タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎

はガガーリン空港へ行く」を主宰している
の書いた制作記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。

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これまでの記録


<118> 5月27日(月)

■■ 新宿にて ■■

新宿・大久保ミステリーが
連載開始したその日、
俺は奇しくも新宿にいた。

これは何かの運命だろうか?
それとも単なる偶然か!?

高島屋近くの雑居ビルで
フードスタイリスト・マロンさんをインタビュー。
その後、通り雨に打たれながら
新宿御苑前に移動。

御苑の正門前にある
カフェの前で撮影。

とりあえず取材は終了
…のはずだったが、
マロンさんの提案で四谷・荒木町へ移動。
花街で撮影を追加することに。

荒木町は不思議な街だった。

『そこは江戸時代からの歴史を現代に引き継ぐ、
 区画整理さえれないまま放置された、
 大小800もの路地道が複雑に絡み合う、大飲食街である。
 日本の九龍(クーロン)…大都会の巨大メイズ…
 大人の隠れ家…東京のすり鉢…
 等形容される人外魔境は、
 一度はまり込むと、始発電車まで抜け出せなくなる
 「夜の青木ヶ原」なのだ』
 (ホームページ「荒木町の謎」より引用)

人外魔境であり、夜の青木ヶ原…!

行ったのが昼間だったので、そこまでの醍醐味は
味わえなかったが、戦後から時が止まったような佇まい、
迷路のような路地の数々、石畳、数々の奇妙な看板…
くらくらきた。実に魅惑的な街。一度飲みに来たいものだ。

取材終了後、新宿区新小川町へ移動。
新しい単行本企画の打ち合わせ。

その後、飯田橋駅前の焼き鳥屋へ。
さらに神楽坂の地ビールバーへ。

実に新宿三昧の一日だった。

ビールに真澄、そして長野の地ビールとしこたま飲み、
深夜の神楽坂を下る。











「バァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」







…うん?
なんだ今の音は?







「バッ…!」







ま、まさかこれは…!?









「ブォァァァァァアアアア〜〜〜〜〜ッ!」










大久保方面から聞こえる!
これが例の怪物の鳴き声かッ!?

これは何かの運命だろうか?
それとも単なる偶然か!?










…いや、空耳だった。

飲みすぎたようだ。


(つづく)





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