タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎

はガガーリン空港へ行く」を主宰している
の書いた制作記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。

>>これまでの記録


<53> 2月21日(木)

■■ 前田日明=キカイダー ■■

この数日、夢中になっていた
「人造人間キカイダー THE ANIMATION」を
見終わった。

同じく、ここ数日間で読んでいた
「現代思想」プロレス特集号の
前田日明インタビューを読み終えた。

在日としての自分の半生を
語っているのだけど、
前田日明について
これまでになく深い理解が
できたような気がした記事だった。

機械でも人間でもないキカイダーと
日本人でも韓国人でもない前田日明は、
帰るところのない孤独
仲間のいない孤独
という点で重なる部分を感じた。

それゆえの
孤高の魅力。
せつなさ。
やさしさ。

「キカイダー」における
人間とロボットという構図は
日本人と韓国人を隠喩していて、
「人造人間」は
「在日」のメタファーだったのかもしれない。
「良心回路」は「血」?

「国境線なんか、俺が消してやるよ」

在日韓国人をテーマにした
映画「GO」の重要なセリフ。

実は前田日明がリングスで
目指していたのは、
そういう世界だったのかもしれない。

そういえば、∀ガンダムも
地球人とムーンレィス、
ふたつの民族による誤解、
認識不足から始まる悲劇。

主人公ロランは、その中間の存在だった。

…と考えるとあのラストは
とてつもなく深いメッセージだ。

好きなもの、興味をひかれる作品は
ジャンルを問わず、
やはり共通しているテーマがある。
点と点は繋がっている。

(つづく)





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