。
フランスを紹介する記事にはまず必ずこれは載る。
フランスと言ってこれが浮かばない人は少ないと思う。
ヒットラーも絶頂期は、
凱旋門と一緒に写っている写真ときだ。
いまフランスも原発推進国として福島で揺れている。
どこの国も揺れているが、
ほとんどが原発で電力をまかなっている、
フランスではより重大だ。
小雨に煙る凱旋門は、
世界の原発の憂愁を一身に集めてるようだ。
季節柄に原発問題が絡んで、
なんとも世界の気分を反映させてる具合だ。
卯の花腐し黒猫のおおあくび
ネコのおおあくびというのは、
ただあくびだけということはあまりない・・・。
前足を伸ばして伸びをするように、
大きく口を開ける。
見てるとこちらまであくびをしたくなる。
あくびを思い出させるというのだろうか・・・。
黒猫が口を開けると、
口の中はピンク色だ・・・。
全体が黒いからこれは目立つ。
卯の花は白だから実際は違うと言えそうだが、
枯れて腐ってきた色となると、
なんだか納得してしまう。
人間が大あくびして見える喉チンコは、
なんの花と言えるだろうか・・・。
芸術は爆発とかやパリー祭
芸術は爆発だ!と言えば、
岡本太郎がすぐ思い浮かぶ。
なんだか存在自体が爆発してる感じの芸術家だった。
それ自他すごいことではあるが・・・。
実際芸術が爆発かどうかは疑わしい・・・。
爆発しただけで何か生み出せるだろうか、
奇抜なものを作り出すということではそうかもしれない。
逆に奥の深いものを生み出そうとするとき、
爆発したことで、
奥行まで吹っ飛ばしてしまうのではなかろうか・・・。
前衛的な芸術家というのは、
とかくその爆発の系列につながるのかもしれない。
芸術を生み出すために爆発したついでに、
本人も爆発してしまうのも芸術家の宿命でもある。
ゴッホなどその典型かもしれない・・・。
耳を切り落とすなどというのは、
結構痛い爆発の仕方だ。
芸術家というのは、
なかなか大変な仕事って気がしないでもない・・・。
アロハシャツ着て通勤の男かな
ものの価値観がこれほど変わった年もそうはない、
すべては原発事故から始まったことだが、
とにかく電力不足が深刻だ。
電力不足が叫ばれると、
とにかく勢いよくクーラーは使えない、
クーラーを使わないようにするには、
涼しい格好となる。
超クールビズ・・・。
アロハシャツは当たり前、
短パンアロハシャツも出てきそうだ。
逆にスーツにYシャツ、ネクタイなんかで、
仕事で人前に立ったりすれば、
ほとんど国賊扱いだろう・・・。
これは結構すごいことだろう・・・!!
ネクタイが曲がってるなどと注意してた同じ人間が、
ネクタイなぞしてくるとはなにごとだ・・・!!
価値観というのは、
その時の都合だということがよく分かる。
ネクタイスーツで人前に出られないってのは・・・スゴイ!
名優を悼む番組迎え梅雨
最近姿を消してしまった名優というと、
児玉清がすぐ頭に浮かぶ。
それほど派手な話題もperformanceもないが、
常にどこかのチャンネルのドラマに顔を見せている。
存在感があるということはこういうことなんだろうと、
妙に納得させる俳優だった。
長寿番組だったアタック25というゲーム。
児玉清が司会をしていると、
なんだか知的ゲームに見えてくる。
クイズに答えてパネルを開いていくだけなのだが、
知的な雰囲気が漂ってくる。
これが紳助あたりだと、
ガラッと違った雰囲気になるだろう。
司会の持つ雰囲気というのは、
その番組の嗜好性をも決定する力ありだ。
梅雨に入る直前の逝去だった・・・。
主催者吟
タンポポの絮飛び消えし青き空
けたたましオナガ鳴く日の梅雨の晴れ
老婆弾くギターや梅雨の晴れ間かな
葉桜に虫の抜け殻揺れており
降る度にアジサイ色の深まりて
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