映画でひとこと−『スターシップ・トゥルーパーズ』
(初出 2003/02/11〜13)

今回は友人のしみ氏のリクエストで、『スターシップ・トゥルーパーズ』のレビューをば。
実は以前にも一度観たことあるんですけど、あんまりレビューは書きたくないと思ってた作品です(笑)。
いろいろ語ることはできるかもしれませんが、評価が非常に難しいので・・・

舞台は未来。
人類は巨大昆虫型エイリアンと戦争状態にあった。
主人公のリコ(キャスパー・バン・ディーン)は高校卒業後、軍に入隊。
歩兵隊として昆虫たちとの戦いに備える。
一方恋人のカルメン(デニース・リチャーズ)は、同じく軍に志願するが、成績のよい彼女は希望通り宇宙船の操縦士に。
さらに同じ高校からリコに恋心を寄せるディジー(ディナ・メイヤー)が、リコを追っかけて歩兵隊に入隊してきた。
そんな恋の三角関係とは関係なく(そりゃそうだ)、巨大昆虫の攻撃が本格化。
それぞれの戦場で戦乱へと突入していく・・・

もうごちゃごちゃ言う前にはっきりと結論から言ってしまいましょう。
この映画は「おバカ」です。
「おマヌ」と言ってもいい。
恋愛もの+青春ドラマ+SF+スプラッタ+おヌード頂戴官能小説風=おバカB級映画、といったところでしょうか。

筋は非常にわかりやすくなってますが、どうにも切って貼ったような急な展開が目立ちます。
例えばカルメンがリコに別れを告げるところ、あるいはリコとディジーができてしまうところ、それから重要キャラがいとも簡単に死んでしまうところ等々、とにかく「えっ?なんで?マジで?」とつっこまずにはいられないほどの急展開。
普通の映画ならもうちょっと丁寧な流れにすると思うんですけど。
でもそれでいいんでしょう。
この映画は(驚くべきことに)明らかにストーリーに重きをおいてないからです。
そんなことよりも昆虫とのド派手な戦い、きらきらしたCGの美しさ、SFXなどがこの映画のセールスポイントにしてメインコンテンツなんじゃないでしょうか。
・・・要するに、頭空っぽのエンターテイメントだと、私は思ってます。

ストーリー上恋愛要素も絡んでくるんですが、とにかく感情移入できないのは、ヒロイン役(なのかなぁ・・・)のデニース・リチャーズのイケてなさによるところが大きいでしょう。
なんであんな人がヒロインなんでしょう。
今までレビューの中で、多くの女優の美しさを賛えてきましたが、これだけイケてないヒロインは初めてです。
お世辞にもキレイとはいえません・・・まぁ人の好みって違いますからねぇ。
欧米ではああいうのがもてるんでしょうか。
ただしこの人がモロにゲロを吐くシーンがあったんですが、その体当たり演技は買います。
観ててギョっとしちゃいました。
ゲロを吐くシーンって、あんまりゲロ映さないもんなんですけどねぇ、普通。
『鉄男』という邦画では、池袋の地下で延々10分くらいゲロを吐き続けるシーンがありましたが。

一説には、この映画全体が監督ポール・バーホーベンのジョークなんだということですが、案外的を射た見方かもしれません。
面白いのは完全に男女平等の世界であるというところ。
アメフトも男女混合のチームでプレイするし、軍隊でも男女何の差別もなく同じように扱われ、果ては軍の最高司令官に女性が就任することもあるという世界。
歩兵隊ではなんと、シャワーまで男女一緒に浴びるんですねぇ。
メインキャラの一人・ディジーも、そこで惜しげもなくヌードを披露。
「究極の男女平等」までいけば世界はこんな風になるんだぞという、彼流のジョークだと思えなくもないです。

戦闘のシーンではグロい巨大昆虫がわらわら出てきて歩兵たちを襲います。
昆虫自体も気持ち悪いんですが、さらに歩兵が手足ちょん切られたり、胴体真っ二つにされたり、腕を炎で熔かされたりといったエグいシーンがボンボン出てきます。
頭に触手みたいなのを突き刺して、脳みそ吸うシーンとかね(間寛平の「血ィ吸うたろか」みたい)。
私は全く抵抗ないですけど、デリケートな婦女子は目を覆うシーンですね。
スプラッタ入ってます。
そういうの弱い方はご注意。

とにかく上でも言ったように、恋愛ものに青春ドラマにSFにスプラッタをかき混ぜて、さらにトッピングとしておヌードを振りかけた、まさに盛り沢山のノーブレイン・ムービー。
これだけバカさ加減を徹底して、面白くないわけがないです。
決して名作ではありませんが、名作・傑作でなくとも大いに楽しめる作品はあるということの好例。
マンガで言えば「ドラゴンボール」とか「キン肉マン」にあたるでしょうか。
★いくつというように、数で評価を表すのは困難な迷作。

(映画データ)
『スターシップ・トゥルーパーズ』(米)
原題:『Starship Troopers』
公開:1997年
監督:ポール・バーホーベン
脚本:エド・ニューマイヤー
原作:ロバート・A・ハインライン
特撮:フィル・ティペット
出演:キャスパー・バン・ディーン、ディナ・メイヤー、デニース・リチャーズ
管理人お気に入りポイント(★=1、☆=0.5。最高5):
★★★★(あえて評価はつけましたが、他の作品との相対評価ではありません)

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