タイトル■ニューヨーク貧乏 〜金が尽きたら、さようなら〜
書き手 ■マイティー井上Jr
現在ニューヨーク在住のフォトグラファーによる
貧乏生活報告を含めた、ニューヨークの今を伝え
る身辺雑記です。あくまでも1個人のみの視点で
お送りするエゴイズム通信であります。「セプテ
ンバーイレブンで激減した観光客を1人でも多く
ニューヨークへ呼び戻したい!そんなピュア−な
気持ちもありますよ」という、そんな企画です!
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第28回
■■■ 変わらない、変わります、変わる、変わる時、変われば、変われ、変わろう! ■■■
ニューヨークに戻って早1ヵ月が過ぎようとしている。
なんだか淡々と過ぎてしまっている。ビザがジャーナリストビザに変わったから
何か気持ちに変化が現れるかと思いきや、
とりたてて変化はなく、
ただ朝起きて語学学校に行かなくてもいいことが
かえって締まりのないだらだら生活に拍車をかけている。就労以外ほとんど制約のないビザをゲットし
自由な身でありながら、
気持ちの部分で解放されていないのだ。ではそれは何かと自問してみれば、
やはりお金のことか・・・?今回の帰国にあたっても予想以上の出費、
新しいルームメートがまだ決まらず
来月も家賃丸抱えなど懐は危うくなる一方。
とても自由を謳歌し「どこかに撮影にでもいくか!」
という気にはなれないのである。
だが、いま日本人の殆どが同じような心境かも?
とも思うのであった。収入が減り、それと共に心のゆとりも減少し、
何かやらなければと思いながらも
死ぬほどのことでもないのでズルズルと後回し、
明日、明後日、明々後日と月日は流れる
が、何も手をつけられずにいる・・・。「異国でブラブラしているような奴に言われたくもないし、一緒にするな!」
と怒りを買うだろうが、まあ、まあ。
で、休みの日は気分転換にどこか出かけるわけでもなく、
お金を使わないように家でくつろぐ。
その方が気分的にも落ち着くのだが、
夕日と共に気分も沈むという日々をくり返す。何も生産的なこともせず、
自分が焦るまで気長に待つのが俺のやり方である。
日本の景気並みに・・・。しかし、「この文章を書いていること自体が前向きに動き出したに違いない!」
と楽観視する、どうしようもない自分がいるのである。かなりやばい。
人間どん底まで行かないとなかなかパワーがみなぎらないもんでしょヤッパリ?
じゃあ、日本の景気は?
中途半端な景気対策よりどん底まで。
失業率10%以上、新卒採用ゼロで学生運動が活発化、
現政権への不満からデモの嵐、
ぶっそうな都会暮しに見切りをつけ田舎暮らしを始める人が続出、
銀行の倒産、大恐慌の再来ぐらい行かないと
戦後経済復興の時のような国民パワーは生まれないのでは?そうならないと動かないのは自分も含めて愚かだな〜。
だが、愚かなのは実はそういうことではない。
根本的な問題は気持ちの問題で、
その一因がお金だということ。これまでのことは言い訳なのである。
何か一生懸命できることがあれば、何も問題はなくなる。
ただ、一生懸命できるものを見つけたり、続けたりしていくことが難しい。
そのことがわかっていながら足踏みしているのが愚かなのだ。
要は、飽きをどう克服するかなのでは?
その点、男より女性の方が
飽きたら未練なく次のことに進んでいくので元気なんだろうか?今さらカメラマンをやめる気にはなれない。
しかしフィルムからデジタルになりつつあり
カメラマンという職業が変わろうとしている。これは少なくとも200万ぐらいはデジタルカメラやコンピューター、
プリンター、スキャナーなど機材に投資がこの先必用ということ。
そのうえ雑誌の低迷で仕事も狭まっている。
潰れかけの町工場状態だ。これはあくまで下々のカメラマンの話だろうが・・・。「俺はモノクロしか撮らないよ!」と言ってみたいものだ。
言ったところで、「じゃあ、他をあたります。」と言われておしまい。おれがアンディー・ウォーホルのように天才ならば
おもちゃのカメラで撮っても
「グレート!」「オーサム!」と賞賛されるだろうに。「変わらない、変わります、変わる、変わる時、変われば、変われ、変わろう!」
ラ行変格活用でしたっけ、これは?
しかし、ニューヨークの天気のようにコロコロ変わられても疲れるだろうな〜。
こんなこと言うのも戦後生まれのたわ言だろう。
「生きるために一生懸命働け!」ですか、とどのつまりは。2回に渡りニューヨークとはあまり関係のない
「21世紀の周囲の変化」についてでした。
御意見、御感想、苦情はオオガガまで。
(つづく)
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