タイトル■カメとプレの不思議な世界
書き手 ■加藤さこ

ヌマガメ、リクガメなど4匹のカメ、
そしてプレーリードッグを飼っている彼女が、
カメやプレーリーを飼うことになった経緯や
野生動物としての彼らの現在の状況、
不思議な生態と格闘する楽しさと厳しさ、
いろんなエピソードを語ってくれるコラム。
ある意味、知られざる世界の入口かも。


【第1回】
オモチャにされ、悪者にされた
不運なミドリガメ


ミドリガメといえば、
全身緑色の、ちっこくて
オモチャみたいなカメ。
実際、カプセルに入れられて
ガチャガチャのオモチャになったり、
ゲーセンのカメ釣りなんてのにも
登場している。

このカメ、初めて日本の市場に
登場したときも、
製菓会社の景品として扱われた。

オモチャとして遊ばれ、
いらなくなったら捨てられる。
今、川に捨てられたミドリガメが
生態系を壊していると言われ、
悪者のように報道されている。

このちっこいヤツらは
非常にタフなのだ。
川に捨てられても
池に捨てられても
ドブに捨てられたとしても、
生き残る確率は非常に高い。

環境問題になっているのは、
人間がオモチャとして扱った
ツケが回ってきている
せいだというのにね。

私はこの悪者達が大好きだ。
絶滅に追いやられている
在来種はかわいそうだが、
ミドリガメの応援をしたい。

ペットを川に捨てるのは
どういう神経なのだろう。
捨ててしまうくらいなら、
里親を探すか、いっそ殺すか、
食ってしまえって思うなぁ。
マズそうだけど...。

ウチにもミドリガメがいた。
「いた」というのは
死んでしまったのではなく、
もう大人になっているので
ミドリガメとは呼ばれないためだ。

ミドリガメというのは幼名で、
成長した彼らの名前は、
「ミシシッピ・アカミミガメ」という。
見た目は黒っぽく、
子供の頃の鮮やかさはない。
ガス会社から点検員が来たときなど、
「ゲッ...デカいカメですねぇ」
なんて驚かれてしまう。
ちょっとグロテスクなのだ。



幼体では3cmほどの大きさが、
成長すると25cmものデカさになる。
25cmのカメを飼う環境として、
最低でも90cmの水槽が必要。
それでも運動不足になって、
カメにストレスを与えてしまう。
ウチではストレス解消のために
水槽から出して、毎日3時間ほどの
放し飼いタイムを設けている。

ミドリガメは、幼体の頃から
大事に育てると、おもしろいほど懐く。
もちろん個体差はあるが、
呼べば駆け寄って来るくらい
ベタ馴れするヤツもいる。
カメの中では最も飼いやすく、
ペットに向いているのだ。

でも、くれぐれも
衝動買いには気をつけて。
寿命が30年以上なので、
生をまっとうするまで飼い続けるには、
それなりの覚悟が必要ですヨ。





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