タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎
「狼はガガーリン空港へ行く」を主宰している男
の書いた制作記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。
>>これまでの記録
<73> 3月19日(火)
■■ 常盤響さんの家におじゃま ■■
今日もあたたかい。
春うらら。ららら♪常盤響さんのインタビューで
澁谷の事務所まで出かける。何を隠そう前を隠そう(隠す必要はないが)
俺は常盤さんのファンです。
常盤さんがデザインしたものは
CDでも本でもジャケ買いしたくなってしまう。電気グルーヴやマリンのCDはもちろんだけど
「インディビジュアル・プロジェクション」や
「無情の世界」は小説にもかかわらず、
ジャケ(表紙)買いしてしまったほど。
写真集もいいんだよねぇ。女の子の写真にしても
なんてことない風景にしても
常盤さんが撮ってデザインしたものは
なんとなくSFっぽい。俺が思うSFっぽさというのは
たとえば「時計じかけのオレンジ」や
「家族ゲーム」なんかにも感じる
微妙に現実とズレている空気感、
みたいなもののことなんだけど。というわけで
とても楽しみな取材。澁谷某所にあるマンションの
15階の部屋が常盤さんの
事務所兼自宅だった。
家賃高そう…。
晴れてると富士山が見えるそうで
いいなぁ。玄関を開けると
…うおー
いきなり散らかってる!部屋に入れてもらうと
…うおー
ここもすごい!何万枚もありそうなレコードや
足の踏み場もないほど床に散らばったものものに
圧倒される。「すいません、事務所だったんですけど
最近解散したので、家と兼用にして、
自宅のものをここに持ち込んだんですけど
まだ全然片付けてないんですよ」と、しきりに恐縮されてる常盤さんだったが、
(徹夜してたそうで頭もボサボサ…失礼!)
勝手に超オッシャレ〜な部屋だろうと
想像していたので、いきなり親近感。
(いや、もちろんオシャレなんですが)でもレコードやオモチャや本や雑貨やら
どれもいちいちソソる、おもろそうなものばかり。
もし1週間この部屋でほっておかれても、
全然退屈せずに遊んでいられるだろう。
いい部屋だなぁ。インタビューは常盤さんの
これまでの歩みを聞くもので、
興味深い話ばかりだったのだけど、
(4/11、4/18発売のフロムエーに掲載予定)
昔、フロムエーの五反田営業所でバイトしてた
という話は驚いた。求人広告を作ってたそうだ。バブル真っ盛りの頃で、
むちゃくちゃバブリーだった当時の
フロムエーの話は面白かったけど
さすがにこれは書けないだろうな〜。もともとは絵描きになりたかった常盤さんが
今後についていろいろ迷っていた20代後半の頃に
グラフィックデザインをするようになったキッカケは
ヤン富田さんにCDジャットのデザインを
依頼された時に、言われた言葉だそうだ。
「デザイン的に正しくなくていいから、
自分達が欲しくなるようなものを作ってほしい」
この時に、自分のやりたいことと仕事の接点を見つけて、
その後、自分のスタイルの確立に繋がったそうです。
心のメモに残しておきたい、名言。また写真も全然撮ったことなかったそうで
「インディビジュアル・プロジェクション」の表紙
で撮ったのが、ほとんど初めてということ。
これも予算が少なくて、
カメラマンにお願いできないこともあり、
けれど、ああいう写真を使ったデザインにしたかったので
自分で撮ったのだそう。そのためにカメラを買ったら
それで自分のギャラはなくなってしまったみたい。
モノ作り魂をビンビン感じた。でも、もちろん才能やセンスあってのことだけど
人生ほんとにひょんなことから
新しい道が開けるものだな〜。いろいろ書きたいところだけど、
雑誌用の取材で聞いた話なので、このへんで。あ、もうひとつだけ。
ひととおりインタビューが
終わって雑談していたら
常盤さんがこんなことを。「谷田さんのホームページおもしろいですね。
いろいろな人が書いてますね。
ボーとしながら読んでたんですよ」思いもしなかったことなので、
意表をつかれて慌ててしまった。
でも常盤さんが見てくれたなんて
とても嬉しい!ありがとうございます。
もっとがんばるか!そんなこんなで
オーガガ的にも嬉しい取材でした。
■■■ 常盤さんのHP ■■■
http://animalofairs.com/mars
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