タイトル■ニューヨーク貧乏 〜金が尽きたら、さようなら〜
書き手 ■マイティー井上Jr
現在ニューヨーク在住のフォトグラファーによる
貧乏生活報告を含めた、ニューヨークの今を伝え
る身辺雑記です。あくまでも1個人のみの視点で
お送りするエゴイズム通信であります。「セプテ
ンバーイレブンで激減した観光客を1人でも多く
ニューヨークへ呼び戻したい!そんなピュア−な
気持ちもありますよ」という、そんな企画です!
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第44回
■■■ ニューヨーク観光について ■■■
ニューヨークも秋の気配が濃くなり、アパートには
暖房が入るようになった。そんな中、二人の知人が相継いでやってくる。
二人とも夏休みをこれから取るとの事だ。1人は知人の知り合いの編集者、もう一人は俺と同じ歳の友人のカメラマンで
二人とも業界関係者でカレンダーどうりには休めない人たちだ。この時期ニューヨークのホテルは意外と混んでるらしくホテルを押さえるのに手間らしい。
夏に休みがとれなかった人が大挙して世界中からニューヨークに来るのだろうか?
どうも秋の行楽シーズンは万国共通らしい。二人に秋のニューヨークをどう堪能してもらうかあれこれ考えるが
目的が違うのでそれぞれに考える必要があるし、趣味、趣向が違うだろうから
本人達に聞くしかない。ムムムム・・・。一番こちらが迷うのは本人達のあまりオーダーがなく
こちらが勧める所だけをハイハイと連れて行く事だ。こちらは憶測で「ハイ!ここがエンパイア、ここがグランドゼロ」と連れていっても
本人達は「ヘ〜」で大体終わる。
こちらの労力の割には相手は喜んでくれないものでガッカリする。
プロの添乗員なら仕事と割り切れるが「エ〜ここもダメ、感動ナシ?」と凹むのである。で、最近思うのはあまりこちらがあれこれセッティングするより
本人自身があれこれ悩みながら、迷いながらやってもらう方が良い旅ができると思っている。
旅の恥はかき捨てを実践してもらう。
私がするのは地下鉄の使い方や土地勘を把握してもらうのを手伝うだけ。「どこが旨いレストラン」かと殆ど外食をしない俺に聞くよりも
「地球の〜」などのガイドブックほうが遥かに詳しく調べている。
はっきり言って「地球の〜」はすごい!
すべてが書かれている。俺が伝えるべきと思っている事まですべてが・・・。
ニューヨークに来るまえにあれだけ熟読すれば
ハッキリ言って俺よりニューヨークに詳しくなる。
今回の訪問者の1人が持って来たそれを見てつくづくそう思った。それに引き換えブルータスという雑誌のニューヨーク特集なるモノはあまりにもカッコ良すぎ、
あまり実用的で無い。まあ勝手にカッコつけていろと言いたい。あれを見てココに行きたいとか言われても「そんな高い所は行った事が無い!」
「予約取るの大変。」と断るしかない。旅とは日常からの脱却、お金を未曾有に使える人は別として
少し普段より贅沢をするぐらいが心地よい筈。毎日おいしい物を食べても飽きるし有り難みが減ると言うもんでは?
ヨーロッパやアメリカの各都市から訪れる人はそこらを良く分かっている。
朝昼は町中のデリやホットドックで済ませ夜だけ少し贅沢をすると。
その方がずっとスマートと思うのは俺だけだろうか?別にニューヨーク市から観光を依頼されたわけでも故郷でも何でもないのに
せっかくニューヨークに来てくれた人になんとか堪能してもらいたいと思うのだが
旅なんだからお金の事は多めにと思う旅人、そんなお金出すの勿体ないと思う在住者
との間の温度差も案内する上では考慮しないといけない。たとえば「タクシーなんか使うのは勿体ないし時間が掛かる!」と主張しても
時差ぼけが解消されて無い旅人は「歩くのくたびれた。ケチな事は言わずタクシー使
おう!」と言った時やはり合わせるのが好ましいと思う。旅なんだからしょうがないか〜。
ただ、あまりにも無駄なお金は落とさぬようにと思う貧乏性のマイティである。今、私の後ろでは時差ぼけがまだ解消されていない人が、高らかにイビキを轟かせている。
「寝れネーじゃないか、コノヤロウ!」「良い夢見てるのかな・・・?」
(つづく)
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