タイトル■ニューヨーク貧乏 〜金が尽きたら、さようなら〜
書き手 ■マイティー井上Jr
現在ニューヨーク在住のフォトグラファーによる
貧乏生活報告を含めた、ニューヨークの今を伝え
る身辺雑記です。あくまでも1個人のみの視点で
お送りするエゴイズム通信であります。「セプテ
ンバーイレブンで激減した観光客を1人でも多く
ニューヨークへ呼び戻したい!そんなピュア−な
気持ちもありますよ」という、そんな企画です!
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第39回
■■■ 巨人教師と無愛想学生 ■■■
今日はレイバーズ・デイ、日本で言うメイ・デイだが
コミニィスト嫌いのアメリカはあえて5月1日でなく9月1日にしたそうで、
この日を境に夏が終わり秋へ移るが、この2、3日
気温が急に下降し20。C前後で少し肌寒い。9月は学生にとって新学期の季節で
海外からの留学生もこの時期もっとも増えるらしい。
で、先日、不動産屋にアパートの更新に行った時それらしき若い人を多く見かけた。
耳をそばだて話を聞くに、「マンハッタンで家賃1000ドル(約12万円)くらい
で住みたいんですけど?いま通っている大学まで40分かかるんで・・・。」
結構ふざけたことを言っている。
ちなみに家賃1000ドル、学費、食費を軽く見積もっても月40万は下らないのでは?世の中にはそんな人がいるんだな〜と思いながら「地獄に落ちろ!」と思うのである。
しかし不動産屋に聞いた所、そういう日本人の学生は少なくないらしい。
お医者さん、弁護士、自営業者の御子息の方々は安全で、いい環境で
勉学に勤しめるようにと親御さんがポンとお支払いになるそうだ。
で、大家も日本人に貸したがるそうだが、俺の場合はちと違う。現在、家賃の未払いがあるとクレームをつけられているのである。
大家曰く、「去年の11月と今月分が未払いだ。」と言って来た。当然、こちらは払っていてレシートもすべてありファックスで送信するも
「受け取っていない。」で今度はコピーを郵送。
受け取ったら「返事をよこすように!」と告げるがなしのつぶて。
で、不動産屋から大家へ契約書などをすべてファックスで再度送信するが
今もって、リニューアル(再更新)が滞っている。決して自分の非を認めないことがアメリカ社会では結構あり
向こうの過失が完全に明白であっても「ソーリー」とは言わない。今月の目標はアメリカ人大家に「アイム・ソー・ソーリー」と言わせることに決定!
向こうが謝るまで徹底交戦を決意する。
実に下らないネガティブパワーを使わされているからだ。不動産絡みでもう1件、ルームメートの件である。
やっと8月初旬に決まった。
語学学校とかに募集広告を張らせてもらい金払いの良い学生をと思っていたが
なかなか決まらずにいたそんな中、「教師が部屋を探しているが・・・。」
というオファーがあり、教師だと一応身元がハッキリしていていいかと思い
「こちらは構わない。」と返事をする。翌日、夕方6時にこちらに部屋を見に来ると言うことで待つ。
5時過ぎに本人から「今から行くが最寄りの駅と番地を教えてくれ。」と電話が。
強烈なイングリッシュアクセントである。
イギリス人で最近ニューヨークに来た人だとは聞いていたが・・・。6時ちょうど、ベルがなりドアを開ける。そこには190cmはあろうかという
教師と言うよりバスケの選手みたいな巨人がバックパックを担ぎ立っていた。部屋を案内しながらいろいろ話すと、アメリカ人とはやはりどこか違うな〜と感じる。
個人的な違いもあろうが、落ち着いているというか、控えめというかチョットちがう。
優しい顔で気も良さそうだし、こちらとしては問題ないということを告げ、
あとは向こうの判断に任せるから決まったら教えてくれと伝えるや否や「ここにキメルよ。」と。
ただし「給料日までお金がないから、家賃と保証金はその時でいいか?」と・・・。それを了承し、ジェーソンという巨人が家に住むことになった。
これで家賃の補填ができるし、以前からいる
愛想のない日本人ルームメートとの暗い雰囲気も打開されると期待するが・・・。
実は今もってこの両方は成就されていない。ジェーソンは本当にお金に余裕がないらしく、デポジット(保証金)は
今もって受け取っていないし、暗い雰囲気はジェーソンとはないが、
日本人ルームメートとは殆ど顔をあわせないし、喋る機会もなく家賃をいただく時ぐらいである。
ジェーソンにもこのことを聞くが
「彼女とは殆ど話したことないよ。家に住んでいるのは知っているが姿を見ないから
まるでネズミのようだ。」と・・・。
本当のネズミと違い家賃を払ってくれるし俺にとっては有り難いが、少し不気味だ。彼女にとって英語の教師がルームメイトなんて
英語を勉強したい学生にはもってこいなのに、なぜに積極的に喋らないのか疑問である。
まあ、この件は大きなお世話なのでほっとくことにしている。そんなこんなで、問題はいろいろとあるが結構この貧乏暮しを楽しんでいる
今日この頃のマイティである。
(つづく)
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