トリノの聖骸布 | |
![]() ひと続きの布に写し取られている。 |
十字架に磔(はりつけ)にになった「キリストの遺体を包んだ」とされる布が、イタリアはトリノの洗礼者ヨハネ大聖堂に保管されている。(所有はバチカン) 縦4.36メートル、横1.1メートルのリネンの布で、日本では聖骸布(せいがいふ)と呼ばれている。 聖骸布に残る男性の像がキリストのものであるとされる証拠は…
といったものである。 |
![]() 科学調査の結果、人間の血液でAB型であ ることが判明した。 |
聖骸布に現れている男性像はネガ像で、左の写真は上の像をモノトーンにし、ネガ/ポジを反転し、見やすいように少少加工したものだ。 布への像の転写は、顔料で行われておらず、布の繊維内で色の変化が起こっているのは、表層の5〜6ミクロンまでで、その奥は変化していない。顔料や染料なら、もっと深くまで色が変化しているはずである。 また、像自身に左右のゆがみが非常に少ない。 この像は、なんらかの方法でリネンの布をフィルム化し、遺体(か、生きた人間)をキリストのように扮装させ、炎天下で数日かけて感光させた写真ではないか? といった説が最近主張されている。 しかし、14世紀には写真技術などなかった。 ダヴィンチが、針穴で野外の景色が上下逆転像になることを説明したのは、聖骸布が現れて130年もたってからのことで、ルイ・ダゲールが今日的な写真術を確立したのは1839年になってからだ。 一体どのようにしてこの聖骸布を制作したのか、まだ謎である。 |
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これはキリストの顔なのだろうか? サレジオ修道会のガエタノ・コンプリ神父は、 「聖骸布は、信仰上なくてはならないものではありません。これが偽物でも、私たちの信仰は何ら変わりません。でも、これが本物なら、キリストのご受難を具体的に示す貴重な遺産であり、信仰の助けになるものです。だから研究を続ける価値があるでしょう」 と語る。 |