タイトル■ニューヨーク貧乏 〜金が尽きたら、さようなら〜
書き手 ■マイティー井上Jr
現在ニューヨーク在住のフォトグラファーによる
貧乏生活報告を含めた、ニューヨークの今を伝え
る身辺雑記です。あくまでも1個人のみの視点で
お送りするエゴイズム通信であります。「セプテ
ンバーイレブンで激減した観光客を1人でも多く
ニューヨークへ呼び戻したい!そんなピュア−な
気持ちもありますよ」という、そんな企画です!
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第55回
■■■ 残すところ1週間 ■■■
今宵でここでの生活も残すところ1週間。
陽射しもすっかり春らしくなって来たニューヨークだ。荷物のパッキングも済み、
あとは12日の金曜に引っ越し屋が引き取りに来て発送、
15日にこちらを経つ。
しかし、ぎりぎりまで写真を撮ったりプリントをするため
機材や現像機などはまだそのまんまの状態。
特に、引き延ばし機を捨てるか持ち帰るか思案中。
なにせデカイし重いので船便で運んでも結構お金が掛かりそう。
こちらで購入した日本製でわざわざ日本に持ってかえるだけの価値が
ある物でもなくどうするべきか・・・?
荷物の殆どが写真や機材でトランクを含め5箱。
その他の衣類や書籍ものは段ボール1箱にすべて収まってしまった。
なんというローメンテナンス!
通関検査のため発送品の価値を申告しなければならないが
自分の撮った写真はこの3年の成果でお金には変えられない。
しかし、申告するとなると美術品と評価されていたら話は別だが
価値は材料費相当となる。
万が一、紛失されたとしても印画紙の束としてしか
評価されないとはトホホな話だ。
衣類などは申告するには安すぎてチョット恥ずかしい。
「俺の金目の財産はカメラだけだな〜。」と痛感。そんな中、昨日は友人のアンディ夫婦がグッドバイパーティーを
彼の家で開いてくれ多くの友人達が集まってくれた。
自家製ピザに数種類のチーズやワインを愉しみながら各国訛の英語が飛び交い、
夜中まで語り明かし楽しい時を過ごした。特に、アンディには彼の仕事を手伝いをする事で夜ご飯を食べさせてもらったり
奥さんのキャロリンには仕事のエージェントのような事までしてもらい何かと世話になった。
もちろん英語の上達にも・・・。ニューヨークを去るにあたって唯一残念なのは、彼らとあまり会えなくなる事だ。
しかし、アンディ夫婦とはこの夏には広島であるフィルムフェスティバルに参加するために
夫婦で初来日の予定で、その時には俺がコーディネイトするので
アンディ達とはしばしの別れというところだ。東京を経つと時もそうだったが人の有り難みを知り、「財産は人なり」と切に思う。
「親、友人に多く世話になりながら、俺は彼らのために何かする事が出来たの
だろうか?」と別れ際にいつもこの疑問に苛まれるマイティである。
(つづく)
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