タイトル■女湯物語
書き手 ■加藤さこ

『女湯』と書かれた暖簾(のれん)をくぐると、
そこには男達の想像を超えたドラマが渦巻いている……。
というのは大げさだけど、お風呂屋さんの「女湯」って、
利用している女の私でも摩訶不思議な物語があるのです。
週に3回は必ず風呂屋に行くライター加藤が、
暖簾の向こう側の世界の「禁断の話」をお届けします。


序『女湯の暖簾をくぐる度に思うこと』

銭湯に行ったこと、ありますか?
私は週に3回は大きな風呂に
浸かりたくなって
お風呂屋さんに出かけます。

最近、職業などに男女の性差が
なくなりつつありますね。
古いことを言えば、
ファッションや髪型、
パチンコ屋も牛丼屋も、
男女の垣根が取れてます。
ドラマの『アリー マイラブ』では
トイレを男女共有していました。

でも、銭湯が男女一緒になることは
この先もたぶん、ないでしょう。
あったらどうなるのか、
多少の興味はありますが……。

風呂屋の「女湯」と書かれた
暖簾の前に立つと、
ああ自分は女なんだよなぁと
心の中でつぶやいてしまいます。
この暖簾、ただの布と文字だけなのに、
しっかり女を意識するアイテムなのですね。

それにしてもお風呂屋さんって、
よくよく考えると不思議な所です。
たとえ同姓とはいえ、
赤の他人が大勢いる前で、
実にクールな気持ちで下着を脱ぎ、
素っ裸になれるのですから。

私がお風呂屋さんを
頻繁に利用するようになったのは
気管支炎を治すための療養と趣味を兼ねて、
デカい風呂で半身浴をしにいくためでした。

そして、たまにしか行かなかった頃には
気が付かなかったけれど、
何度も通っているうちに、
ひょっとしたらこれは女湯独特の世界では?
というような意外な面が幾つも見えてきました。
これは私だけの胸に留めておくのは
非常にもったいない。
でも、女湯で起きたことを女湯暖簾の外に
出してもいいものだろうか…。
葛藤もちょっぴりあるけど、
やっぱりこんな面白いネタ、
黙っていられないっすよ。
ごめんね、私の女湯友達よ。

次回からは、女湯で日々起きている
楽しい話、奇妙な話、衝撃的な話など、
いろんな物語を、もちろん
ノンフィクションでお届けします。
お楽しみに!


(つづく)





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