タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎

はガガーリン空港へ行く」を主宰している男
の書く生活記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。

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これまでの記録


<158> 9月2日(月)

■■ 一人の日曜日 ■■



昨日の日曜日は、家人が友達と遊びに出かけたので
一人で勝手気ままに過ごすことを楽しんだ。

平日もいつも一人なのだけど
休日だと不思議と気分が違う。

いるはずの人がいないという不在感が、
「一人」を感じさせるのかな。

これまでの人生、
一人で休日を過ごすことの方が
圧倒的に多かったので、
こういう機会は懐かしいというか、
貴重というか、
古いTシャツを着たように肌になじむ。

午前中は、居間で大きなボリュームで音楽を聴きながら、
(bird「フラッシュ/再生」と坂本龍一「B-2UNIT」)
本を読んだ。(高橋源一郎「一億三千万人のための小説の書き方」)

昼ごはんは、今まで入ったことのなかった
商店街のはずれにあるイタリアンレストランに入った。
この店が、思いがけずアタリやん!

……。

小さくて清潔感のある店で
やわらかな日射しが店内に差し込んでいる。
古い映画音楽(たぶん)が静かにかかっていて、
ボケ〜と一人で考えごとをするにはうってつけ。
しかもお客さんは他にひと組しかいなかった。
ちょっと隠れ家っぽい。

ジェノバ風バジリコと松の実のスパゲティを注文すると、
洒落た前菜とフランスパンが最初に出てきて、
食後にはコーヒーもついて、たしか980円くらい。
なかなかおいしかったのに、安い。

食べ終わっても
まだしばらくこの店にいたかったので
グラスワインを注文。
「フランスパンも1個もらえませんか?」
と付け加える。

スペインに旅行した時に知ったのだけど、
赤ワインのつまみにフランスパンはとてもいい。
スペインではランチでもフルボトルを注文して、
フランスパンをもぐもぐ食べながら、だらだら飲んでいた。

そんなことを思いだすと、いつの間にか
一人で外国旅行してるような気分になっていた。

すると、かんじのいい男性店員は
プリッツェルと、えーとなんだっけ
名前を忘れましたけど、オツマミになるような
ちょっとした料理も一緒に出してくれた。
これがまたおいしい。

会計をすると、
ランチ+ワインの値段だけで、1500円くらい。
オツマミはサービスだったみたいである。
なんて素晴らしい店なんだろう!感動した。

もう毎日でも来たくなってしまった。
でも平日の昼間に毎日ワインを飲むのが癖になったら
ちょっとまずいかな。

まあそれはともかくとして
こういう店を発見できると
この街も悪くないなという気分になる。

かなり幸せな気分で、
そのままダイエーで夕飯の買い物。
カツオのたたきの塊を買って、
スタバでコーヒー豆を買う。
気分がよかったので、ついでに
マグカップまで買ってしまった。

家に帰り、よく冷やしたビールを飲みながら
「ダイナマイッ!」を見る。
あの日、アルコール禁止だったことへの
ひそかなリベンジ(?)である。

まだ暑いけれど、涼しい風が入ってきて気持がいい。
空は青く、窓から見える逆光になった緑もきれいだ。
ビールがうまい。

テレビで見る「ダイナマイッ!」は、
夏休みの日記を読んでいるような感覚で、
生で見るのとはまた違う気分で楽しかった。
数日前の出来事なのに、もう懐かしい。

平穏そのものな夏の終わりの午後。

最後の桜庭の試合では、
また悲しくなってしまったけども…。

その後、なぜか唐突に
キューブリックの「フルメタル・ジャケット」を見たくなり、
(しかも猛烈に)
近くの新星堂に行く。
でも売ってなかったので、そのまま
電車に乗って秋葉原に出かけた。
中古屋に行けば、安く売ってるはずと思って。

でも何軒まわっても、どういうわけか売ってなかった。
不思議だ。どこにでも売ってそうなソフトなのに。
それでも、前から探していたCDやDVDが格安で買えたので、
得した気分に。「フルメタル・ジャケット」のことは忘れた。

帰宅してしばらくすると、家人も帰宅。
束の間の独身生活は終わった。

しかし明日の夜も会社の人とカラオケに行くという。
「あ、そう」
と無表情を装って返事したものの
心はルンルンである。
あまり大きな声では言えませんが…。

いや、決して家庭に不満はないんですよ。
(くどいようですが…)
それはそれとして、
たまの独身気分は楽しい。


(つづく)





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