タイトル■短すぎた夏 〜私が田中康夫氏に投票した理由〜
書き手 ■長野 県太郎♂(仮名)

「もう今は昔になった長野県知事選挙。一人
の有権者として燃え損ねた記録を気分の向い
たときに書いていて、何となく文章になりま
した。オーガガのコンセプトに合致しました
ら掲載してくれるとうれしいです」という投
稿をいただきました。もちろん喜んで掲載さ
させていただきます。長い文章だったので、
何度かに分けてアップしますね。ではでは。

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(2)長野県が変わろうとした、あの日…

…およそ2年前、
東京都知事が青島幸夫から石原慎太郎
大阪府知事が横山ノック(当時)
タレント国会議員が
地方の首長になっていく
そんな風潮の中、
田中康夫は長野県知事に立候補した。

実は、彼が初当選したときの選挙、
私は棄権している。
単に、投票することを忘れていたのだ。
「まぁ、俺一人投票したところで
結果は変わらないし…」
入場券をどこかにしまい忘れたことに
託けていた私がいた。

もちろん、選挙自体は気にはなっていた。
旧態の組織的のなかで擁立された
副知事(当時)の候補者が圧勝するであろうと
思われた雰囲気が
選挙運動が進むにつれてみるみる変わっていった。

当時、「勝手連」と呼ばれた
組織を持たない組織(?)から
擁立された田中康夫に
「民意の象徴」を感じるようになっていたことは確かだ。

折しも、当時の副知事が
某世界的スポーツ祭典招致に関わる
疑惑の人の一人であったことについて、
県民がマイナスイメージを
抱いていたことも、
少なからず影響があったと思う。

それでも保守的な長野県である。

いくら田中康夫という「象徴」に民意を結集させ、
正論で勝負したところで
旧態の体制の候補には勝てないだろう…と思っていた。

それが、
投票終了から僅か30分ほど、
テレビの選挙速報の画面に
我が目を疑う当確者の名前が踊っていた。

そして翌日からは、
多くの行政上層部の方のお名前が
選挙違反の取り調べを受けていると報じられている!

私は
これまでの常識だと思っていた知事選のあり方に対する
自分の認識がずれていたことに
初めてこのとき気がついた思いがした。

(つづく)





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