タイトル■ニューヨーク貧乏 〜金が尽きたら、さようなら〜
書き手 ■マイティー井上Jr

現在ニューヨーク在住のフォトグラファーによる
貧乏生活報告を含めた、ニューヨークの今を伝え
る身辺雑記です。あくまでも1個人のみの視点で
お送りするエゴイズム通信であります。「
セプテ
ンバーイレブンで激減した観光客を1人でも多く
ニューヨークへ呼び戻したい!そんなピュア−な
気持ちもありますよ」という、そんな企画です!

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第36回 
 日本人とアメリカ人の恋愛話 ■

先日、このウエッブを見て連絡をいただいた写真関係者の方から
お招きがあり、フィラデルフィアに行って来た。
ちょうどルイスフォアというフォトグラファーの回顧展をやっていて
ニューヨークに飽きがきた身にはグッドタイミングだった。

ニューヨークからバスで2時間、小型のニューヨークといった感じの街で
人もさほど多くなく住み良さそうな所だ。
彼は私が会った日本人のなかで二人目のレアの人だった。
なにがレアかと言うと、日本人男性でアメリカ人女性と結婚した人、ということでだ。
アメリカ人と結婚した日本人女性はもう何人も会ったし、
結婚までは行かずとも付き合っているという話は回りにゴロゴロ。
だが、アメリカ人女性と恋愛している日本人男性はほとんどいなかった。

で、今回はそんな日本人とアメリカ人の恋愛話だ。
しかし、当の本人は全くそのことに疎遠というか無頓着なので
見たり聞いたりしたことを勝手に分析し、この記事のネタとしている。
これがすべてとは言わないが、傾向は少なくとも掴んでいると思っている。

限り無く100%近くのニューヨーク在住日本人女性が
アメリカ人からナンパされた経験があるそうだ。
チャイニーズ、コリアンなどアジア人が多くいるニューヨークだが
日本人女性は中でも人気者だ。
私の知るところ、40才代の人からもそんな話を聞いたことがある。
まあ、アメリカ人には若く見えるらしい?

なぜゆえに日本女性がモテルのか?
控えめな態度で従順、かわいいく若く見える、気前がよい、服のセンスが良いなどらしい。 
これらは、英語教師として永年日本人女性と接し見てきた
とあるアメリカ人の持つポジティブなイメージだが、
その裏返しにネガティブなイメージとして、
他人に流されやすい、警戒心が薄くお人好し、騙し易い、お金持ちにみられていると言っていた。

彼曰く、特に彼女らの警戒心の低さにはびっくりしたらしい。
学校で日本人女生徒からハラハラする話を聞かされたことが多かったからだ。

ある学生は、「駅で教師を名乗る中国系アメリカ人に、
財布をすられたので$20貸してくれと言われ貸してあげたけど、
住所も電話番号もデタラメでだまされた。」とか
「日本に興味があると声を掛けて来たアメリカ人と日本レストランに行き、
いろいろ教えてあげたのにトイレに入っている間に食い逃げされた。」とか
いいカモにされている。
「まあ、大きな事件になっていないからいいようなもんだけどネ。」と彼。

私の知る範囲では、ある20代後半の女性は
「この間パーティーで会ったファッション関係の人から旅行に誘われた。」
「そこで、ファッション関係のイベントがありいろんな人を紹介してくれるらしい。」
と嬉しそうに語るのだが・・・。
「フ〜ン、でもそれって魚釣りに似てるね。」「いい餌だよ。」と俺は言った。

また同年代のある人は、大学院生時代に教授から声をかけられ付き合っている。
しかし、彼には妻子がおり
「慰謝料を払うと莫大な費用が掛かるし子供が成人するまでは離婚できない。」
と言われたらしい。いわゆる不倫ですが・・・。
それを今度、愚痴と共に俺にどう思うか聞かれても「他で探せば?」と言うしかない。
何か言ってもこの手の人は聞く耳を持たないからだ。
教授が学生に手を出すなど洋の東西を問わずタブーだし、
そんなことを彼女に言うこと自体逃げのベクトルでどうしようもない。
これは、やばいことにもし相手の奥さんが訴訟を起こし彼女を訴えたら、
おそらく多額の賠償金を請求されかねない。
訴訟で取れるとこから取るのが訴訟国アメリカだからだ。
早く悟ってくれることを望む。

私が思うに、これらのことからずいぶん前の山田詠美の著書のタイトルでもある
「イエローキャブ」(すぐに簡単につかまえられ、乗れる、黄色人種の日本女性を例えた蔑視言葉。)
は未だにアメリカ人に信じられ、また存在しているということでもあるようだ。
彼女達がそれで良いのなら構わないが、それで迷惑を被っている人たちもいるのだ。

「私達はそんな簡単に引っ掛かる程バカでない!」
「声を掛けてくるアメリカ人なんてろくな奴はいない!」
「おかげでイエローキャブだと私達までイメージされるのは心外だ!」
と御立腹の日本人女性もかなりいる。
当然、彼女達もそんなナンパ被害に少なからず会った経験があるからだろう。

誘惑が多いいだけに実際どれが本物か見極めるのは難しい。

その誘惑も日本人のそれとは違いとてもロマンチックであるからなおさらだ。
これを実際、俺は某スターバックスで目撃したのだ。
あまりの執拗な甘い言葉の攻撃リズムに恐れ入りますと言った感じで、
まあ日本語では言えないな〜。英語のもつ音の魔術とでも言いましょうか。
「好き」「綺麗」と言う言葉だけでも「ラ〜ブ」「ビュ〜ティフ〜ル」
と響きが違うでしょ。もし俺が女なら、
「そこまで言うなら飯でも付き合ってやるか。」と思うかも知れないが、
その後は「ゴッチでした!」と去るしたたかさを持っていて欲しいのだ。
その後、その二人は一緒に出て行ったがどうなったのだろうか・・・?

それに引き換え、日本人の男性は以前も書いたが浮いた話は聞かない。
なんたる不公平か!こちらでは女性からの逆ナンはわりとあると聞くのに・・・。
それは、日本人男性は亭主関白で威張っていて、女性を召し使いのように扱うという
イメージがもたれているからだ。原因はそれ以外にもルックスとか男っぷりの点で
白人や黒人とかにかなわないところがあるからだろう。

そんな中で、2人の既婚者の存在は日本人男性にとって
おぼろげながら光る道標のような気がした。
女性から比べれば極めてまれな機会をしっかり掴んだと言う事で。
いっそうのこと日本人女性人気が不人気になったほうが
本当の機会を掴みとれるような気もする。

ところで、不思議と日本人男性のイメージする外人は
アメリカ人といえば口を揃えたようにブロンディ、白人金髪なのだが、
女性はと言えば、白人のみならず黒人であったりする。
この擦り込み感覚の違いはどこからくるのか?
女性の方が白人崇拝から解放されているのだろうか?
その反対に男性は保守的で人種差別傾向があるのだろうか?
私見としては、ただアピアランス、外観からくるものとそれに、
セックスアピール度が加味されての事だと思っている。

というのは、私の知り合いで最近アフリカンアメリカン(黒人)の人と
付き合い始めた女性が何人かいる。別に根っからのブラック好きとは思えなかった人、
また黒人に憧れのある根っからの人である。詳しいことは聞けてないが、
彼女らの彼氏に会った時にチャーミングで明るく陽気、
とても優しいと言う感じがした。まろやかな雰囲気というか。
ことばでは上手く言い表せないが、俺とは違う良い雰囲気がある。
これがフェロモンなのかよく解らないが、白人のカッコよさとも違う何かが・・・。
これが、答えなのだろうか?
これをブラックイリュージョンと勝手に呼んでいる。

そのパワーに参ってしまうのは解ったが、情報として心配なのは、
アメリカ成人黒人の40%の死因がエイズという話が
最近テレビコマーシャルで放映されている。
「止めるのはあなただ!」というキャッチコピーで。

この原因はアフリカからの移民者に感染者が多いことによるそうだ。
アフリカのナミビアなどの国々では国民の40〜50%が感染者というデータが出ている。
これらの国々では、まだコンドームの使用は一般に普及しておらず、
内戦などで国内を行き来した兵士やトラック運転手が街で娼婦を買い感染。
その兵士たちがウイルスの運び屋になり、急速に感染を広がったらしい。

日本以上に感染者の多いニューヨークは、その危険が日本の比ではないと言うことだ。
輸血による血液感染は自発的に防ぎようがないが、
防ぐのは安易な性交渉を持たないこと、コンドームの使用しかない。
これらの事実を知っておくべきだと言うことだ。好きな人が感染してなければオッケー、
していれば自分を含め感染を広げないようにすることだ。
感染を知らずに日本に帰国してしまうと、兵士たち同様に運び屋になってしまう。

特に留学などで帰国をあらかじめ決めている人は
寂しさからの一時の恋愛が一生を不意にするとともに、
ウィルスの運び屋になりかねない。

ここのところヒップホップやレゲエブームで
部屋を短期で貸して欲しいと言う日本の若者が多く訪れ、
彼等の言動を聞く度に老婆心ながら寂しい思いをしてしまう。
「黒人とヒップホップが好きでブルックリンに1度住んでみたい。」とか
「黒人周りに住んでいますか?」など、など。
憧れのイメージだけを膨らませ実際のいろんな危険性を見ていない。
せめてもの抵抗として当然そんな彼等とは契約をせず引き取ってもらうのだ。

国を越え、人種を越え恋愛などをしていくのはいいことだと思うが、
それが見せ掛けのファッションのようなモノでなく
本物を掴むことを切に願うのである。

ある人は、私のウェブのペ−ジをみて
ニューヨークに来ようと思っている人にマイナスに作用すると言っていた。
なにか、もっと勇気づけるような内容の方が良いのではと・・・。
しかし、夢だけでなく現実を突き付け知ることも必要なのだと思っている。


(つづく)





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