タイトル狼男のスペイン記憶
書き手 
谷田俊太郎

2002年4月30日から5月8日の間、スペイン
を旅してきました。これはその記憶を書き残す
スペインをテーマにしたコラムです。スペイン
はいい!記憶を再現するたびにそう思います。
そんな思いをみなさんにお伝えしてみます!


これまで




第1回スペインで最も住みたくなった街は?

いきなりですが、
スペイン人は1日5食も食べるそうです。

朝ごはんはミルクコーヒー程度だけど
11時に2回目の朝ごはん。

で、15時に昼ごはんで、
これが5回の中のメインの食事。
サラリーマンも家に帰ってきて
料理上手なお母さんの手料理を
家族みんなでガッチリ食べるそう。

で、その後に1時間ほどシェスタ。
短い時間にグッスリ寝るという話。
ぐーぐー。

18時くらいに、おやつ。
やっぱりこの時も家族一緒で
デートをしている若者も
家に帰ってくるとのこと。

ちなみに日が暮れるのが
夜10時すぎなので
1日がやたらに長いんです。

で、21時くらいに
ハムやチーズなど軽めのばんごはん。

まさに食事の間に
ちょこっと仕事をしている状態!

こののんびりっぷり、
実に羨ましい限りです。

日曜日はみんな一斉に休むそうで
本当にどの店も閉まってました。
日本でいうと元旦みたいなかんじ。

本当にのんびりしすぎていて、
サービス業においては問題ありですが、
自分もその一員になればノー問題。

スペインで暮らせたら楽しいだろうな〜!
と強く思いました。

僕は海外に限らず、
日本でも都内でもどこへ行っても
「そこに住みたくなるかどうか」が
いつも興味の中心にあるのですが、
スペインは非常に「住みたい度」が高い国でした。

今回の旅はムチャなハードスケジュールでしたが
おかげでスペインのいろんな街を見ることができました。

それぞれに特色があり、魅力的だったのですが、
僕はずっと「一番住みたくなるのはどこか?」
を自問自答しながら旅をしていました。

そんなわけで新装開店の1回目はまず、
「スペインに住むならどの街か?」
という問いに結論を出してみたいと思います。

いま世の中はワールドカップ一色!
ここはそれに便乗してトーナメント方式を採用しましょう。
題して「街別対抗!スペインで一番住みたい街グランプリ」!

エントリーするのは、僕が訪れた街だけですが、
泊まっただけで印象の薄いバレンシアは外します。
一応説明するなら、普通の都会というかんじ。
あまり記憶に残ってません。オレンジも食べてないし。

あとドン・キホーテが立ち向かった風車が有名な、
ラ・マンチャ地方のコンスエグラは、
古い小さな街で、一面のブドウ畑と11基の風車が、
なかなか風情のある魅力的な風景を作っているんですが、
いかんせんそれ以外は何もない田舎すぎて
「住むにはちょっと…」と思ったので、これも外します。

というわけで以下の8個の街によるトーナメントで
スペインで一番住みたくなった街を決定します!




もちろん、あくまでも僕の独断と偏見だけが判断基準です。
そして、僕はどこの街もちらっと見たにすぎません。
街の本当の魅力なんて住んでみなければわからないでしょう。

ですからこのトーナメントは
通りすがりの観光客の「第一印象で決めました!」
というだけのことですが、まあ何かの参考までに
読んでいただければと思います。

では、さっそく始めましょう。

第1試合は、
スペイン最大の都会マドリッドと
かつての首都トレドの対決!

マドリッドには何といってもプラド美術館がありますし、
今回は見られなかったんですが、
ピカソの「ゲルニカ」があるソフィア王妃芸術センターがあります。
サッカーファンにはおなじみと思われる
「サンティアゴ・ベルナウ・スタジアム」もあります。
都会ですから、ナイトライフも充実してるでしょう。

…が、都会というのは
どんな街でもそう思うのですが、
どこも似ているような気がします。
東京もモスクワもニューヨークもプーケットも、
僕には似た印象に見えました。
(ニューヨークだけは少し違う気がしますが、それはまた別の話)

一方のトレドは、いまだに中世の佇まいを残す街。
周囲を川で囲まれた、小高い山の上にある陸の孤島のような雰囲気。
古い家がびっしり立ち並び、路地は車一台の幅くらいしかありません。
道は迷路のように入り組み、なんだか別世界のよう。
画家のエル・グレコが晩年をすごしたことで有名ですが、
なんといっても荘厳なカテドラルの芸術性の高さに圧倒されました。

というわけで、僕的にはトレドの圧勝です!

第2試合は、アンダルシア同士の対決・コルドバvsセビリア。

コルドバにはメスキータ(モスク)、
セビリアにはヒラルドの塔と
どちらにも芸術的な宗教建築があり、
どちらも素晴らしかった。
ただ好みとしては、ヒラルドの塔。

また「ユダヤ人街」と呼ばれる
真っ白な家が迷路のような立ち並んでいる地区があって、
それはそれは実にステキなのですが、
これまたどちらの街にもあるんです。
でもコルドバのユダヤ人街の方が大きいです。

そしてこれまたどちらの街にも
グアダルキビール川という大きな川が流れていて
川好きな僕としては非常にソソられる。

でも、より海に近いセビリアの方が
川に大きな船があったりして港街っぽい。

またセビリアは、リゾート地のような雰囲気でとても華やか。
オペラ「カルメン」の舞台でもあり、
ベラスケスが生まれた街でもあり、
マゼランはこの街から世界一周に旅立ったそう。

万博を開催した時に建てられたという
各国のパビリオン(といっても歴史的建築物に見える)が
街のあちこちにあって、国際的なムードも感じられます。
なんだかやたらにワクワクする街でした。

というわけで、セビリアの勝利!

続く第3試合もアンダルシア地方対決、ロンダvsミハス。

ロンダは、崖の上にある小さな街で
空中に浮かんでいるようです。
街の端にある橋の上からは、100mはあろう絶壁が見下ろせます。
また闘牛発祥の地でもあるそう。
ピカソが住んでいたこともあるというのも高ポイント。

ミハスは、山の中腹にある小さな街。地中海も一望できます。
ミハスのある「コスタ・デル・ソル」はヨーロッパ有数のリゾート地で
真っ白な家と青い海が素晴らしく鮮やかなコントラスト!

で、ここは悩まず、ミハスの右手を上げましょう。

白く綺麗なこの街で暮らし、毎日夕方からバール(バー)で
地中海を眺めながらビールが飲める毎日はどんなに素晴らしいだろう…、
そんな楽しい妄想がとめどもなく溢れたからです。

ロンダもステキですが、
あまりにも標高が高いところにある街なので
僕は少し怖いような気がしました。

さて1回戦の最後。グラナダvsバルセロナ。

グラナダ、と聞くとガンダム・ファン的には「月か?」
と反応してしまいますが、地上にある街です。
ここはなんといっても、アルハンブラ宮殿でしょう!
イスラム芸術の結晶は、まるで幻想の世界のようでした。

けれど、街は新興住宅っぽい家が多く、僕的にはイマイチ。

バルセロナは、スペイン第2の都会。
ガウディ、ピカソ、ミロが堪能できる芸術の街!
港街でもあり、マドリッドよりも古い街の趣きが残ってます。

住むなら、断然バルセロナ!即答です。

さて準決勝です。
まずは、トレドvsセビリア!

これは悩みます。中世的なトレドと現代的なセビリア。
どちらも違った持ち味で、双方魅力的…。

しかし、セビリアのような街は他にもあるかもしれません。
トレドは唯一無二の街自体が文化遺産のような場所。
ここはトレドかな〜。
都会にも出たければ、マドリッドもそう遠くないし。

というわけで、勝者トレド!

準決勝第ニ試合!ミハスvsバルセロナ!
あまりにも規模の違う対決です。

1日でほとんど歩けてしまいそうなミハス、
1ヵ月はかけないと堪能しきれなさそうなバルセロナ。
ハンディキャップマッチだな。

バルセロナの圧勝です。

さあ、いよいよ決勝戦。
トレドvsバルセロナ!

街の雰囲気では断然トレドです。

けれどバルセロナにはガウディがいる、
ピカソがいる、ミロがいる!
ダリの故郷フィゲラスも近い!
圧倒的に戦力豊富です。
エル・グレコのみのトレドは分が悪い。

う〜ん…どっちがいいかなぁ…。

実はスペイン旅行から帰ってくる飛行機の中では
トレド優勝と決めていたんですが、
帰ってきてガウディの本を読んだりして、
いろいろカタルーニャ地方のことを知るにつけ
バルセロナへの思いは強くなってるんです。

しかも今回の旅では、
バルセロナを訪れたのが日曜日だったので、
ピカソもミロも、もちろんダリも見られなかったんです。
従って、もう一度行きたいという気持ちが強い…。

ああ〜でも、トレドの中世的な雰囲気は捨て難い!
迷路の街を毎日散歩するのは魅力的。
あのカテドラルは、スペインで見たものの中でも
ダントツに迫力があった。

試合は延長戦にもつれこんでます。
一本勝ちは難しい。

時間切れ引き分け!…としたいとこですが
ここはマストシステムでいくべきでしょう。

よし、結論を出そう。

トレド優勝!

僕がスペインで一番住みたい街はやっぱりトレドです!
おめでとう!


ただし、老後に住むなら…
という注釈つきです。

若い今ならバルセロナかも。
未練がましいようですけど。


とりあえず、スペインにはまた行くつもりですが、
今度はバルセロナに長期滞在しながら、
ちょこちょこ行ったことない街も見てみたいです。

さて、本人は悦に入ってますが
スペインに行ったことのない人にも
楽しんでいただけたのでしょうか?

要するに、スペインには
こんなにステキな街がいっぱいですよ!
ということを伝えたかったわけです。

僕が見たのは氷山の一角にすぎないのに
それでもこんなにあるんですから。

それではまた次回。
アディオス!




(つづく)





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