タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎

はガガーリン空港へ行く」を主宰している
の書いた制作記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。

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これまでの記録


<124> 6月5日(水)

■■ アメリカが小さく見える! ■■

今日はシゴトで都合がつけられず
ワールドカップはダイジェスト放送観戦。
うー、さすがに毎日だと全部生は厳しい。

それにしても
日頃はほとんど見ないサッカーだけど
ワールドカップはホント楽しい。

試合が面白いってこともあるけど
それはわりと二の次で、一番楽しいのは、
イチゲンさんの喜びを満喫できること!

あるジャンルを好きになった時、
一番楽しいのは、ほとんど何も知らない
イチゲンさんの時期だと思うのです。

「へー、ベッカムってこういう顔なんだ」
「ふーん、ポルトガルはすごい強い国なのか!」
「“最強艦隊”って異名、カッコいいなぁ」

…こういうレベルの状態。つまり今の俺。

だから、なんでもかんでもいちいち面白い。
ドシロウトゆえの間違った認識も多々あるんだろうけど、
そういう時期って、ある意味しあわせ。
俺にとってはすべてのチームが未知の強豪だし、
どんな常識的なことでも興味深く思える。

ましてやワールドカップとなると覚えることも莫大で、
イチゲンさんならではの喜びを味わいまくってます。

今では擦れっ枯らしのマニアになってしまったけど
最初はプロレスでもそうだったもんなー。
なにしろ俺が最初にプロレス知識を得た書物は
コロコロコミックのプロレス特集ですから。

「へー、ドリーとテリーってのが兄弟で、ザ・ファンクスか!」
「仮面貴族ミル・マスカラス!かっこいい〜!」
「ボブ・バックランドってのがWWFチャンピオンか。強いんだろうな〜」

最初は、名前と顔と特徴を一致させるお勉強に
とにかく夢中。たった4ページくらいの特集でしたけど、
何度も何度も読みこみ、いちいち興奮。
最初はそんなかんじでしたよね、思えば。

もちろん、マンガ「プロレススーパースター列伝」に
書いてあったことはすべて信じてましたし。

ロードウォーリアーズはネズミを食べて生活している!
…なんて怪情報は、もう中学生になっていたので
さすがに懐疑的にはなっていたような気もするけど、
それでも、何10%かは真に受けてたような気もする。

競馬に夢中になった最初もそうだった。

「メジロなんとかっていろいろいるなぁ。兄弟?」
「有馬記念っていうのは、オールスター戦なんだ!すげえ」
「ホワイトストーンってのは、さぞ強いんだろうなあ!」

単なる常識でさえも最初は新鮮なもの。
競馬中継や競馬ブックにかじりついてました。

で、知識が増えるに従って、
ホワイトストーンは騒がれるだけで、
実はちっとも勝てない万年善戦マン(馬)、
とかわかってきて、
辛口コメントもできるようになるんだけど
それはもう少し後の話。

もちろん、マニアになればなるほど
より深く濃く面白がれる喜びはある。

あるけれど、初期の頃のように
無条件に単純にワクワクすることは
めっきり少なくなってしまうんだよねぇ。

そんなわけで、ワールドカップは毎日が未知との遭遇!
新鮮な面白さに満ちているのです。

今日の一番の驚きは、アメリカ。

強豪ポルトガルに番狂わせの勝利!

…サッカー的にはこういうことになるんだろうけども、
その前に、俺としては、
アメリカが小さく見える!ということが新鮮だった。

だって、音楽にせよ映画にせよ野球にせよプロレスにせよ、
戦後日本で大衆娯楽として人気があったものは
ほとんどすべてアメリカが本場じゃないですか。

アメリカは常に高い壁というか
世界最高峰として君臨していて
デッカイ存在なわけですよ。

もちろん体もデカイし。

それがサッカーでは、やけに小さく見える!

いや、アメリカはサッカー界ではランク的に低い、
ということは一応知ってましたけど、
ホッッッッットに、小さく見えたんだよな〜。

ポルトガル戦は
弱い者が必死に強い者に立ち向かっている、
という実にアメリカらしからぬ珍光景、
俺の目にはそう映ってました。

つか、ホントにあなた達はアメリカ人?
とさえ思っちゃったよ。

それが実に新鮮で面白かったなぁ。

そんなわけで、今日の「声」に届いた
大岡さんとカタリョウさんの話も
いちいち「なるほどなるほど…!」と
お勉強感覚で熱心に読み込んでます。

やべーっメキシコの試合は見てなかった、チェックしなきゃ!
ほっほーイタリアの試合っていつもつまんないんですか!?
ブラジルとスペインとドイツが嫌いってのは、Why?
稲本の幻ゴールはやっぱ正しい判断だったのかー!
…などなど。

そうそう、中田の件は朝日新聞の先走りだったんですねー。
テレビでもそう言っていて「なんだよ〜〜!?」と思いました。
しかも朝日は前科アリか。報道を鵜呑みにしちゃいかんですな。

でも、そうにせよやっぱり
個人主義者と言われてる人がチームのために尽力してる姿には
ジーンとします。いや、単なる思い込みかしれませんが。

そういえば今日、
作家の室井佑月さんをインタビューしたんですが、
雑談でワールドカップの話になった時、
彼女は「中田は好きじゃない」と言ってました。
理由は「だって、日本人っぽくないだもん」。

彼女が好きなのは、秋田や中山みたいな泥臭いタイプとのこと。
それはなんかわかる気がする。
親しみが持てるのは、基本的には俺もそっち系だし。

でも一番好きなのは、ベッカムだそう。
やっぱりベッカムかい!…と、こっそり思いました。
世界中の女性が彼の虜なのか!?

やっかみも込めて、
金曜日はアルゼンチンを応援しよう!
と改めて決意。

…とまあそんな些細な世間話も含めて、
ワールドカップ、楽しませてもらってます。

そうそう、アイルランドvsドイツ戦、
ロビー・キーンにも、キーンと、
いやジーンとしたなぁ!
最後の最後に執念の逆襲劇。
名前も親しみが持てるし、ビバ!ロビー!!

話がまったくまとまってないですけど
今日はこのへんで


(つづく)





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