タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎
「狼はガガーリン空港へ行く」を主宰している男
の書いた制作記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。
>>これまでの記録
<133> 6月15日(土)+6月16日(日)
■■ 燃えた酔った踊った痺れた ■■
6月15日・土曜日。
ワールドカップ決勝トーナメント開始。
まずはドイツvsパラグアイ。俺はパラグアイを応援。
なんてったって、闘将チラベルトがいい!W杯史上初のゴールキーパーによる
ゴールを狙っているという
どアホウぶりがいい。
やたら前へ前へと出てきてしまう
GKらしからぬ行動がステキだ。そして、顔が好きだ。
誰かに似てるんだよなぁ〜と
ずっと考えていたんだけど、
やっとわかった。
ヒクソンだ。ヒクソン・グレイシーにそっくりだ。
チラベルトは太ったヒクソンなのだ。
惚れ惚れするほどの俺様主義っぷりも
ヒクソンに通じる気がしないでもないぞ。で、太ったヒクソンで思いだした。
もっと似ている人物がいた。カーツ大佐である!
「地獄の黙示録」の太ったマーロン・ブランドだ。カーツ大佐が米軍に反乱したように
強豪ドイツに抵抗していく
チラベルト率いるパラグアイ軍。
なんとなく頭の中には
ワルキューレの騎行が流れる。がしかし、試合は膠着気味。
チラベルトによる
フリーキックという最大の見せ場も
やってきたが、惜しくも不発。結局、パラグアイは土壇場で敗れ去った。
もっと早く仕掛けていれば…!
と思ったが、後の祭り。将来の大統領候補というチラベルト。
その前に、ぜひ格闘技界に来てほしい。
身長194Bなら体格的にも申し分ないし。
あとドイツのGK、カーンも欲しい逸材。
あの恐ろしい顔は格闘技向きだ。
人間技とは思えないGKっぷりからして、
格闘技やっても強いはずである。
夜。決勝T第2試合
イングランドvsデンマーク。この試合は
ベッカムのワンマンショーだった。イングランド3本のゴールは
いずれもベッカムの完璧なパスから。ベッカムが球を持った時の
会場のフラッシュの量の
なんとすごいことか。あの顔で、このプレイで、
ファッショナブルで、性格も良さそう、
となれば、非の打ちどころなし。
しかも悲劇のストーリーまである。
ドラマチックレインまで降ってるよ。
完璧だ。
この異常人気ぶりも当然だろう。無理に難点をあげるとすれば
ベッキンガム宮殿なんて作ってしまう
俗っぽいとこくらいか。
しかしスーパースターたるもの、
それくらいイッっちゃってる方がいい。「anan」の「抱かれたい男」第1位は
次回はもうベッカムで決まりだな。
キムタク時代に遂に終止符が打たれるのだ。さて、試合はイングランド圧勝。
刈り上げがどうしても気になるワンダーボーイ、
オーウェンも見事なゴール。もっと接戦になると思ってたので
意外な結果だった。
試合開始5分後のゴールで
すべて決まったんだろうなぁ。
先制することの重要性がよくわかった。次回はブラジル戦が濃厚。
ベッカム&オーウェン対ロナウド&リバウド&ロナウジーニョの3R!
胸踊る、豪華スーパースター同士の激突だ。
顔だけでいえば、ベッカムの対極といっていい
ロナウジーニョを応援したいとこである。
6月16日・日曜日。
決勝T第3試合、セネガルvsスウェーデン。これぞ一進一退の名勝負だった!
最後まで燃えたよ。アフリカ派ということで
俺はセネガルを応援。
でも、スウェーデンもやる。
伊達に「死のFグループ」を無敗で
生き残ったわけじゃない。最後、死闘を制したのはカマラだったけど、
(もちろん俺も勝利のダンスを踊ったものである)
個人的には、ディウフにシビレっぱなしだった。
分厚いスウェーデンの守備陣を
二人、三人と神業のようなドリブルで突破していくディウフ、
うまい!複雑かつ、鮮やかなその足さばき。
早い!通常の3倍といわれる、シャア専用ザク並みのスピード感。
カッコイイ、ディウフ!!!もしも自分が誰か一人好きなサッカー選手に
生まれかわれるとしたら、
ディウフにしよう!日本がもしトルコに勝てば、
次はこのセネガルだ。果たして、この猛攻を食い止めることができるのか?
もしもそれができたら、本当にスゴいぞニッポン。
夜。スペインvsアイルランド。
これまたPKにまでもつれこむ大激戦!酒を飲みすぎてもいたけど、試合に酔った。
粘り強いアイルランドは好きなチームだ。
派手な選手はいないけど、最後まで諦めない試合ぶりは
ちばあきお先生の描く「キャプテン」の墨谷ニ中っぽい。
教え子には何年たっても年賀状を出しそうな
生真面目っぽいマッカーシー監督もいい。(あくまでイメージですが)が、スペインは行ったばかりの国なので思い入れがある。
マドリッドを訪れた夜、
その日は、レアル・マドリッドとFCバロセロナの試合があり、
入ったレストランも、サッカー観たさに
早々に店を閉めようとしていた。(で、追い出された…)
街中がその試合に盛り上がってるようだった。マドリッドもバルセロナも、
路上で公園で、長い夕方の遅くまで
子供たちがサッカーをしていた。トレド、コルドバ、ミハス、セビリア、グラナダ、バレンシア…。
旅行中に訪れたいろいろな場所で、
彼らも今、また仕事もせずに(たぶん昼だけど)
この試合を観て盛り上がっているんだろうなぁ
と思うと、自然とスペインを応援してた。スペイン気分を演出しようと
つまみに買ってきたバケットも
いつの間にか一本食べ切ってしまった。
(ワインではなく、冷酒を飲みながらでしたが
この組み合わせ、けっこうイケます。新発見だ)そして最後のPKをスペインが制し、
無敵艦隊はベスト8進出!
最後の最後まで目の離せない大傑作試合だった。次は、イタリアか、韓国か?
これまた楽しみな一戦なのだ。熱狂の日々はまだまだ続くーーー。
(つづく)