タイトル■ニューヨーク貧乏 〜金が尽きたら、さようなら〜
書き手 ■マイティー井上Jr

現在ニューヨーク在住のフォトグラファーによる
貧乏生活報告を含めた、ニューヨークの今を伝え
る身辺雑記です。あくまでも1個人のみの視点で
お送りするエゴイズム通信であります。「
セプテ
ンバーイレブンで激減した観光客を1人でも多く
ニューヨークへ呼び戻したい!そんなピュア−な
気持ちもありますよ」という、そんな企画です!

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第29回 
 ひょっとして良い展開? ■

ここ1ヵ月ほど、考えることが多い。
この先どのように展開させるか、ということだが、
その糸口が少し最近見えてきた。

というのは、こちらに戻って来てから
新しいルームメートを探している最中に
ヘッドショット(オーディション用の写真)を頼まれ、
スタジオをどこか確保しなければならなくなり思案していた。

しかし、なんと身近にあるではないか!
スタジオとして使える場所が!
広さも、天井の高さ、壁の白、オッケー!ノープロブレム!
空き部屋になっている、我がリビングルームだ!!

依頼者に、メールで部屋の写真を送ったところ
「グレート!エクセレント!!」
と気に入ってもらえ、数日後の撮影も無事終了した。

「オ〜ここは使えるな!この部屋は広く、陽当たりもいい。」
と妙に自分で納得してしまった。

こうなると、人に貸すのが惜しくなるのが人情で
自分で使うことを考えはじめた。
だが、18畳程あるもののが扉がないし、鍵がかからない。
また、朝は隣の住人の大音響のヒップホップミュージックに耐えねばならない・・・。

そんな思案の最中、最初のルームメート希望者が訪れた。

シティーカレッジに今春から通っている今時の女性で
今はホームステイをしているが6月に出るらしい。
で、いろいろ案内をした後、狭いが扉のある部屋の方を選ぶとのことで即決。

残り一人となり、今俺のいる
扉付きの2番目に広い部屋を貸すことが最良、
と我が城を明け渡す事にした。
まあこれには、以前の事もあるので(ルームメート同士が付き合う)
もう一人も女性の方が良いだろうと考えた上でもある。

いざ、隣の部屋に移動!
電話線を配線し直したりエアコンの取り外し、
貸す部屋の掃除、補修などかなりくたびれた。

一段落後、デジカメで写真を撮り
ルームメートを斡旋してくれる不動産屋に資料として持っていく。

家に帰ってくると
留守電にすでに問い合わせの電話が入っているではないか。
釣りで言う「入れ喰い」状態?
まあ結果はまだわからないが・・・。

しかし、食い付くのは時間の問題と見ている。
ベッド、パソコンデスク、ダイニングテーブル、チェア−、
カーペットなど(これらは過去の住人の遺産)がついて
1ヵ月でマンハッタンの中級ホテル2日分の値段!
短期の留学にもこれなら貸せるだろう。
2部屋とも埋まると俺の家賃は限り無くゼロ!

これなら東京の安アパートを日本のアジトとして持てそうだ。
「東京、ニューヨークに事務所あり」この響きはかなりクール!
懐が厳しくなり、東京で仕事をする事を現実問題として考えなくてはいけないし
東京〜ニューヨークの航空券もオフなら5万以下で買えるし、かなり現実的。

これはヒョットして良い展開かも?
この先5年はビザもあるし、
東京〜ニューヨークを行ったり来たりの巡業生活ができる。
仕事もうまく食いつくと良いのだが...。

ところで、前回も今回も
1人目の女性が即決でルームメートになったのだが、
もし俺が女なら、もう少し用心深く
この「男は何者?」と探り「後で連絡します。」とか言う。
彼女らがたまたま少しナイーブなのかもしれないが、
年が離れているとは言え、少しは男として警戒しろよ!

フェロモンが少ないのは自覚しているが、不満なのだ。
危ない香りのする男になってみたいマイティーであった。


(つづく)





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