タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎

はガガーリン空港へ行く」を主宰している
の書いた制作記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。

>>これまでの記録


<77> 3月23日(土)〜24日(日)

■■ 花見と名探偵とドシン ■■

土曜日。
花見に行くつもりだったが、
どんより曇り空。
しかも寒い。

今日は中止して、
明日に賭けよう!
と決めたら
雨が降ってきた。
ナイス判断。

花見を決行した人は気の毒に…
ズブ濡れだろうなぁ。

会社とかで大規模な花見を
計画していた人達は大変でしょう、今年は。
大幅に予定が繰り上がっちゃってさ。

夕方、雨が止み晴れてきたので、
以前見かけたことのある
やや遠い場所にある
古本&中古CD&ファミコンショップに
出かける。

雨あがりの夕暮れを
自転車で走ると気持ちよかった。

その店はこのへんでは
最も大きく、
一番品揃えも豊富で
なかなか良い店だった。

俺は「巨人のドシン」(少しだけ安かった)と、
西村京太郎の「名探偵も楽じゃない」
の文庫を買う。

「名探偵〜」は西村京太郎の初期の作品で、
エラリー・クイーン、エルキュール・ポアロ、
メグレ警部、明智小五郎が夢の共演を果たす、
掟破りの「名探偵シリーズ」第3弾。
ミステリーファンには堪らない、傑作パロディ。

西村京太郎は今では
「電車」のイメージだけが強くなってしまい、
赤川次郎とともに軽視されがちな
ベストセラー作家という印象だけれど、
初期の作品はバラエティに富んでいて、
なかなか面白いものが多いのです。

ちなみに第1弾「名探偵なんか怖くない」は
この4人の名探偵が、
あの3億円事件を解決するために
日本に招聘される、という大胆な発想の作品。

第2弾は「名探偵が多すぎる」では、
さらに豪華さが増し
アルセーヌ・ルバン&怪人二十面相と対決。

第4弾は、「名探偵に乾杯」。
ポアロ最後の事件「カーテン」後に発表され、
ポアロの代わりにヘイスティングス、
さらにはポアロ二世も現れ、
「カーテン」の新解釈がなされる、といった異色作。

で、今回買った「名探偵も楽じゃない」は
ミステリーマニアの組織の例会に、
4人の名探偵が招待され、
そこに「現代の名探偵」を名乗る青年も闖入し、
謎の連続殺人事件が起きる、という物語。

探偵小説に夢中だった中学生の頃に、
狂喜して読んだこのシリーズなんだけど、
ふと読み返してみたくなったものの、
なぜかこの第3弾だけは
どこの古本屋でも発見できなくて
それがようやく見つかったという次第。

さっそく読み始めた。
犯人は覚えてるけど、
トリックはもう忘れてしまったので
十分楽しめる。
しかし懐かしいなぁ。

当時の将来なりたいもの第1位は
「名探偵」だったことを思い出した。
結局、なれなかったな。

日曜日。晴れた。
が、少々寒い。

花見はどうしようかと
しばらく妻と協議したが、
結局行くことに決定。

弁当を作ったりし、
(俺はウインナーを炒めただけ)
昼すぎに出発!

…したのだけど
この時点では行き先が決まってなかった。
遠出しても寒くてすぐ帰ってくる可能性が
あるので、場所をなかなか決められなかった。

本屋で情報誌を立ち読みして
決めようという行き当たりバッタリ作戦。

けれど情報誌も
まさかこんなに早くに
桜が咲くとは予想してなかったようで
特集している本は少なかった。
そりゃそうだろうな、気の毒に。

結局、市川の里見公園が
近いし、良さそうだということで、
京成電車に乗った。

急行だと2つめの「国府台」駅で降り、
江戸川の土手を歩いて向う。

かなり暖かくなってきて、気持ちがいい。
水面もキラキラ光っていて、いいかんじ。

歩いて15分くらいで
里見公園に着いた。
江戸川のすぐ近くの小高い丘に
その公園はあった。

小じんまりとした公園だけど、
ぐるりと桜が周りを囲んでいて、
その密集感が良かった。
かなりの花見客で賑わっていたけど、
混みすぎという程でもなく、
なかなか理想的な花見処。

持ってきた弁当やビールを
広げ、桜鑑賞。

しかし、外で何かを食べると
なんてうまいんだろう!

おにぎり、ウインナー、卵焼き、
ケンタッキーで買ってきたフライドチキン…
大したものでもないのに、
「こんなにうまいものは他にないんじゃないか?」
と大袈裟に感じるほど、うまいと感じる。

寝転がって、桜や空や雲を見る。
いい気分だ。平和だ。

「会社を辞めてそろそろ1年か…」
などとしみじみモードに。

物思いに耽るのにも
飽きたら、読書。(妻は昼寝)
「名探偵〜」を読みすすめる。

寒いどころか、日光を浴びて
むしろ暑い。

結局、1時間半ほどすると
少し寒くなってきたので、帰る。

オレンジ色に光る
江戸川は本当にきれいだ。

帰ってきてビデオに撮ってあった
「ハリケンジャー」を見始めるが
また妻が居眠りを始めたので、
見るのは中止じゃー
「ドシン」を始める。

ほぼまったくゲームはやらない俺ですが
唯一好きだったのは「太陽のしっぽ」というゲーム。
原始人がただ原始世界をウロウロするだけで
ほとんど何もしなくていいようなゲームなんだけど、
それが自分には合っていた。(前にも書いたっけ?)

たいていのゲームは
いろいろやらなきゃいけないことが多すぎで、
何かを強要されてるような気がして、
どうもダメ。
(ま、ふつうはそれが楽しいんだろうけど…)
こっちはリラックスしたくて
ゲームをしているのに、
ちっともリラックスできない。
むしろ精神的に圧迫されて疲れる。
だから俺はゲームをしない。

けど「ドシン」は「太陽のしっぽ」と
同じ人が作っているということで、
同系統のゲームらしい。
だからやってみようと思った。

が、ドシンが島をうろうろするとこは
共通しているのだけど、
人間がちょろちょちょろ出てきて
結構うざったい。
(ま、それがこのゲームの面白さなんだろうけど)

一応こっち(ドシン)も
人間に好かれたいと思っているので、
一生懸命働いてみるのだけど、
やたらお願いばかりするくせに
あれこそ文句は言うし、好き勝手な批評をするし、
ちょろちょろしてるから踏み潰しちゃうし、
それで恨まれるし…
(ま、それをうまくやるゲームなんだろうけど)
「人間ってホントに勝手だ!!」
と腹がたってくる。

そこで悪い巨人に変身し、
すべて破壊するとスカッとする。
けどその快感に罪悪感も覚えたりして
なかなか厄介なゲーム。

まだ全貌が見えてこないので
よくわからないけど、
今のとこは「太陽のしっぽ」の方が好きかな。
でも、昔から持っていた
巨人願望は一応満たせるし、
いろんな村ができるとどうなるのか
興味もあるので、続けてみよう。

そんなこんなで週末は終わっていった。


(つづく)





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