タイトル■シンガポール・ジモティ通信 
書き手 ■
かなぶん

シンガポールは淡路島と同じくらいの大きさの
小さな小さな国。この国に住む日本人かなぶん
さんによる、地元民だからこそわかるシンガポ
ールの魅力をお伝えするコラムです。行ったこ
とのない人も、一度行って「つまらない」と思
った人もご注目。本当はこんな国なんですよ!

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<第4回> ウエットマーケット大好き!

シンガポールの食生活、
前回は主にホッカーズ(屋台村)での外食について
お話させて頂きましたが、
今回は「家食」についてです。

実はシンガポールは、日系デパートがとても多いんです。
伊○丹、高○屋、大○(伏せ字になってない?)、西○・・・。
(昔 そ○うもあったんですが、倒産時に撤退しました)

そしてその日系デパートの地下食品売り場には、
必ず日本食が豊富においてあり、
食べたいものはほとんど手に入ります。
お茶漬けの素、納豆、カップラーメン、
空輸の野菜類、最新のお菓子など・・。

とにかく手に入らないものを探すほうが大変かもしれません。
特に大丸は毎日夜12時までやっていて、
私たちのコンビニのような存在です。
日本人の憩いの場、とでもいいましょうか。
大阪たこ焼の「くくる」や、
ポテトで有名な「らぽっぽ」までありますから。
(大阪ではどちらも有名店なんですが・・)

また、各日系デパートでは頻繁に
「何とか県フェア」ってのをやってます。
北海道、青森、九州、金沢、沖縄・・・などなど。
北海道フェアでは、あの「白い恋人」までも買えてしまうのです。

とにかくまるで日本です。実際日本人だらけだし。

ちょっと皆さんのご期待に添えなかったでしょうか?

でも、ここは外国。日本から運んでくるものには必ず
税金&運送費がかかるわけです。
必然的に値段は日本よりははるかに高くなるのです。

確かに「お金をだせば」なんでも買えます。
生で食べられる空輸の卵なんかは、一個1ドルもします。
(6個入りなので、6ドル=420円 高!)
こっちの卵は、生では絶対!食べることが出来ないので
すき焼きや(豚肉)、卵かけご飯がどーしても食べたい!時にだけ
うちもたまに買いますが。

日本の新製品のお菓子もちゃんと入ってきますよ。
「あ〜おいしそう。これ買おー。」
なんてカゴに気安く入れちゃいけません。
なんとポテトチップが7ドルもする時があるんですから!
(さすがに売れなかったらしく、後日2ドル50セントになってましたが)

とにかく、ビンボーなうちには日系スーパーでは、
思う存分お買い物をすることなんて夢のような話なんです。

カートいっぱいに日本製の食品やらお菓子を山のように買っている
日本人マダムを横目に見ながら、
ローカルのスーパーには売ってない薄切り肉と、
日本製かぼちゃ(子供が好き)だけを買って帰る私・・。

とーぜんせっかく会員にはなってるけど、ポイントは全然溜まらず。
(よくローカルの人は「日本人はお金持ちだ」って言うけど、
 本当にそう思う。なぜ??うちだってニホンジンなのに・・・・。)

うちのお買い物はもっぱら地元のウエットマーケットです。
高いから、日系スーパーで買い物しないっていうのも
一つの理由ですが、実はうちは日系スーパーがひしめきあう
中心地からかなり外れた所に住んでいるので、
いちいち30分もかけて買い物に行くのがめんどうくさいし、
地元のウエットマーケットでの買い物のほうが便利で楽しいのです。

ウエットマーケットっていうのはいわゆる市場のことです。
一つの敷地に八百屋さん、魚屋さん、牛、豚、鶏の各お肉屋さん、
果物屋さんになぜかペット屋さん(食用?)まであります。
床が常に濡れているので、ウエットマーケットというそうです。

ウエットマーケットにはいろいろな人が買い物に来ます。
ホッカーズの人が仕入れに来てたり、主婦の人がいたり。
お店の人の多くは中国人系シンガポーリアンですので、
マーケット内は威勢のいい中国語でのやりとりが盛んです。

それでもさすがはシンガポーリアン。私など中国語がわからない
お客さんにはちゃんと英語でやりとりしてくれるので大丈夫です。

最初は順番など関係なく、お店の人を呼びとめ、
値段を計ってもらって買い物する方式になじめなかったのですが、
何度か行くうちに図々しくなり、
先におじちゃんの耳に声が入ったモン勝ち!
というコツも覚えました。

ウエットマーケットのいいところは何せ全てが新鮮。
ほうれん草なんか先っちょまでピーンと尖っているし、
魚屋さんのえびなんかはプリプリで皮むきやすーい。
そして、日系スーパーのしなしな野菜や
でろでろえびの約半額〜2/3くらいの値段です。

それに自分が欲しい分だけ、測ってもらって買えるのも
小人数家族の家には魅力です。
にんじん1本、じゃがいも1個とか。そうやって買えると
無駄がでないし、常に新鮮なものを使うことができますから。

わざわざ日本からの空輸ものの野菜を買わなくても
結構中国産やマレーシア産の野菜も使えるんですよ。
ほとんどの野菜はここで手に入ります。

私がちょっと意外だったのは栗があるんですよ。
かたい皮がむいてあるので、うちはよく
タイ米のもち米を少し混ぜて、栗ごはんにします。
ウエットによっては焼き甘栗をやってます。
すっごい沢山入って2ドル。日本じゃ考えられません。
甘栗好きな私にはかなり嬉しいです。

おいしいのは里芋。
安いし、絶対ヘンな日本製より
おいしいと思います。

ナスは皮が堅くて、色が薄く、長くて細い
日本のものとはだいぶ違うので使えないなあ
・・って思います。でも
ナスのような食感はズッキーニで味わえます。
焼きナスとかは無理ですが、フライにしたら「これナス?」
ってうちのだんなは言いました。

ほうれん草だって、日本のものより長くてちょっと違うけど
十分おいしい。おひたしだって出来ちゃう柔らかさ。

といった感じで、
生鮮食品類は大体ウエットマーケットで
まかなうことが出来ます。

魚屋さんはうろこをとったり、3枚におろしてくれたり、
「フィレにして、骨をとって」なんていうわがままにも答えてくれます。
豚肉だって柔らかいから、スーパーよりおいしいし。
優しい店員さんにあたると、頼めば生姜焼き用くらいの
薄切りに包丁で切ってくれたりしますよ。

ただ、牛肉はあまりおすすめしません。ちょっと臭みがあるので
日本人にはむかないかもしれないので。(マレーシア産)
あと鶏肉も一羽まるまるローストチキン用に買いたい!という
ならすごく安くておいしいのですが、から揚げ用とかむね肉とか
ああいうのはやっぱりスーパーで買うことをオススメします。

とにかく私はウエットマーケットが大好きです。
でも日本人の中には、ちょっとあの独特の雰囲気が嫌!
っていう人もいるようです。

この小綺麗なシンガポールの中で
こんなに東南アジアチックな雰囲気が味わえるなんて、
貴重な場所だと思うんですが。

もちろんローカルのスーパーや商店街もいっぱいありますよ。
スーパーではウエットで買えない調味料やらを買います。
さっきも言ってたタイ米のもち米、料理酒のかわりに
RICEWINE、お酢のかわりにビネガーと地元の人が
使うものを上手に代用すると、日本製の高い物をわざわざ
買う必要が無くなります。値段は下手すると1/10です。

それにローカルのスーパーをうろうろしてると、
おもしろいものがたくさん見つかるんです。
結構そういうものを一時帰国時の
おみやげにしたりすると喜ばれます。

今回は(も?)ちょっと所帯くさくなっちゃってすみませんでした。
住んでいる人&これから住む人用みたいになっちゃいましたが、
観光で来られる方も是非、お時間があればウエットマーケットに
寄っていってみてください。
マーケットによりますが、蘭のお花がすごく安く売っていて、
ちゃんと検閲用にラッピングしてくれたり、マンゴやマンゴスチン、
パパイヤにドリアンなど果物も、おいしくって安いです。

ウエットマーケット、使えます!!


(つづく)




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