タイトル■ニューヨーク貧乏 〜金が尽きたら、さようなら〜
書き手 ■マイティー井上Jr

現在ニューヨーク在住のフォトグラファーによる
貧乏生活報告を含めた、ニューヨークの今を伝え
る身辺雑記です。あくまでも1個人のみの視点で
お送りするエゴイズム通信であります。「
セプテ
ンバーイレブンで激減した観光客を1人でも多く
ニューヨークへ呼び戻したい!そんなピュア−な
気持ちもありますよ」という、そんな企画です!


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第3回

 ニューヨーク到着!貧乏魂のはじまり ■


予想していた金額より
買い取り価格全てが下回り、ガッカリ。
非常にキビシ〜! 

束の間の攻防戦を終え、腹が減ったので
馴染みの店に昼御飯を食べに行く、引っ越しの挨拶がてら。

「ここもしばらく来れなくなるよ!」
と親爺に告げ、店を出るや否や
奥歯のクラウンがとれた!
ゲ〜ッ!!
アメリカは医療費が高いし、ここでやらねばエライコッタ。

その足でこれも行きつけの歯医者に行き
「くっつけて下さい。」と泣きをいれる。

結果はかなり重傷で、今日だけでは無理。
「応急処置はするけど後は向こうで治療して貰いなさい」
弱り目にたたり目状態で、ブルーになる。
アメリカの歯医者ってベラボーに高いと聞くし、さあどうする!

重い足取りで何もない家に戻りゴミの処理をする。
持っていくものは仕事が最低できるカメラ機材を一式、ノートブックパソコン、
MOドライブ、ジーンズ、セーター、下着類を各2セット、
ポートフォリオや英和辞書などは別便で発送する事にし、
スーツケースサイズのカメラバックとショルダーバックに
なんとかおさめる事ができた。

機材がなければ、仕事の打ち合わせに行く時と
なんら変わりなく、またもや興醒め。

そうこうしているうちに
今晩宿を提供してくれる、カメラマンN氏がチビ娘とともに参上。

「おじちゃんの家なにもないね!だから家に泊まるの?」
と子供ならではのストレートな質問。
「おじさん今日からホームレスなんだ〜!」
と逆襲するが、反応なし。

ガランとした部屋が御気に召したようで走り回り、
哀愁に浸ることもなく、部屋を出る。

その晩は仲間の先輩N氏と後輩カメラマンが酒宴を開いてくれ、
青梅街道沿いの飲み屋で1時くらいまで飲む。
疲れもあり、この時どんな話をしたかは記憶にない。

翌日の朝8時、成田まで車で送ってくれるということで、
後輩カメラマンが迎えに来てくれN氏の家をでる。

高速は混雑もなく快調で、成田まで着いたが、
ターミナルを間違えたり、少し手間取る。

成田には、千葉在住のライターA氏が
チビ息子と共に見送りに来てくれていたが、
チェックインカウンターのコンピューターの故障で
時間がかかり、あまり話せなかった。

だが非常に印象的だったのは
「あまりガンバらなくていいから!ガンバルなよ!」
という彼の言葉。

彼は駆け出しのカメラマン時代から俺の事をよく知る人で、
自分なりに彼の言った事を解釈するに
「あまりムキにならず、意地をはらず何時でも帰ってこい」
という優しさに満ちたお言葉だと思う。
俺の性格を知った上で。

「いろいろな人にお世話になりながら、
 13年仕事を続けてきた東京とも、しばしサラバジャ!」

と思うこともなく、
疲労と二日酔いの体をなんとか飛行機のシートまでもっていく。

ひさしぶりの何もしなくて良い時間、グッスリ寝させて貰う。
おかげで11時間の禁煙も難なくパス。いよいよニューヨーク到着。

なんだか閑散としたターミナルで活気が感じられん!

ここは本当にJOHN.F.KENEDYか?
と疑いたくなる感じ。

入国審査を済ませ
マンハッタンのレジデンス(学校が契約している寮)まで
タクシーで行くため列に並ぶと、
たまたま卒業旅行できた二人ずれ日本人が前に並んでいたので
相乗りを申し込み成功。

貧乏魂のはじまり、はじまり。

(つづく)

次号からは少し赴きをかえ、
セプテンバーイレブンの時の事やら近況、日米間の下らない違いなど、
気の赴くままお伝えいたします。苦労話みたくなってしまったもんで。
すみません。


<おまけ> 日米どうでもいい比較その1



柔軟剤で有名なファーファ。白い小熊が目印のやつ、
こちらではスナグルと申して売っとります。
スペルはSnuggleで、意味はフワフワで日本と変わりませんが、
なんかスナギモを連想してしまうし、ゴアゴアって感じでしょ。




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