タイトル■ニューヨーク貧乏 〜金が尽きたら、さようなら〜
書き手 ■マイティー井上Jr
現在ニューヨーク在住のフォトグラファーによる
貧乏生活報告を含めた、ニューヨークの今を伝え
る身辺雑記です。あくまでも1個人のみの視点で
お送りするエゴイズム通信であります。「セプテ
ンバーイレブンで激減した観光客を1人でも多く
ニューヨークへ呼び戻したい!そんなピュア−な
気持ちもありますよ」という、そんな企画です!
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第25回
■■■ 悪戦苦闘!郵便奪還作戦!! ■■■
都心では桜は五分咲きだそうで、
今週末は見ごろらしいが(?)残念ながら
今回は用事が出来てしまい花見はできそうにない。花より仕事と、現実の問題を前に
風流などは吹き飛んでしまう心境は我ながらさもしい。ニューヨークにも桜の木はセントラルパークなどにあるが
屋外での飲酒が禁止されているため桜をみながら飲む、
日本流のお花見はできないのは無念・・・・。
来年はどこで見れるやら?さて、3月5日に帰国以来、
大久保のヘドロ邸に潜伏し、ビザの申請書類の作成に勤しんでいた。
何度も申請書のスペルチェックをしたり、
推薦状の翻訳に手を入れたりとストレスの溜まる作業を1週間、
やっと書類をすべて揃え、
ヘドロに「やっと終わったよ!」と終了宣言をした後、
郵便局で発送手続きをした。その時、郵便局員が
「明日の朝の発送になりますがいいですか?」
と俺に言った。その時は「お願いします」と気にも止めず応えたが
それが救いのキーワードになるとは予想だにしなかった。もう1度アメリカ大使館のホームページで提出書類のチェックをした。
「あれ...!」
「申請手数料の領収書入れるの忘れた!
D157てなんだ・・?」 愕然。申請書類が揃っていないと送り返され、
2〜3週間以上余計に取得に時間がかかる。
これだと5月にずれこみそうだ。戦争も始まるし。
焦る、焦る、焦る・・・どうしたものか?「そういえば明日の朝の発送と局員が言ってたな」
「朝一で取り戻しに行くか!」
そこからヘドロの協力の元に郵便奪還作戦が練られた!まあそんな大袈裟なものではないが
本人としてはそんな心境であった。まず、発送依頼した郵便局の営業時間を
ネットで検索するも出てこずイライラが募る。
こうなったら自分の足でもう1度確かめに行くしかない!その前にD157申請書類をダウンロードして
プリントアウトしなければならない。
で、自分のラップトップとヘドロのプリンターを繋ぐかダメ!つぎにヘドロのパソコンにダウンロードし、プリントアウトすることだが
ヘドロのパソコンにはマックの定番ソフトのアクロバットリーダが
インスト−ルされていない事が判明し、
先にそれをダウンロードしなければならなかった。アメリカ大使館のホームページにアクセスし
プリントアウトするまで2時間も有してしまった。
その上その申請書がまた厄介で、
テロ以降この補足申請書DS157を16才以上の男性は全員提出しなければならない、
と変更された書類で、内容は実に細かい。たとえば中学校から全学歴、所在地、電話番号、在籍年度、前職の会社名、
住所、電話番号おまけに直属の上司のなまえと連絡先、渡航履歴などだ。
学校の住所、電話番号なんて到底思い出せない!またネットで探りはじめるがなかなかスム−ズに行かない。
なんとか中学以外はわかったが、中学だけが分からず親に連絡し
卒業アルバムなどから調べてもらうがダメだった。それを見ていたヘドロが
「あなたはライターにはなれないネ!時間かかりすぎ。
そんな時は電話、電話の104で聞くんだよ!」
と業を煮やして教えてくれた。「なるほど!さすがライターだね」と思う反面、
「ライターになれないは余計だろ!」しばらく意地で検索するがダメ。
で、104に電話する。ものの1分で判明…。「やはり、私が間違っておりました。あなたさまの言う通りでございました。」
と反省。でなんとか夜中の3時に全部が終了。お腹が空いたので食パンを焼いて食べる。
これはヘドロ亭にとっては斬新なことなのだが、それは次回に。で、朝8時45分に寝ているヘドロを残し、
1人郵便を奪還すべく出動する。9時2分に郵便局に到着、事情を話す。局員の1人が「まだ今日は集配来てないよな〜?」
ともう1人に聞く「・・・・・」「来てませんよ」
待ってたぜこの言葉!!「で、どちら宛のやつですか?」ときかれる。
「簡易郵便で番号が・・・のやつで〜行き。」と俺。
「これですか?」と局員。
「それ、それ、それです。」取り乱し気味に叫ぶ。
「もう集配くるころですから、急いで入れるもの入れて下さい。
間に合わないと引き戻し料がかかりますよ。」と言われながら手渡される。
「早くよこせコノヤロー!」と心の中で叫ぶ。
理不尽な話だが。渡されるやいなや、ヘドロ邸から無断調達してきたカッターナイフで封を切り、
書類を入れテープで封をしようとしたその時.....。集配の郵便局員がやって来てしまった!
「ま、ま、まってください!!いま直ぐ出しますから!!!!」
とカウンター越しに集配係り絶叫する。
出し抜かれた担当局員は少し唖然としていたが
そんなことにかまってはいられない。「任務完了!!9時7分」
間一髪とはこれいかに!スリリングすぎるぜ本当に。任務達成の充実感からエキサイトしていたが、
意気揚々とヘドロ邸へと大久保の街を1人行進をしたマイティ−であった。
(つづく)
[マイテイ−井上Jrの自己紹介]
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