タイトル■突刊マット
書き手 ■谷田俊太郎


マット界(プロレス・格闘技界)に関する
読み物企画です。書き手も内容もいろいろ!

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<第11回 2002.5.24>
リングスファンよ、ZERO-ONEを見よ!

リングスファンのみなさん、いかがおすごしですか?

第一次リングス解散以来、心の軸を失ってますよね?
田村のシウバ戦惨敗でさらに空虚な気持ちになってますよね?
高阪UFCで敗北!がさらに追い討ち?

ミルコvsシウバにも乗れず
いわゆる格闘技界も「もう関係ない世界になっちゃったなあ」
なんて思ってるんじゃないでしょうか?

「唯一の希望は、ヒョードルのPRIDE参戦くらいかなあ…」
そう思ってますよね?

あるいは、新日の1.4ドーム、5.2ドームを見て
「さようならプロレス…」と決別宣言?

その気持ち、よーくわかります!
なにしろ僕がそうでしたから。

しかしです
「ちょっと待ったあ〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!」
そう叫ばせてもらいます!

絶望は愚か者のすること。

マッチの歌を涙ながらに熱唱する前に
ZERO-ONEを見ろ!
そう言いたいのです。

僕は新たな希望を、
心の軸となる団体を
遂に見つけました!
それがZERO-ONEです。

勝手に断言しますが、
今、間違いなく時代はZERO-ONE!

PRIDEにもK-1にもWWE(元WWF)にも全日にも、
もちろん新日にもない魅力が爆発しまくってます!

とはいえスカパーで見るか、
生で観戦するかしか
まだZERO-ONEを見る方法はありません。

とにかく見てくれ!と言いたいんですが、
なかなか見る機会も少ないと思いますので、
一通り見ている人間として
とりあえずZERO-ONEの魅力の一端を紹介します。

今回のシリーズは、OH砲が登場した松山大会だけでなく、
どの地方大会も例外なく面白かったんですが
まずは昨日行われた5.23後楽園大会の話を。

この興行はリングスファンにとって注目すべき大会でした。
なぜならリングスの生んだ“新怪物”横井が出場したんです。
横井にとっては初の「プロレス」です。

これまた元リングスの坂田とタッグを組み、
佐藤耕平・崔リョウジというZERO-ONEの若手と対戦。

これがバツグンの面白さでした!
興奮度200%!!

佐藤は元修斗で、崔はゴルドーの弟子。
ZERO-ONE生え抜きの若手という意味で、
昔の山本・成瀬みたいなもんなんですが、
この二人がなぜか横井に敵意むきだし!
「ヨコイ〜ッ!」とガンたれまくり!蹴りまくり!殴りまくり!

もちろん横井もそれに応戦!
両者の感情がレッドゾーン状態のまま、
壮絶な喧嘩マッチをやらかしたのです。

その迫力と緊張感は、かつての新日とUWFの抗争、
あるいは、小林邦明と斉藤彰俊の闘いを彷佛!

そして坂田が、信じられないほどの強さを発揮!

190Bはありそうな大型の佐藤&崔に対して
あのリングス時代は何だったのかと思わせるほど、
攻撃一辺倒で圧倒的な実力差を見せつけるのです。
今の坂田、ズバリイケてます!

その高いプロレスへの適応能力、アレンジ力は、
長井、成瀬らが慣れないプロレスに苦戦しているのとは
雲泥の差!しかもZERO-ONEでは負け知らず!
この坂田を見るだけでも一見の価値アリ。

試合は、流血を伴う大興奮の展開になり、
最後、坂田が崔をチョークスリーパーで絞め落としたんですが、
横井と佐藤&崔は収まらず大乱闘!
控室まで追かけていくほどエキサイト!

いやー文句なしの面白さでした。

この新抗争はまだまだヒートアップするでしょう。
次回は、ぜひ滑川にも参戦してもらい
滑川&横井vs佐藤&崔の実現を期待したいです。

高阪は言いましたよね。
「僕らの闘うところは、どこでもリングスです」

そうです!
新たなリングスの闘いがZERO-ONEで始まったのです。
これを見逃す手はありますまい。

で、リングスの選手が出ているというだけでなく
(フライやナイマンも出てますが)
ZERO-ONEにはかつてのリングスと共通項が
たくさんあるように思えるのです!

やってる試合内容やノリはずいぶん違いますが、
面白さの核は同じもののような気がするんです。

思いつくまま、いくつか列挙します。

外人勢の魅力!
全員が個性タップリで、どいつもこいつも面白い。
いい奴、怖い奴、でかい奴、笑える奴、かっこいい奴、憎い奴、貧相な奴…
ともかくキャラが豊富で、ほぼハズレなし!
しかも、マイナーゆえか、やたらモチベーションが高い。
一人ずつ紹介したいとこですが、キリがないので省略。
ちなみにグリーン・ベレー出身のトム・ハワードは
かつてのヴォルク・ハンを思わせるカッコ良さですぞ。

主催者のインナーワールドである!
リングスが前田ワールドであったように
ZERO-ONEは橋本ワールド!
個人の顔が見えないビッグビジネスとなったPRIDEと
大きく異なる点はここです。
で、橋本のよく言えば、大らかな、
ぶっちゃけて言えば、いい加減な性格がうまく作用し、
実に解放感あふれる自由な世界を作りだしてます。

日本人vs外人が基本!
これも初期リングスを彷佛とさせます。
力道山時代からそうだったように
プロレスはそうでなくちゃいかんでしょう!
日本人同士で同じような試合を繰り返す純プロレス、
日本人の入りこむ隙間のなくなったリアルファイト、
そのどちらでもない面白さを見せてくれるのは
今はZERO-ONEだけでしょう!

野暮ったい!
ここも大事なポイントでしょう。
洗練されすぎてないところがリングスの魅力でしたが、
ZERO-ONEもまさにそれ!
あくまでB級のテイストがマイナー心をくすぐるのです。

とりあえずそんなとこかな?

で、リングスとは直接重なりませんけど
ZERO-ONEは他にも
プロレス本来の魅力に溢れまくってます。

笑い、場外乱闘、反則攻撃、悪役レフリー、悪のNWA会長、お約束、
凶悪外人入場時の「お気をつけください!」という絶叫アナウンス…などなど
説明しきれないくらい、まさになんでもあり。

で、どれもいちいち面白い!

忘れかけていたプロレスの面白さがここに詰まってます!

横井達の試合は、そのほんの一例にすぎないのです。
なにしろ、昨日は試合終了後すぐに、
次回の6.27後楽園大会のチケットを
焦るように買ってしまったほどです!

こんなことは長いプロレス生活でもおそらく初めて。
しかもまだカード発表もないにも関わらず、です。

さらに付け加えるならば、
試合後の飲み会で一度もボヤくことなく、
終始笑顔で「今日は面白かったなぁ!!」
とZERO-ONEの話だけに終始していたんですね。

この二つの特異なエピソードで
賢明なリングスファンのみなさんには、
今、ZERO-ONEがどれほどの面白さなのか
伝わるんじゃないでしょうか?

しかも、昨日の後楽園には
小川もゴルドーもデンプシーもMrフレッドも
小笠原(乱入のみ)も村上も出てません!
つまりZERO-ONEの目玉の半分くらいが欠けていたのです。

それでいて大満足の面白さで、会場も異様な盛り上がりでした。
これでフルメンバーが揃ったら、果たしてどうなってしまうのか?

次期シリーズの開幕戦、6.27後楽園大会、
そして最終戦7.7両国は女房を質に入れても
(あるいは旦那や恋人や家族や友人や…以下略)
かけつけるべきでしょう。

どんなカードかなんて気にしなくていいです!
どんな組み合わせでも面白くしてしまう勢いが
今のZERO-ONEにはあるのです!いやホントに!!

面白さは旬のもの。
タイミングを逃さないことが肝要です!
またブレイクしてから見たのでは
きっと疎外感を味わってしまうでしょう。

今のZERO-ONEは、まだブレイク手前です。
まだ間に合います。でも、急げ!

だまされたと思って、ぜひぜひ一度
ZERO-ONEを体験してみてください。

きっと失われた熱いプロレス心が取り戻せるはずです。

そして一緒に叫びましょう!
「トゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

<はみだし情報>
昨日の後楽園には小池栄子が来てました。
スティーブ・コリノにいろいろイジられ大変そうですが、
「ハシモト〜!」「オオタニ〜!」と
楽しそうに絶叫してました。

で、ひとつ言えることは
…… 生・小池栄子はすごくかわいい!






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