タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎

はガガーリン空港へ行く」を主宰している
の書いた制作記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。

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これまでの記録


<129> 6月12日(水)

■■  気分はもう戦争? ■■


ワールドカップはすごいよ。

昨日はプロレスファン4人で
集まって飲んでいたのに、
ほとんどサッカーの話題だった。

普通だったら
「ヒョードル、遂にPRIDE出るねえ!」とか
「長州の猪木批判はどうよ?」とかが
挨拶代わりに交わされる言葉なんだろうけど、
今回は開口一番「フランス負けたよーっ!!!」
ですからなぁ。

リバウドの顔はノゲイラに似てるとか、
中村俊輔=田村潔司説とか、
柳澤はパンクラス系だとか、
プロレス的キーワードもとりまぜつつも、
基本的にはほぼサッカー一色。

「バンナ対ハントは燃えたねぇ」って話よりも
「しかしベッカムはカッコイイねえ」とか
「トッティーの顔は、昔の少女マンガの二枚目系ですな」
なんて話の方がみんな熱が入り、OH砲の話題なんて皆無なのに
「バティ&オルテガ組、エムボマ&エトー組が好き!」とか、
サッカー版タッグチームの話で盛り上がって酒がすすむ。

このメンバーでプロレスを見にいくように
なって10年くらいたってるだろうけど、
こんなことは前代未聞さ。

恐るべしワールドカップ。

今だけのこととはいえ
大丈夫かマット界?

世界的スケール感といい、未知の強豪だらけの新鮮さといい、
その中での日本人の活躍ぶりといい、
今回これだけ刺激的なものを見てしまったファンの心を
取り戻すのは、至難のワザだよ…。

ワールドカップといえば、
おととい神楽坂のラーメン屋で飲んでいたら
中田ユニフォームを着た、酔っぱらった若者二人が
いきなり大声を出し始めた。

「ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!」

するとその近くにいたサラリーマングループ二組も
その大声に合流。

「ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!」
「ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!」
「ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!」
「ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!」
「ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!」

たぶんベルギーvsチュニジアの結果を知って
大騒ぎし始めたんだろうなぁ。

こういう光景はうちの近所では見かけなかったけど、
小林さんからの報告にもあったように、
新宿も渋谷も下北沢もどこもそんな状態で
本当にえらいことになってるみたい。
新聞やテレビで報道してた狂騒っぷりを
初めてライブで体感した。

このナショナリズム・フィーバー(?)を見てると
人間は本質的に戦争を求めている生き物なのかも、と改めて思う。

最近読んだ「戦争と平和」という本に、
今の日本は、メディア規制法みたいな部分も含めて
大平洋戦争前の日本の状況に酷似してる、
といった話があった。

サッカーにせよ、格闘技にせよ、
ナショナリズムを刺激する
国別対抗というシチュエーションに
なっている大衆娯楽が、
年々人気を集めるようになっているのも
実は戦争願望の表れ?

ナショナリズムを高揚させて
何かに燃えたい!興奮したい!
お祭り騒ぎしたい!

そんな時代の気分があって
実はじわじわと戦争を求め始めてる?

そんな風に考えてみると
日本が快進撃してる今回のワールドカップは
最高の疑似世界大戦。
時代の気分にジャストフィットしてるわけで、
盛り上がって当然か。

ロシアでは暴動で死者が出たとかいうし
世界中のナショナリズムに火をつけた今回のワールドカップは
実は第3次世界大戦へのプロローグかも…
と大袈裟なことまで考えてしまったりして怖くなった。

ま、考えすぎだとは思いますが。


(つづく)





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