タイトル■ニューヨーク貧乏 〜金が尽きたら、さようなら〜
書き手 ■マイティー井上Jr

現在ニューヨーク在住のフォトグラファーによる
貧乏生活報告を含めた、ニューヨークの今を伝え
る身辺雑記です。あくまでも1個人のみの視点で
お送りするエゴイズム通信であります。「
セプテ
ンバーイレブンで激減した観光客を1人でも多く
ニューヨークへ呼び戻したい!そんなピュア−な
気持ちもありますよ」という、そんな企画です!

>バックナンバー


第50回 
 レトルトカレー、ラッキョ、月桂冠 ■■ 



相変わらず氷点下の日々、凍結した路面が解け始めたと思えば
また雪が降るといった繰り返しで、ニューヨーカーもこれにはウンザリしているようだ。

このなかで個人的に喜ばしいのは円が強くなったことで
¥120台から¥110になり$100で¥1000の違いだからこれはでかい。
しかし、日本の経済的にはこれはえらい打撃になるらしいので野放しには喜べない。
デジカメも今買っとけば随分節約できたのにと後悔している。

この恩恵にあずかり、こちらではすこし割高で俺には贅沢品だった
日本のレトルトカレーなど懐かしの味を楽しんでいる。
ヤッパリ旨い!インド人の本格カレーより俺はこのレトルトカレーの味が大好きだ。
値段はチャイナタウンで二つで$4だから日本と変りないかも?
炊いたカリフォルニア米コシヒカリの上にトロトロと覆いかぶさるカレーの光景にウットリ。
ワァー!と思わず声が・・・。

余計な記憶が脳裏をよぎる。「ラッキョがあれば最高だ!」が・・・ナイ。
ラッキョの味の記憶が脳から舌に伝達され蘇る。
パリポリ、パリポリと音と触感まで蘇ってきたゾ。
無いモノは仕方が無い、シュミレーション喰いダ。
カレー、ラッキョ、ご飯。カレー、カレー、ご飯、ラッキョ。
バカバカしいが大成功。
最後にレトルトパックの中にご飯を投入して縁に残ったカレーを無駄なく完食
ごちそうさまでした。サンキュー日本のカレー!

また、この寒さなので近所の酒屋にウィスキーかウオッカでも買うつもりでいったら、
月桂冠と白鶴を発見!値段は750ミリリットル$7.85と高いが
出会ってしまったから買うしかない。で月桂冠を買ってみる。

家に帰りラベルを調べると、カリフォルニアで作っていると書いてある。
また、アメリカ人向けに御親切に燗の仕方や、サケ・スクリュードライバー、
サケ・ブルッディーマリーなど日本酒ベースのカクテルの作り方が紹介されている。
果して旨いのかと興味があるが無視。大事な酒をそんな風に飲むには勿体なさすぎる。
日本で月桂冠など買ったことがなかったが、この目の前のものは越乃寒梅か久保田か
の有り難みがある。栓を開けるとプ〜ンと微かに甘いあの日本酒の香り〜。
ン〜、たまらん!
最初は冷やで一杯、次に燗をして飲んでみる。

少しまろやかさには欠けるがアメリカ人向けにはこのぐらいが良いのかもしれない。
これで毎晩ちびちびと雪見酒が当分できる。
酒の肴にポテトチップで今日は我慢。
今度はスルメか柿の種、お煎餅あたりを買ってこよう。
ア〜蟹味噌、もずく酢、マグロ納豆なんかも良いな〜とラッキョ同様に味の記憶を
蘇らせながら飲んでいるのである。

ニューヨークはお金さえ出せば日本のモノは殆ど買うことができる。
食品関係は日系のスーパー、チャイナタウン、コリアンタウンなどで手に入る。
こんなものまでと思うのはウォシュレット、日本のドラマなどのビデオレンタル、
キャバクラ、出会い系サイト、雀荘などなど。

必要としている人がいるから存在するのだろうけど、「なんだかナ〜・・・」
と思うマイティなのである。



(つづく)





[マイテイ−井上Jrの自己紹介]

[トップへ]