タイトル■短すぎた夏 〜私が田中康夫氏に投票した理由〜
書き手 ■長野 県太郎♂(仮名)

「もう今は昔になった長野県知事選挙。一人
の有権者として燃え損ねた記録を気分の向い
たときに書いていて、何となく文章になりま
した。オーガガのコンセプトに合致しました
ら掲載してくれるとうれしいです」という投
稿をいただきました。もちろん喜んで掲載さ
させていただきます。長い文章だったので、
何度かに分けてアップしますね。ではでは。

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(4)熱い夏の予感

程なく、
田中康夫氏を含む6人の人が
県知事選に立候補を表明をした。

立候補表明した候補者の中に
県庁の行政畑にいた人は一人もいなかった。
県議会の某会派が推薦し、擁立を試みた人たちの
名前もなかった。

誰もが、「勝手連」型の選挙を
展開するとコメントしていた。
誰もが長野県の未来に対して熱い理念を語り
よりよい長野県を目指すべく
立ち上がっていた候補者だった。

…長野県はたった2年で変わったと思った。
つい2年前、行政畑から擁立された副知事経験者の候補が
当たり前のように順当勝ちする選挙が展開されていたはずなのに。
その構図が変わろうとしていたかのように見えた。

!!燃えてきた。!!
選挙でこれだけ燃える思いをしたのは
有権者になって以来初めてのことだ。
自分の住む地域の政治に
自分が直接に関わっているという実感を
ひしひしと感じた。

私は今回の選挙戦の争点を
「脱ダム」に関する考え方と
候補者一人一人の政治姿勢
になると勝手に決めつけた。

というか、世の中全体が
そう思っていた。
これまでにない、政策が問われる選挙になる感触があった。
きわめて高いレベルで政策論戦がなされ、
きわめて高いレベルの候補者が知事になるのだ。
長野県に本当の夜明けがくる!!
そう思うだけで震える思いがした。

新聞テレビは
日々、候補者の動向や
公約の詳細についてを報じていた。
しかも、全国ネットで、毎日である。

日本全国が長野県の動向に目を向けざるを得ない状況だった。
「長野で凄いことが起きている。」
と感じた視線は次第に
「長野から日本が変わろうとしている。」
という視線に変わっていたような気さえした。

…実に、熱い夏の始まりを予感させた。

     …しかし、夏の終わりも早かった。


(つづく)





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