渡辺さんの俳句傑作選






2011年 12月の俳句






義士の日や枕をよぎる宝船
                      時は元禄、雪の夜のしじまに鳴り響く、
        山鹿流陣太鼓。
               一打ち二打ち三流れ・・・。
                        まさしく赤穂浪士の討ち入りでござる・・・。
                     時代がいい加減ここまで下がっても、
            変わらぬこの人気・・・。
            赤垣源蔵徳利の別れ、
            雪の南部坂の名場面。
                       ここまで名場面の続く演目もないだろう。
                            大石内蔵助を演じた役者にもいろいろ贔屓もある。
                            NHKの大河ドラマで演じた長谷川和夫を推す人。
                  これはテーマ曲も推す人が多い。
            芥川也寸志の作曲だ。
                          とにかく定期的にドラマ映画に取り上げられる。
                     ネタに詰まれば赤穂浪士ってな具合だ。
                   ここまで書けばこの俳句の意味も、
              鮮明になろうというものだ。
                               要するにグッズから興行収益からコマーシャル効果まで、
              幅広ところで利をもたらす。
             ギャンブル性もなくだ・・・。
                      これぞ第九と共に年末の宝船だろう・・・。








湯豆腐と養生訓がお気に入り     
                          冬の凍てついた夜にぴったりなのが鍋物。
              いろいろな鍋があるが、
                            和物として手軽でオーソドックスなのが湯豆腐。
                          これはお湯を沸かして豆腐を入れるという、
                 超お手軽で効果抜群の鍋だ。
                             なんといっても問題の中性脂肪が見当たらない。
                                 肉を入れた場合でも鶏肉までなら大した問題ではない。
                  二本足は人間と共通している。
             とにかくメタボ対策は、
                    今の日本人には共通した問題だ。
               となればこの湯豆腐こそ、
                  究極の健康食といってもいい。
                              あの豆腐を蓮華でポン酢の入った器に移すときの、
             あの湯気の熱気・・・。
                      タレもポン酢だけに限らないところが、
                バリエイション豊富といえる。
                    養生訓が頭に浮かんだら湯豆腐。
                       このパターンを確実なものにしよう!!









子らはしゃぎ窶れの目立つサンタ役
               12月のメイン行事の一つ。
       クリスマス。
                        これこそはじける日本の姿そのものって、
                       感じになるときもないかもしれない・・・。
                          節電、節電とあれだけ神経質に騒いだのは、
                  いつの話だといいたくなる・・・。
                               クーラーにもなんだか神経をピリピリしたのはいつだ。
                         計画停電などという網に引っ掛かったのも、
         今は昔って・・・。
                               しかもこれだけの天災が襲ってもなを出番が減らず、
                  駆けずり回ったサンタクロース。
                   やはり需要は全く落ちないのだ。
                         むしろ以前より注目を集めたかもしれない。
                                サンタクロースの数というのはやはり決まってると思う。
                                  粗製乱造すればサンタクロースのイメージを壊しかねない。
                               サンタクロースの世界もベテランと新人では全く違う。
                    何事もイベントには雰囲気が大事。
                              しかし、どの世界もベテランの出番が多くなれば、
                 お年寄りの多いがこの世界。
                             ガックリ座り込んで休む姿も想像に難くない・・・。
                             お年寄りにはあまり優しくない行事なのかも・・・。








百歳の鼻たれ小僧秋日和
                                 日本もいよいよ高齢化問題がクローズアップされてきた
                      以前からいろいろ言われてはきたが、
                     いよいよ消費税問題が絡んできた。
                     なんだか年寄りがいいカモになって、
                              税金を上げる口実にされてる気がしないでもない。
                             いくら上げても足りるということはなさそうだ・・・。
                            人間、歳とともにいろいろこなれてくるわけだが、
              百歳という年齢になって、
                             枯れて丸くなって静かに暮らしたほうがいいのか、
                    はなたれ小僧のようにやんちゃで、
                          いい歳をしての世界にいるほうがいいのか、
             ここは微妙なところだ。
                 百歳で超有名な方の話だと、
                         なんにでも興味をもってがいいらしい・・・。
             ここが微妙なところで、
                         年寄りの冷や水にもなりかねないところだ。
                      はなたれ小僧だと自分で思いながら。
                       周囲には好々爺で見せておいたほうが、
                万事無事かもしれない・・・。
                            歳いけばそのくらいの芝居もうてるくらいには、
                    十分練りあがってるわけだから・・・。








冬耕やゲートボールの内輪もめ
                            最近あまり以前ほど耳にすることの少なくなった、
       ゲートボール。
         言われてみると、
                    そんなゲームもあったな・・・くらい。
                     どちらかというとお年寄りが気軽に、
                       戸外で楽しめるスポーツンという認識だ。
                                 しかし、最近あまりゲームを楽しむ姿が見られなくなった。
                     一時はテレビであれほど取り上げられ、
                      名前が出てくることも結構頻繁だった。
                              それが先細りの典型のように名前を聞かなくなった。
                   かつてのボーリングのような感じだ。
                  これは集団スポーツというのが、
                   一つカギになってるような気がする。
               要するにこういうスポーツは、
                  頭に血が上りやすいということだ。
                              だいたい元気な連中が外に出てやるスポーツだから、
               それぞれ妥協を知らない・・・。
                  なんとなく分かるというものだ・・・。
                           要するにもめごとが多くなってきたという結果が、
                            現状あまり馴染みがなくなったのじゃないかと・・・。






主催者吟

襟立てて風やり過ごす師走かな

床に入り数え始める除夜の鐘

息白し通勤道の馬力かな

子犬にも手をふる仕事納めかな

電飾や故郷の記憶冴え返る




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