タイトル■カメとプレの不思議な世界
書き手 ■加藤さこ
ヌマガメ、リクガメなど4匹のカメ、
そしてプレーリードッグを飼っている彼女が、
カメやプレーリーを飼うことになった経緯や
野生動物としての彼らの現在の状況、
不思議な生態と格闘する楽しさと厳しさ、
いろんなエピソードを語ってくれるコラム。
ある意味、知られざる世界の入口かも。
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【第5回】 プレーリードッグとの出会い
カメ好きな私が、プレーリードッグを
飼うことになってしまった。
それはまさに、だまし討ちのような
昨年の4月1日。エイプリルフールのことだった。リクガメたちの冬用保温ライトを
春用のワット数の低いものに交換するために
ペットショップへ買い出しに行った。
春はいろんな動物が入荷されるので、
店内がとても賑やかだ。カメ用のライトとエサを選んでいると、
私の上着をクイクイと引っ張るものがあった。
なんだろうと思ってかがんでみると、
ゴールデンハムスターより少し大きくて
ネズミみたいな動物が、
一生懸命ケージから手を伸ばして
上着をつかんでいたのだ。なんだこりゃ? ヤケになれなれしいぞ。
そう思って店の人に尋ねると、
プレーリードッグの赤ちゃんだという。
よくみると上着を歯でがっちりと噛み締めて
ぶら下がっているようだ。
店員さんが慌てて引きずり出して
何度も詫びてくれたけど、
その赤ちゃんプレーリードッグは
私の上着が気に入ったようで、
すぐに手を伸ばそうとする。
店員さんがダッコするとおもいっきり
嫌がってこちらに来ようとするのだ。
私が抱くとおとなしくなって、
腕の中で、ちゃっかりとくつろぎモード。
コイツはヤバイと思った。
どうやら物凄く懐かれてしまったようだ。昔から私は相性の合う動物に
ベタ惚れされる性質らしく、
以前は隣の家で飼っていた
犬に惚れられて、悩ましい声で
遠吠えさせた経験がある。
動物に惚れられるのって、
なんだか無性に恥ずかしい。
ムツゴロウさん化拒否症候群って感じ
って、どんな感じなんだか…。とにかく、そのプレーリーを
ケージに戻そうとしても、
満身の力を込めて拒否される。
連れて帰ってくれといわんばかりの
態度でしがみつく。
普段ならこれくらいのことで
買って帰ったりはしないのだが、
このプレーリードッグに関しては
手放したくなかった。
野生動物らしからぬ態度で
初対面の人間に体をすっかり預けている
この超楽天的な動物に対して、
私の方も惚れてしまっていたのだ。年間を通じての飼育法を尋ねると
カメよりもはるかに簡単そうだった。
ぜったい後悔すると思いつつ、
買って帰ることにしてしまった私。しかし、連れ帰ってみると、
後悔なんて吹っ飛んでしまうほど
数々の驚く出来事が待っていた。っと、長くなってしまいそうなので、
その話は次回にします。
(つづく)
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